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2016年11月 5日 (土)

4681012の終焉と45678の波及(山田孝之)

人間の知性の根源は模倣である。

その証拠の一つが日本語を言語とする親を持つ子供が日本語を話すことである。

真似しちゃったんだからしょうがない。

「お笑い」のシステムの一つに「ものまね」があることにはいくつかの論点があるが・・・その一つには「構築されたパターンの逸脱」がある。

「本人そっくり」だが「本人ではない」というシェーマ(構図)のズレが心理的安定のための「笑い」を生むのである。

これに・・・「揶揄」という要素が付随すると、「おちょくり」や「からかい」へと発展する。

表だって批評することのできない権威などを裏で嘲笑することは隠微な喜びを発生させる。

やんごとのない人のものまねほど・・・スリルとサスペンスを伴った緊張からの弛緩をもたらすのである。

たとえば・・・芸能人たちは・・・収入源である一部独占企業の尊大さに対する鬱屈を心に秘めているのが普通なのである。

奢る平家も久しからず・・・かっての王者が地デジ化により単にチャンネルがずれただけで辺境に追いやられ凋落したことは記憶に新しい。

そういうことはなんとなく・・・面白いのでしょう。

そういう話を模倣で表現することは苦い薬をオブラートに包むようなものです。

いつの時代だよっ・・・それにちっとも包まれてないぞ~。

で、『者ヨシヒコと導かれし七人・第5回』(テレビ東京201611050018~)脚本・演出・福田雄一を見た。恒例の前座コーナーである山中の盗賊との遭遇では「盗賊らしからぬ盗賊」という「ズレ」をもう一度ズラして「いたって普通の盗賊」という盗賊(鈴木浩介)が登場して、勇者ヨシヒコ(山田孝之)を除く仲間たち・・・戦士ダンジョー(宅麻伸)、魔法使いのメレブ(ムロツヨシ )、村の女ムラサキ(木南晴夏)におちょくられる。頭に来た普通盗賊はメレブのマッシュルームカットにツッコミを入れるがこれは・・・鈴木浩介といえばドラマ「LIAR GAME 」シリーズ(フジテレビ)で福永ユウジ役を演じ・・・その髪型から「キノコ」と仇名されたことによる。

「普通だな」

「出直してくれば」

「強さも普通なので・・・修行しないと私には勝てない」

「がんばれ」

「ちくしょう・・・おぼえてやがれ」

ここでは・・・メレブが「毒ナイフをなめてしまう」「鬼嫁がいる」などと「過去の盗賊の特徴」について回顧する。

一方・・・普通盗賊は横山やすしのメガネ芸などをよくある「ものまね」をアピールし・・・後半の予兆を残していく。

「お笑い」にも「まとめ」的な手法はあり・・・たとえば同じ系統のものを「尽し」ていくのも一つの「手」である。

今回は・・・「テレビ局」という権威を揶揄しながら・・・「ものまね」という「偽物」の「尽くし」を行っているのである。

ヨシヒコ一行がやってきたのは「美容院」も「日焼けサロン」もない村全体が「自給自足」の「ダシュウ村」である。

ここで・・・お茶の間は1995年からスタートした日本テレビの「ザ!鉄腕!DASH!!」を連想する必要がある。

そもそも・・・「ズレのお笑い」とは「前提」があっての笑いである。

もちろん・・・「ズレのお笑い」への依存があれば・・・前提を知らなくてもそれなりに笑うことができる。

ついでに・・・テレビというマス・メディアの作り手にはお茶の間の「知性」を低めに設定する習慣がある。

なにしろ・・・大衆というものはほとんどの人間が勉強が苦手なのだという前提である。

テレビが「バカ」ばかりやるのは・・・「バカ」を相手にしていると想定しているからなのである。

もちろん・・・それは正しいのである。

たとえば・・・認知症相手ではそもそも・・・「記憶」をくすぐることは難しいのである。

「にせもの」を笑うスタートラインとして・・・20年以上も続いたテレビ番組を提示することはなかなかに計算高いのだ。

それでも知らない人は知らないし・・・本当に教養のある人はテレビなんか見ないからな。

おいおいおい。

ちなみに・・・レビューのタイトルは関東ローカルの話であって・・・田舎の人にはピンと来なくて当然という前提があります。

だから・・・地方の人を敵にまわすなと何回言ったら!

まあ・・・後十年もすれば地デジ以前も忘却の彼方だからな。

「宿屋がないから・・・民家に宿泊するしかないな」

「俺たち・・・男がお願いするよりも胸が平でも女のムラサキの方がよいかもしれぬ」

「わかった」

「ムネタイラの件はスルーか」

「はらたいらを知らない人も多いしな」

しかし・・・そこで・・・親と喧嘩した若者と遭遇する一同。

「いかにもアレだな」

「なんか・・・親の反対を押し切ってなんかしてる感じ」

「危険な香りがするよね」

「妖気を感じる」

「そういうことじゃなくて・・・番組とかタレント生命的にね」

「タレント?」

若者は村はずれの小屋に向い・・・ヨシヒコたちは後を追う。

そこには城島茂をリーダーとして山口達也、国分太一、松岡昌宏、長瀬智也をメンバーとする帝国のアイドルバンド・TOKIOを連想させる若者たち・・・ジョウ(ホリ)、グッチ(金子伸哉)、ターチ(安藤亮司)、マッツー(野村啓介)、ナガサ(末松暢茂)がいた。

「バンドやっているんですか」

「・・・」

若者たちはバンドを結成していたが・・・魔物の呪いで「農作業しかできない精神支配」を受けていたのだった。

南の祠に住む村の守り神「ニッテレン」(徳光和夫)は昔は善き神だったが・・・魔物に操られてしまったらしい。

「日テレでダッシュ村でバンド活動が疎外されているのか」

「漢字で表現するな・・・わかりやすくなってしまう」

「そもそも配役()でレビュー的にはネタが割れるじゃないか」

「そんなの関係ねえ」

「その人は登場しないぞ」

ダシュウ村の周囲の山の祠にはそれぞれ神が住んでいるらしい。

魔物に対抗するために・・・神々に援助を求めるヨシヒコたちである。

かっては最強と言われた「シエクスンの祠」の神(佐藤正和)は死んでいた。

ちなみにJOCX-DTVはフジテレビのコールサインである。

実際には東京21チャンネルである。

「視聴率三冠王だったころもあったのにな」

「すべてはハチに拘りすぎた報いだ」

「もうそれ以上は言うな」

「ジリ貧をなんとかしようとして・・・よりバカにシフトしようとしたんだよな」

「その加減がな」

「ていうか・・・局全体がもはやバカに・・・」

「いいや・・・万物は流転する・・・いつか・・・復活することもあるだろう」

メレブは気遣いながら・・・王冠に瞑目するのだった。

続いて・・・一行は助けの神と呼ばれるテレアーサ(マギー)を訪ねる。

テレアーサは紅茶通で沈着冷静であり・・・熱血漢の亀島(鎌倉太郎)と共に協力を申し出る。

「これは・・・もうダメかもわからんな」

「何故です」

「もう・・・著作権というか」

「官房長官」

「官房長ではなくて」

「つまらないことを気にしますね」

「右京さん・・・事件です」

「これは・・・僕としたことが」

新たな事件が発生したために・・・相棒たちは去って行った。

次に一行が目指すのはテベスの神である。

「ザッピング的には通過点だからテレ朝なみでもいいのにな」

「しかし・・・ジョウが言うには日曜の夜には時々・・・怪物のように強くなることがあるらしい」

「日テレも時々、異常な視聴率を叩きだすよね」

「きまって・・・少しバカな番組なんだよな」

「それ以上は言うな」

そこで珍しい夜の仏(佐藤二朗)が登場する。

「お前ら・・・いい加減にしろよ・・・今回・・・頼っていいのはテレートの神だけだ」

「テベスの神は・・・」

「ヨシヒコ・・・お前・・・セカチューの神とかビャクーヤの神とかウシジーマの神とか・・・いろいろ差障りのある神が出てきたらどーすんの」

「構いません・・・なんのことだかもわかりません」

「ヨシヒコになりきっておーる」

呪文タイムである。

今回、メレブが覚えた呪文は「イマサーラ」である。

呪文をかけられたものは「今さらな芸人のネタ」を披露してしまい・・・演じた後に恥ずかしくなってしまうのだ。

ムラサキは8.6秒バズーカーのリズムネタ「ラッスンゴレライ」やオリエンタルラジオのリズムネタ「武勇伝」をノリノリで披露し恥ずかしくなる。

ダンジョーは谷啓の「ガチョーン」で恥ずかしくなり、ヨシヒコはとにかく明るい安村の「安心して下さい、穿いてますよ」や塾講師のCMの「今でしょう」で恥ずかしくなるのだった。

前提を知らないと恥ずかしくならないのは「基本」だからである。

もちろん・・・呪文に依存するようになると前提を知らなくても感じるようになります。

少し・・・意味不明だぞ。

あまり・・・深淵に触れないことだ。

西の山の祠に住むバナナ風な「7」の形をしたハリボテ装着のテレート(柄本時生)が現れた。

「弱そうだな」とムラサキ。

「助けていただきたい」

「いいよ」

「軽いな」とムラサキ。

こうしてギロッポン的にテレ朝に近付いて調子に乗ったテレ東は日テレに無謀にも宣戦布告し一蹴されるのだった。

おいおいおい。

アニメ的に魔物を退治するヨシヒコたちだった。

南の祠に住むニッテレンは意識を取り戻す。

「大丈夫ですか」

「今はヒルナンデスか・・・スッキリしましたか・・・」

「あなたの甥のミッツ・マングローブも『勇者ヨシヒコと悪霊の鍵』の第3話で魔物として登場しましたよ」

「徳光家の出演率高めですね」

「あれ・・・お願いします」

「ズームイン!」

ニッテレンは読売ジャイアンツの熱烈ファンなので・・・いろいろとジャイアンツ・グッズをお土産にくれるのだった。

「昔はナイター中継していれば・・・番組作りはどうでもよかったんだよなあ」

「雨傘番組、たくさん作ったよなあ」

「お前、誰だよ」

そして、ニッテレンは黄色の玉を持つ玉人だった。

「ジャイアンツカラーならオレンジじゃね」

「もう・・・それ以上は言うな」

こうしてダシュウ村に平和が訪れた。

「どうせなら・・・バンドの演奏も聞きたかったな・・・『泣くな、はらちゃん』の主題歌の『リリック』とか『うぬぼれ刑事』の『NaNaNa (太陽なんていらねぇ)』とか・・・」

「ダメな奴・・・それ、触れたら一番ダメな奴・・・うるさい団体からクレームくる奴」

「ていうか・・・長瀬智也が好きなのか」

ヨシヒコの妹のヒサ(岡本あずさ)は今回・・・変化の杖でとにかく明るい安村(本人)に変身するのだった。

偽物の方が本物より価値がある・・・それ以上は言及しないことだな。

関連するキッドのブログ→第4話のレビュー

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受信: 2016年11月 6日 (日) 19時16分

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