逃げるは恥だが役に立つ(新垣結衣)VSメディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断(吉岡里帆)VSそしてデラックスへ(鈴木亮平)
おいおいおい!
まあ・・・序盤なので。
秋ドラマのようなものが次々とスタートしていてスケジュール調整が難しいのである。
不動の(日)から検討してみると・・・。
(日)「真田丸」
(月)「夏目漱石の妻」→来週最終回→未定
(火)←ココ
(水)未定
(木)「黒い十人の女」
(金)「勇者ヨシヒコと導かれし七人」
(土)「忠臣蔵の恋」
・・・ということになっている。
さしあたって(火)は「あまちゃん」でお馴染みののん(本名能年玲奈)とトラブルを抱えている事務所の主軸であるガッキーこと新垣結衣(28)が抜群の安定感である。もはや、あばずれ女優のイメージはない。
脇役に真野恵里菜(25)も配置されていてキャスティング的には渋いのである。
一方、ガッキーの新たなるライバルと妄想できる逸材・吉岡里帆(23)をヒロインに配した「メディカルなんとか」は毒にも薬にもならない陳腐な医療ドラマだが・・・こういうドラマでも抜群の魅力を発揮していてさすがなんだな。ステップアップにはうってつけだが・・・レビューをする必要はあまり感じられなかった。
とにかく・・・九時から吉岡里帆、十時から新垣結衣の二本立てに一部お茶の間はうっとりだな。
で、『彼岸島 Love is over・最終回(全4話)』(TBSテレビ201610120158~)原作・松本光司、脚本・佐東みどり、演出・岩本晶を見た。不老不死で不死身の吸血鬼・雅(栗原類)を倒すために必要な「501ワクチン」を求めて彼岸島の秘密基地に潜入した宮本明(白石隼也)、弓矢の名人であるユキ(桜井美南)、爆弾魔の西山(阿部翔平)、案内人の冷(佐藤めぐみ)だったが・・・死角のない邪鬼の百目に遭遇し、絶体絶命のピンチとなる。そこに現れたのは明の兄である宮本篤(鈴木亮平)だった。
兄弟の絶妙な連携攻撃で百目は血の海に沈む。
「兄貴・・・ありがとう」
しかし、吸血鬼と化した篤は赤い目で弟を見つめるのだった。
「人間にとって・・・吸血鬼が敵であるように・・・吸血鬼にとって人間は敵だ」
「え」
「俺は雅様の命令で・・・お前より先に501ワクチンを手に入れる」
「ええ」
「生き残りたかったら・・・俺を倒せ」
「えええ」
苦悩する明を西山は抱きしめる。
「泣きたい時は泣けばいい」
「なぜ・・・お前の胸で泣かねばならんのだ」
秘密の研究室で捜索活動を続ける明に・・・冷は囁く。
「私はかって・・・吸血鬼たちの命令で・・・あなたたちを島に招いた」
「・・・」
「それをすべて・・・封印を解いた篤さんの責任と・・・詰ったこともあったわ」
「・・・」
「今は・・・そのことを謝りたいの」
「そ・・・それは・・・フラグじゃないか」
前座の帝国陸軍吸血鬼との小競り合いの後でついに発見される「501ワクチン」・・・。
そこに大薙刀を引っ提げた篤が現れる。
スタイリッシュな弁慶VS牛若丸の対決である。
しかし・・・圧倒的な技量を持つ篤の前に打破される明・・・。
振り下ろされる大薙刀の前に冷は身を投げる。
「・・・」
「篤さん・・・ごめんなさい・・・明さんとは戦わないで」
血まみれの冷を抱きとめる明。
篤は「501ワクチン」を回収すると・・・去って行った。
雅の命令は・・・「501ワクチン」の回収であり・・・明の殲滅ではなかったからである。
「みんなを・・・守って」
冷は明の腕の中で息をひきとった。
「二人は先に村に帰ってくれ」
「決心は変わらないの」
ユキは明の胸の中に飛び込んだ。
明は勃起したが・・・西山がいるので・・・それ以上のことはできなかった。
「俺は・・・必ず・・・501ワクチンを手に入れる・・・」
明は単身・・・兄を追うのだった。
そして・・・映画「彼岸島デラックス」へ・・・長いプロモーションだったなあ・・・。
映画もきっと頭悪い感じなんだろうなあ・・・。
関連するキッドのブログ→第3話のレビュー
で、『メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断・第1回』(フジテレビ20161011PM9~)脚本・田中眞一、演出・星野和成を見た。女医で女医でまた女医である。イケメンが押さえられなかったんだな・・・違うぞ。東光大学病院解析診断部がなぜ女医のみで構成されているのか・・・意味がわからない。東光大学病院の病院長・北畠昌幸(高橋克典)とタレント医師で解析診断部の部長・岩倉葉子(伊藤蘭)との権力闘争の結果なのか・・・。とにかく・・・「病名確定」ものである。それだけでは目新しくないので「女だらけ」にしたみたいだな。なんというお手軽な発想だ!
主人公の橘志帆(吉田羊)は過去に謎を秘めた脳神経外科医である。
しかし・・・手術中に幻覚を見るようになって廃業を決意する。
精神科を受診するべきだよね。
橘は自称・シングルマザーだが・・・娘の真央(藤澤遥)は何故か・・・とても存在感が希薄なのである。
幻覚は・・・混乱した事故現場・・・ストレッチャーで運ばれる重態の患者もしくは死体・・・。
「それ」について記憶が曖昧な橘なのだった。
そんな橘を解析診断部にスカウトする北畠病院長。
内科医の岩倉部長の下には・・・部長の腰巾着で神経内科医の村上夏海(笛木優子)、図体が大きい病理医の植松結衣(滝沢沙織)、救急救命医の里見藍(白鳥久美子)、何故かクールな外科医の新田雪野(相武紗季)という猛者たち・・・そして紅一点の・・・おい・・・研修医・田丸綾香(吉岡里帆)が配されている。
高圧的な岩倉部長に対して橘医師は硬軟とりまぜた対応で斬り込むという趣向である。
第一回のゲスト患者は・・・料理研究家の増山美希(堀内敬子)と保育園児の増山宏太(五十嵐陽向)であり・・・突如、吐血した宏太の消化器から釘が発見され・・・様々な疑惑が浮上する。
しかし・・・釘は忙しい母親にストレスを感じた宏太が「異食」により・・・自ら飲み込んだものだった。
シングルマザーの育児の悲哀を描いて幕というところだが・・・初回延長のためにもうひとひねりがあり・・・母子同時吐血の緊急事態が発生。
岩倉部長は誤診で・・・再生不良性貧血と診断して匙を投げるが橘医師は診断探偵として周辺捜査に挑み・・・病因を保育園で流行中のリンゴ病(伝染性紅斑)の感染によるものと特定するのだった。
正しい診断による適切な処置で母子は命を救われるのだった。
研修医というポジションで主人公のアシスタントを勤めることにより出番を確保するヒロインの・・・おい・・・田丸綾香にうっとりするしかないドラマなのだった。
現在では遅咲きと言える女優だが・・・ゆとりな教育実習生に続き、フレッシュな研修医を見せてもらえたらそれでいいよね。
婚期の遅れた病理医の植松結衣は合コンに夢中なので「私の言うことは絶対だ」と言わないのである。
「そんな病気があったのか」という驚きたい人は別にして・・・どうせなら「コウノドリ」くらいの甘さの方がエンターティメントとしては成功すると考える。
キャッチフレーズが「チーム・バチスタシリーズ」のスタッフが再結集なのだが・・・あれは医療ものというよりはミステリだし・・・そもそも宣伝文句になるほどヒットしていないんじゃないかな。なんだろう・・・自画自賛の一種なのか。
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で、『逃げるは恥だが役に立つ・第1回』(TBSテレビ20161011PM10~)原作・海野つなみ、脚本・野木亜紀子、演出・金子文紀を見た。原作ものの脚本では定評のある脚本家と主演女優のコンビは・・・「空飛ぶ広報室」(2013年TBSテレビ)、「掟上今日子の備忘録」(2015年日本テレビ)に続いて三度目である。最近の若手脚本家としては珍しい展開力である。「コード・ブルー」(脚本・林宏司)と「リーガル・ハイ」(脚本・古沢良太)でヒロインとして新人医師と新人弁護士という知的な役柄を確保した新垣結衣をより魅力的に仕上げた脚本家と言えるだろう。今回も・・・傑作を予感させるスタートである。
「ダメな私に恋してください」「重版出来!」「せいせいするほど、愛してる」とコミック原作を続けてきたこの枠自体も当たり外れは大きいながら一つの特性として馴染んできたよね。
無職の二十五歳・・・森山みくり(新垣結衣)は心理学を専攻とした大学での就職活動が実らず、大学院に進学、臨床心理士の資格を取得したが・・・またしても就職活動が実らず、派遣社員となったが派遣切りに遇い現在に至る。
選ばれなかった女である。
両親である森山栃男(宇梶剛士)と桜(富田靖子)夫妻と同居中なのだ。
気落ちする娘に・・・栃男はかって部下だった独身男の津崎平匡(星野源)の「家事手伝い」という仕事を宛がうのだった。
IT企業に勤めるシステムエンジニアの津崎は繊細な性格だった。
片づけられすぎるのも嫌だし・・・大雑把にやられても苛立つ神経質なタイプだった。
これに対し・・・家事一般を情熱大陸的でプロフェッショナルな仕事の流儀で取り組むみくりの「労働」がフィットしたのであった。
仕事ぶりを津崎に認められ・・・働く喜びを堪能するみくり・・・。
みくりによって快適になった暮らしに潤いを感じる津崎・・・。
二人の距離はゆっくりと縮まるのだった。
二人の周囲には・・・そこはかとなくコミカルな人材が集う。
津崎の同僚には猿飛佐助のような日野秀司(藤井隆)、結婚を必要ないものを買う行為と断じる風見涼太(大谷亮平)、心にあばずれ女を飼っている沼田頼綱(古田新太)などが配置され・・・肩を並べるだけでなんとなく面白いのだった。
みくりには友人で眉毛くっきり系の凛とした田中安恵(真野恵里菜)や・・・母親の姉で化粧品会社勤務の土屋百合(石田ゆり子)がいる。
独身を貫く百合を「百合伯母さん」と呼ぶと本人がショックを受けるので・・・みくには配慮して彼女を「百合ちゃん」と呼ぶのだった。
富田靖子の方が石田ゆり子より一学年上だが・・・ゆり子と靖子の姉妹もなんだかそれだけで面白いぞ。
就職にこだわるみくりは・・・主婦業が給与制なら・・・自分にもできるといつしか妄想していく。
徹夜続きの業務で体調を崩した津崎を家政婦として看護したみくりはうっかり・・・「どうせなら結婚して・・・給料をもらいたい」と漏らしてしまう。
その言葉に激しく心を揺さぶられる津崎だった。
みくりは恥ずかしさでのたうちまわり一人四十八手をサービスするのだった。
そんな折・・・気まぐれな両親が転居することになり・・・みくりの家政婦業にも終止符が打たれることになる。
家政婦の収入では・・・自立できないみくりだった。
業務終了の挨拶に来たみくりに・・・津崎は「事実婚」を申し出る。
入籍はせずに同居し・・・みくりを住み込みの家政婦として雇用するという提案である。
就職の決まった感じにみくりは天国にのぼる気持ちで「雇ってください」と承諾する。
夜の生活は抜きらしい。
そこで給与が発生するともはや「売春」だからな。
引越しの準備万端整った両親に「結婚」を報告する二人。
「お嬢さんをください」とは言えない津崎を「結婚しようと思って」とフォローするみくり。
「なんですってええええええええ」と絶叫する百合伯母さんだった。
こうして・・・「結婚」と称してプロフェッショナルな独身男と同居する処女の家政婦・・・という「物語」の幕が上がったのだった。
ああ・・・なんだか・・・とても愉快だなあ・・・。
どうということのない話なのになあ・・・。
脚本の勝利だよなあ・・・。
(火)は「逃げるは恥だが役に立つ」で決まりだなあ。
高性能な武器相手でも盛って対抗する健気さがすでに萌え要素だからなあ。
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