ラブラブエイリアン(新木優子)私たちの愛した宇宙人(久松郁実)
おいおい・・・夏ドラマじゃねえか!
谷間なので。
積み残したので。
夏ドラマがいろいろと変則だったので・・・うっかり忘れてたので。
・・・まあ、いいか。
そもそも・・・深夜でナチュラルなホラーをやっていた脚本・演出家である。
ナチュラルなホラーというのは狂気系で毒々しいからな。
かわいいのかどうかわからない宇宙人の「形相」に不穏なものを漂わせていたよな。
いつ・・・「逃げないで・・・我々は友達」と言いながら地球人の殺戮を開始するのか・・・ドキドキしたよね。
「マーズ・アタック!」(1996年ティム・バートン監督)かよっ。
「宇宙戦争」(1953年)でも友好的な牧師が一瞬で焼殺されていたしな。
自分の良識を押しつけようとするジャーナリストとかリベラリストとかエコロジストとか平和愛好家を問答無用で異世界のものどもが虐殺してしまうブラック・ジョークは好ましいものだ。
最近では全編にわたって中国語を話す可哀想な宇宙人に同情していた通訳のガイア(フランチェスカ・クティカ)が実は侵略者だった宇宙人の正体に唖然とする「宇宙人王さんとの遭遇」(2011年イタリア映画)があったな。
雑菌だらけの捨て猫を可愛いと言って撫でる子供たちよ・・・気をつけろっ。痛い目見るぞと言う話である。
しかし・・・最後までほのぼのとして期待を裏切るところがまたいいのだ。
原作があるからな。
で、『ラブラブエイリアン・第1回~最終回(全12話)』(フジテレビ201607140205~)原作・岡村星、脚本・演出・三木康一郎を見た。宇宙船が故障して不時着したために二人組の宇宙人(声・三木康一郎)が独身女性の石橋園美(新木優子)の部屋に転がり込んでくる。掌サイズのキュートな外見に絆され園美と同居している美容師の宇田川由日子(森絵梨佳)、近所に住んでいる歯科衛生士の笠原チズル(久松郁実)、家事が苦手の検事・篠原サツキ(太田莉菜)たちは宇宙人との友好的な関係を築き上げて行く。
しかし・・・驚異的な科学力を持つ宇宙人たちは明らかに地球人を見下していた。
ただし・・・「NASAに電話されること」だけはやめてほしいと懇願するのである。
園美にはタイへ三年間の長期出張中の交際相手・石川和志(菅谷哲也)がいるが・・・彼を瞬間転送することなども簡単な宇宙人の科学力である。
宇宙船の修理中に園美たちのペットのような存在になる宇宙人だが・・・地球人の日常生活には好奇心があり・・・園美たちの些細なトラブルに介入したり・・・トラブルを発生させたりするのだった。
たとえば・・・笠原チズルが主催した合コンでは・・・「本音でしか話せない」精神操作を行い・・・参加者の高山正人(弓削智久)に・・・「今夜、やらせてくれるのは誰なの」と言わせて修羅場に追い込むのだった。
参加者の野上顕(桜田通)はゲイであることを告白してしまうのである。
だが・・・とにかく・・・四人のラブラブシスターズは二人組の宇宙人と心を通い合わせるのだった。
その気になれば地球を破壊できる宇宙人を飼っている感じの女の子たちの構図が非常にブラックなわけである。
しかし・・・ついに・・・NASAは宇宙人たちの思念波(超常能力の源泉)を封印する手段を開発し、宇宙人の捕獲に乗り出す。
宇宙人の残した通信中継装置により・・・自宅のテレビとNASAのテレビの双方向通信システム化に成功した園美・・・。
「あれ・・・あなたは・・・」
宇宙人を捕獲した矢野博士(木下隆行)は・・・園美の元カレだった。
「園美?」
「誰なの」
「元カレです」
「石川さんの前に付き合っていた人?」
「浮気したんで別れたんです」
「あの女とは別れた・・・ヨリを戻してくれ」
「いやです」
「なんなら女房とは別れてもいい」
「女房?」
「矢野さんは結婚しているんです」
「不倫じゃないか」
「よし・・・それを文春にたれこもう・・・」
「そ・・・それだけはやめてくれ」
「じゃ・・・宇宙人を解放しなさいよ」
「はい」
まあ・・・その程度の話である。
こうして・・・園美の部屋に帰還した宇宙人だったが・・・。
「NASAに探知された以上・・・我々は一緒に暮らせません」
「え」
「お別れです」
可愛い宇宙人との別れに涙する園美。
「なぜ泣くのですか」
「あなたたちと別れるのが悲しいから」
「では記憶を消しますか」
「つらくて悲しいからといって思い出は消したりしないものよ」
「地球人の気持ちはよくわかりません」
宇宙人は宇宙船から地球を見下ろす。
一瞬・・・地球を破壊するのかと期待させる間があって・・・。
「あ・・・忘れものだ」
「とりにかえりましょう」
まあ・・・その程度の話です。
新木優子は「家売るオンナ」の事務員、久松郁実は「闇金ウシジマくん Season3」の受付嬢としてかけ持ちしていた夏だったのである。
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