選択されなかったのに共有された女のバラード(新垣結衣)
公衆トイレの話か?
全然、違うぞ。
まあ・・・人間はそもそも大気をシェアしている生き物だからな。
あらゆる人間は空気を交換しながら生きているのだ。
そんな生物が・・・自他境界線について考えること自体がおかしいのである。
少なくとも悪魔はそう思う。
これはファンタジーだ・・・そもそもガッキーが選ばれなかったり手放されたりするという事態にはなんの信憑性もないからな。
まあ・・・そんなこといったら・・・虚構なんか成立しないわけだが。
で、『逃げるは恥だが役に立つ・第4回』(TBSテレビ20161101PM10~)原作・海野つなみ、脚本・野木亜紀子、演出・土井裕泰を見た。美しく聡明な女をもてあます男ばかりの世の中らしい。傲慢な男は淘汰される運命だからな。もちろん・・・客観と主観は目まぐるしく入れ替わり・・・臆病な男たちの集団からも勇者や卑怯者は生れ出るのだ。そういう世界で・・・恋愛を苦手とする男女ばかりが・・・ラブコメの主役として踊りだすのだった。
「ヒラマサさんが一番好きです」
就職活動の果てにいろいろとこじらせた無職の二十五歳・・・森山みくり(新垣結衣)に・・・薬師三尊像の前で告白され・・・不毛だった三十五年の人生を浄化された気分になる津崎平匡(星野源)だったが・・・狙った獲物は逃がさないタイプのイケメン・ストーカー風見涼太(大谷亮平)にはったりをかまされ・・・契約結婚の秘密を白状してしまうのだった。
そして・・・ヒラマサのみくりに対する「恋愛感情の有無」を確認する風見・・・。
もちろん・・・ヒセマサが「ノー」としか答えられないことを承知の上での追い込みである。
他人の持ち物を欲しがるタイプであることは間違いない風見は・・・ヒラマサに対してみくりの週一のシェアを持ちかける。
みくりが風見の話をするだけでも絶望的な敗北感を感じるヒラマサは・・・みくりを強奪される未来を予見し・・・現実から逃避するのだった。
一方、話が進展しないと見た風見はみくりを待ち伏せし・・・さりげなく「ひらまさと風見がみくりをシェアすること」についてみくりへ曖昧に伝える。
それから・・・半月・・・朝・・・みくりが朝食を作る包丁の音で目覚めるという至福の時を失う予感におびえるヒラマサと・・・「シェア」について妄想チアガールに変身して親指姫的南くんの恋人的小美人的サイズを一部お茶の間に堪能させつつ問いたいみくりなのだった。
「いってらっしゃい」と送りだしてもあたふたとしている雇用主ヒラマサに従業員みくりは夫が浮気しているのではないかと疑う如き不満を抱きつつ・・・勝沼ぶどう郷から持ち帰り氷菓となったマスカットを齧る。
「いたあああああああい」
虫歯だった。
「痛かったら手をあげてね」
「あげてまふうううういたはああああい」
「ああ・・・こりゃ大変だ」
歯医者を紹介してくれた伯母の百合(石田ゆり子)に早期治療に踏み切らなかった自分について懺悔するみくり。
「でも上手だったでしょう」
「でも義歯が高いの」
麻酔が溶けずに飲んだ水が駄々漏れのみくりだった。
銀歯なら三千円、プラスチックなら五万円、セラミックなら十万円の世界である。
「見えるところだと銀歯じゃ嫌だし・・・プラスチックは変色する・・・ここはセラミックよ・・・でもセラミックもかけるけどね」
「お金がないんです・・・給料は奨学金返済で消えたし」
「ケチなの?」
「え・・・」
「津崎さん」
「あ」
そういう関係ではないとは言えないみくりだった。
妄想チアガールはテーブルの片隅で「OKANE」と叫ぶのだった。
フィギュア化して売る気はないのか。
なんならロボットでもいいぞ。
そして・・・家計は千円ほどの赤字である。
「すみません」
「いや・・・この千円は」
「自腹で」
「今月は臨時の支出が多かったので仕方なかったと思います・・・それより従業員に自腹を切らせるなんて・・・ブラック企業のようです」
「ブラック企業をご存知でしたか」
「以前、勤めていたことがあります・・・上司が部下にたかる・・・嫌な職場でした」
「・・・」
「今後は・・・遠慮なく相談してください。雇用者と従業員の意志疎通は大切です」
「では・・・さっそく・・・シェアってなんですか」
「え」
ついに・・・白状するヒラマサだった。
「契約結婚のことを風見さんに見抜かれました・・・風見さんは週に一度シェアしてもらいたいという提案をしてきました。契約に副業の禁止条項はないので・・・後はみくりさんの自由意思に任せたいと思います」
もちろん・・・ヒラマサは・・・みくりが拒否することに・・・最後の望みを託していたのである。
しかし・・・「お金」が必要なみくりは即決するのだった。
「やります」
みくりは分割で瀬戸物義歯を購入し・・・ヒラマサの心は奈落に沈む。
兼業主婦となったみくりは妄想大陸で状況を客観視する。
風見は・・・早速「恋愛感情の有無」を訪ねてくるが・・・みくりはさりげなくはぐらかすのだった。
風見は・・・みくりの意外な手強さを感じる。
「面白がってますよね」
「僕は君のような小賢しい女も好きだよ」
「なるほど」
しかし・・・みくりはヒラマサと違って・・・自分の恋愛感情をしっかりと見つめている。
欧米人であればヒラマサとハグしたいと思うのは・・・抱かれたい気持ちがあるからなのである。
みくりはヒラマサが好きだと言う自覚があるのだ。
そして・・・ヒラマサも自分を好きなはずだとも思う。
しかし・・・自信はないのだった。
風見のための料理として「牛肉の煮込み」にチャレンジしたみくりは味付けに失敗し・・・カレー化で修正する。
そういう話をヒラマサとしたかったが・・・ヒラマサは・・・風見の話題をみくりがすることで不機嫌になるのであった。
教育テレビ風に・・・ヒラマサの心理を分析するみくり。
○ しつれん
ひ~~ しつれん
ら しつれん
ま しつれん
さ
人
ヒラマサは自尊感情が低いタイプ・・・つまり自尊心が弱いタイプである。
自尊心が強いタイプは・・・成功体験を強く意識することによって傲慢になっていく。
自尊心の弱いタイプは・・・失敗体験を強く意識することによって卑屈になっていく。
もちろん・・・傲慢は積極性として美点にもなるし、卑屈も言いかえれば謙虚である。
ヒラマサは・・・恋愛について・・・いつも・・・相手に選ばれないという体験を積み重ね・・・童貞のまま廃人と化してしまったのだろう。
一方・・・風見はみくりについて積極的にヒラマサに語りかける。
「失敗カレー」も「変わり種カレー」として高評価なのである。
遠くからは親密に見える二人を同性愛者的傾向のある沼田(古田新太)は「愛を育んでいる」と観測するのだった。
しかし・・・「失敗していないチキンカレー」を食べるヒラマサは・・・みくりが風見に「特別なカレー」を作ったと推定し・・・激しく身悶えるのだった。
就職した社会人として親友の田中安恵(真野恵里菜)はみくりの遥か先を暴走中の元ヤンキーである。
ついに夫の浮気相手を探知した安恵は・・・手下のヤンキー二十人を現場に送りこみ・・・浮気現場の写真を360度パノラマ展開で撮影させたのだった。
食事の話題として・・・浮気男の弁明についてヒラマサに語るみくり。
「愛情を維持するために・・・必要なんですって」
「まったくわからない」
「そうですよね・・・ヒラマサさんなら浮気したりしませんよね」
「僕を分析するのはやめてくれ」
ヒラマサは逆上するのだった。
みくりへの嫉妬で心が騒ぐのである。
「煩わしい・・・」
自分のざわつく心を持て余すヒラマサである。
何もかも捨ててしまいたい自暴自棄の心境に陥るヒラマサだった。
自分を大切にする気持ちを失えば・・・地獄へまっしぐらなのだった。
何事もバランスである。
自分を愛しすぎるのも考えものだが・・・自分を嫌いになってどうするという話だ。
一方・・・みくりにも心の傷はあった。
あれは・・・大学三年の春・・・。
一学年上のシンジくんと交際していたみくり。
就職活動に悩むシンジくんに積極的なアドバイスをし続けたみくりは・・・。
「上から目線であれこれ言いやがって・・・お前、小賢しいんだよ」
破局である。
終劇である。
ハリネズミの針がハートに突き刺さったみくり。
お
前
小
賢
しいんだよ!
(私は小賢しい女・・・いくらとりつくろっても・・・小賢しさが滲み出る)
(男の人は小賢しい女を嫌う)
(だから私は選ばれない)
(だから私は捨てられる)
(それでも・・・魂のルフラン)
激しく求めあいながらすれちがっていく二人だった・・・。
(いっそ、手放してしまえばいい)
逃げるのである。ヒラマサにとって逃げることは常套手段なのだ・・・。
ついに・・・「風見さんと交代してもいいですよ」と心にもない提案をするヒラマサ。
例によって残業による逃避をしながら・・・絶望へと還元されていく成功体験ゼロの男。
「愛される人は、いいなぁ」
愛された人も愛されなかった人も思わず心奪われる独白である。
風見は誘惑の言葉をかける。
「一緒に食事していきませんか」
食事の次は・・・アレを一緒にする気満々なのである。
風見の優しさに揺れるみくり・・・。
しかし・・・そういう優しさは・・・いつしか自分の分析を拒絶するようになると・・・みくりは分析するのだった。
なにしろ・・・超小賢しい女なのである。
みくりは・・・就職先である我が家に帰る。
そして・・・契約書を取り出した。
暗い表情で帰宅するヒラマサ。
「お疲れのところすみません」
「契約のことですね」
「はい」
寝室でATフィールドを全開にするヒラマサだった。
自分で自分の首を絞めたのだから仕方ないと自分を慰めるのだ。
覚悟を決めたヒラマサ・・・。
「私・・・恋人を作ろうと思うんです」
「・・・」
「でも・・・もしも風見さんを恋人にしたら・・・いろいろと面倒なことになると思うんですよ」
「・・・」
「職場では気まずくなるし」
「・・・」
「だから・・・ヒラマサさんが恋人になってください」
「え・・・」
「もちろん・・・私を受け入れてくれるのかどうかは・・・ヒラマサさんの自由意思です」
「それは・・・残酷な天使の活動方針的な何かですか」
「私が告白し・・・選ぶのはあなたということです」
「えええええええええええええええええええええ」
捕食される小動物化するヒラマサだった。
まな板の上の恋である。
そして・・・KZフィールド全開で・・・小賢しさナイフをヒラマサのハートに挿入するみくりなのである。
もちろん・・・お茶の間は笑えばいいと思う他はないのである。
その頃・・・百合はブリザードの中でホワイトアウトしていた・・・。
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/イハ/レ:::/V\∧ド\
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‐'7::::::::::::::::::::::::ハ:ハ::|ヽ:::;、::::::::::::丶
/::::::::::::::/!i::/|/ ! ヾ リハ:|;!、:::::::l
/´7::::::::::〃|!/_,,、 ''"゛_^`''`‐ly:::ト
/|;ィ:::::N,、‐'゛_,,.\ ´''""'ヽ !;K
! |ハト〈 ,r''"゛ , リイ)| 逃げ恥!
`y't ヽ' //
! ぃ、 、;:==ヲ 〃
`'' へ、 ` ‐ '゜ .イ
`i;、 / l
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関連するキッドのブログ→第3話のレビュー
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コメント
小賢しさ全開のガッキーがぁ
妄想チアガールのガッキーが
もう可愛すぎて
原作を読んでないので第4話ラストの展開は
意表を突かれちゃってサイコーに楽しかったというか
想像していた展開と違う方向にいってるので
続きが気になっちゃって見終わった後 おかしなテンションになっちゃいました^^;
小ネタ満載だったので又 今日 見直しをしましたが
何度見ても味わいがありますね😊
恋バナは主人公が自分の気持ちに気がつかない とか
相手に振り回される感じが王道だと思っていたので
小賢しさ全開でヒラマサを翻弄させている みくりが新鮮で
大大満足な4話でした
でも でも
冷静に分析できる主人公だと
なかなか恋が前に進まないようにも思えちゃいます
分析が得意だけど どちらも自己評価が低めのふたり
もっと自信を持って〜って歯がゆいような気持ちになったりもしますが
もうガッキーが可愛いすぎて そんな事どうでもいい感じ
まるで妖精のようですね
来週まで何度も4話をリピして過ごします♪
投稿: chiru | 2016年11月 2日 (水) 23時04分
シンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファン
「新世紀エヴァンゲリオン」は1995年のTVアニメですが
新垣結衣が「ニコラ」のモデルとして登場するのが
2001年(当時13才)のこと。
時空を越えて綾波レイ(設定年齢14才)が現世に現れたわけです。
何故なら・・・綾波レイはシンジの母親であるユイのクローンなのでございます。
そんなガッキーによる「新世紀エヴァンゲリオン」のパロディーにはなんとなく「失われた何か」を感じてうっとりするのですな。
朝ドラマのヒロインには選ばれなかったガッキー。
選ばれなかった女の魂を内蔵しています。
そんなガッキーの心の叫びが炸裂したかのような今回。
自分が罪なきものであると思うなら石を投げよ・・・的な聖なるキャラクターが匂い立ちました。
恐るべき28才でございます。
よくあるメロドラマでは
一度、ヒロインを捨てた主人公が
最後に戻ってくるパターンなのかもしれませんが
なにしろ・・・
解雇を申し渡されたわけではないので
自主退職に応じないのは当然なのですな。
雇用主の意識改善を求める従業員は
まさに「小賢しいこと」この上なしです。
けれど・・・雇用主だって
「変わりたい」と思わないでもないわけで・・・。
そこがこのドラマの起爆点なのでございましょう。
夫婦は共同体・・・。
ペットは家族・・・。
そういう時代に・・・飼ったり飼われたりする関係は流動的であると言えるでしょう。
傷つくことを惧れて繁殖行為から目を背ける男に
小賢しい女が激しくアタック・・・。
「うざい」のに「かわいい」・・・仕方ないのです。
なにしろ・・・ガッキーなので。
ちなみに自己評価が低いのはヒラマサだけです。
みくりはどちらかといえば
見る目のない世界を
激しく憎んでいる
自己愛に満ちた粗ぶる魂を秘めているのですぞ。
だから・・・風見の誘惑を
冷静に分析して拒絶してしまうわけですから~。
「恋愛感情の有無」についての風見の質問に
「ない」と虚勢を張るヒラマサと違い
「面白がってますね」と煙幕を張るしたたかなみくりなのですから。
果たして・・・小賢しい主人公が
ハリネズミのような男の心の扉を開くことができるのか。
これはそういう「ロマンス」なのだと考えます。
投稿: キッド | 2016年11月 3日 (木) 14時54分
こんばんは。
先日はご丁寧に挨拶して頂いた上に、
宣伝までして頂いて、ありがとうございます
このドラマは第3話だけにしとこうかと
思ってましたが、ネットで「神回」(笑)とか
呼ばれてたこともあって、さっき動画で見ました。
神かどうかはさておき、かなり笑えましたよ。
脚本も演出も満足しました。
ガッキーのチア・フィギュアが素晴らしい☆
柔らかい素材の大型が10万円なら考えます。
着替え用コスチューム付きで15万円とか♪
僕がたまたま珍しく見たアニメ、『エヴァ』の
使い方も上手かったですね。感心&爆笑☆
っていうか、記事の下のアスキーアートは
キッドさんが描いたんですか?
上手いですね!☆ 紡木たく系の美少年。
今回、みくりの喋り方が何か変だと思ったら、
ちょっとアスカが入ってたのかも。
僕はエヴァだとミサト萌えですが、
弱気でつぶれそうなアスカも萌えます♪
ミサトっぽい位置の百合ちゃんもいいですね。
バブルいけいけ女子の売れ残りなんだから、
もうちょっとサービスショットも欲しいかな。
テーマ曲のユーミン「ブリザード」が笑えます。
こうなったらベタなスキー場シーンもあり
それにしても、『校閲』、『スマスマ』、
twitter炎上(笑)と、最近はユーミンだらけ。
アルバムのプロモーションとはいえ、
大御所は加齢にも負けず華麗な活躍ですね。
完全な虚構の中で、いい年して恋愛ベタの
男女が繰り広げる擬似結婚、擬似夫婦生活。
これで笑って満足する視聴者が多過ぎると、
ドラマ終盤は一気に物語を投げてしまうかも♪
黒い画面と文字の連続。
「現実に帰れ!」
僕はたまたま、物語を投げたところからエヴァ
を見て、逆に物語に引き込まれました(笑)
視聴者が現実に帰ったかどうかも怪しいもの
ですが、監督には現実の意識があるんでしょう。
『シン・ゴジラ』はいずれ見ようと思ってます。
完全に流行遅れで忘れられた頃♪
ではまた。。
投稿: テンメイ | 2016年11月 5日 (土) 22時08分
○-○)))テンメイ様、いらっしゃいませ。○-○)))
わざわざのお運びありがとうございます。
キッドのレビューはドラマそのものに特化しがちなので
原作記事はリンク先としては
まことに好ましいのでございます。
マニアックな記事作成お疲れ様でございます。
まあ・・・下々の皆さまが
「神」と崇める存在は
なにはともあれ神々しいのでございましょう。
悪魔は微笑むばかりでございますよ。
少なくとも「新世紀エヴァンゲリオン」という
原型を知っていれば笑えることは確実でございますよねえ。
まあ・・・原型を神とする人の中には
不敬を感じる人もいるかもしれませんが・・・。
柔らかい素材のガッキー・チア・フィギュアは
欲しいですよねえ。
いろいろな意味で元気が出るでしょう。
着替えさせるだけで最高の後で最低になるかもしれませんな。
このアスキーアートは某巨大掲示板などで
コレクションしたものを
少し修正した準コピペでございます。
「エヴァ」関係では
シンジくんはコレで・・・
「笑えばいいと思うよ」
さもなくば掌にアレがついた
「最低だ」のAAが散見されます。
もちろん・・・アスカとかレイそしてミサトの
定番AAもございます。
十年くらい前のラジオのアニソン番組実況では
この手のAAの連投の過負荷により
サーバーが落ちたりしたものでございます。
ああ・・・懐かしい。
ヤンデレ化したアスカという感じ方もありますが
基本的に抑制され過ぎた女子としての
レイがベースだと考えます。
原作はともかく
ドラマには
専業主婦へのノスタルジー要素が強いと思われます。
家事と育児に女性が専念することが
幸福なのか
家庭に縛りつけていることになるのではないか
というテーゼに対するアンチテーゼと言えるでしょう。
レイはシンジのオナペットですが
同時にレイはシンジの母親であるユイのクローンでもあり
胎内回帰願望の充足のシンボルということになります。
ヒラマサはいつしかみくりの中で拡大再生産されることになるのでしょうねえ。
ミサトもアスカもシンジと同居しますが
基本的には浮気相手なのでございますな。
百合ちゃんは処女なので
ミサトでもアカギ博士でもないのですな。
百合ちゃんは・・・まさに
妊娠を錯誤することなく閉経寸前なのでしょう。
一種の個人主義の虚しさの象徴と言えるのではないでしょうか。
ブリザードはまさに死を招く吹雪でございますからねえ。
私をスキーに連れてってと言えないままに
雪山遭難のパターンですな。
個人的にはそこに萌えるわけでございます。
ドラマは
既婚者にとっての新婚ノスタルジー
未婚者にとっての理想の暮らし
・・・この辺りを目指しているのではないでしょうか。
最後は・・・みんなに祝福される
ひとつのハッピーエンドが待っていると思われます。
「おめでとう」と拍手されるのでございます。
豊かな日本の中で
何百万人という貧困児童がいるという現実。
それは・・・適齢期までも学業に費やし
その結果、就職難にあえぐ・・・そこそこ優秀な女子たちの不安を煽るものでしょう。
エンターティメントがそういうものに慰安を与えるのであれば
これは一つのスタイルですな。
誰もが・・・「愛される人」を心の底から羨ましいと感じる時代。
もちろん・・・主人公であるみくりは・・・
御厨(台所)の神として・・・
愛されないヒロイン(ヒラマサ)を積極的に
愛するわけでございます。
性的なものを嫌悪する風潮に対し
ものすごくソフトに表現されていますが・・・。
みくりは家政婦を装ったヒラマサのストーカーでございますからねえ。
シン・ゴジラ・・・楽しそうですねえ。
投稿: キッド | 2016年11月 6日 (日) 02時00分