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2016年11月26日 (土)

桃太郎と白い犬のブルース(山田孝之)

お伽噺の「桃太郎」は「伝承」の集合体であって・・・何が正しいのかはよくわからない。

「物語」には様々な「効果」があるが・・・それぞれの立場によって好ましさは変わってくる。

桃は「どんぶらこどんぶらこ」と流れてくる。

おじいさんは山へ柴刈に行きおばあさんは川でせんたくをする。

桃を発見したおばあさんは・・・交番には届けず・・・ネコババをする。

桃を割ると桃太郎が誕生する。

子供のいない老夫婦は養子縁組をする。

桃太郎は・・・働き者に育ったり怠け者に育ったりする。

鬼が島の「鬼」が「悪さ」をするという「噂」がある。

異端者である桃太郎が「鬼退治」をすることになる。

おじいさんとおばあさんは「黍団子」を兵糧として与える。

出陣した桃太郎は・・・兵糧の分配により、犬、猿、雉と同盟する。

鬼が島に突入した桃太郎は大戦果をあげる。

鬼の収集していた「金銀財宝」を戦略品として持ち帰る。

おじいさんとおばあさんは投資が成功したことに喜ぶ。

親はいなくても子は育つという話である。

桃太郎が好戦的で侵略的で勝利者であることが好ましくないと感じる人も多い。

そういう人は消極的で、引き籠りで敗北者であるからである・・・おいおいおい。

で、『者ヨシヒコと導かれし七人・第8回』(テレビ東京201611260018~)脚本・演出・福田雄一を見た。恒例の前座コーナー・・・女盗賊クレア(片瀬那奈)が付き人(金子伸哉)に日傘を差させスタンバイしている。「私がこうして待っていたんだから金と食糧は置いて行きなさい」と言う。村の女ムラサキ(木南晴夏)を除く勇者ヨシヒコ(山田孝之)、戦士ダンジョー(宅麻伸)、魔法使いのメレブ(ムロツヨシ )は相手が美女と些少は認める姿勢を示す。夏の高校野球PR女子高生に選ばれたムラサキとしては水着キャンペーンガールの片瀬那奈には負けられないのである。

「食糧は譲れないが・・・食事の後でちょちょっと」と交渉するダンジョー。

「米粒一粒たりとも渡さん」とムラサキ。

仕方なく大薙刀を取り出すクレアだった。

「女は斬りたくないが・・・」と戦闘モードに入るヨシヒコ。

「ちょっと待って・・・今、殺陣師の先生呼ぶから」

薙刀の先生(鎌倉太郎)がコーチングを開始するが・・・日傘が邪魔でふりかぶれない。

「今日は曇りだし・・・傘はいらないんじゃ」

「曇りの日の紫外線対策が重要なのよ」

「はあ・・・そうですか」

「やっぱ・・・あれね・・・私、ラブロマンスが専門だからこういう野蛮な感じなのはちょっとね」

「ウシジマくんで大久保千秋やってましたよね・・・変態仮面シリーズの色丞魔喜も」

「次は・・・しっかり台本読んでおきますから」

去っていくクレア。

「何も盗らずに行ったか・・・」

「クレアさんから・・・みたらし団子の差し入れいただきました」

「差し入れしてくれたよ!」

「女優ってこれだから・・・」

「そうだぞ・・・結婚したりすると大変だぞ」

賀来千香子と夫婦だった男(2012年離婚)のセリフである。

仏のお題発表コーナーである。

しかし・・・見慣れぬ仏(内田朝陽)が登場する。

ヨシヒコも裸眼で視認可能である。

「仏四号謹慎中のため・・・私が担当します・・魔王退治の勇者ヨシヒコさん御一考ですね」

「なんだか・・・事務的ね」

「いつもの仏より有能そうだ」

「え・・・今日で謹慎期間終了なの?・・・少々・・・お時間ください」

タプレットでデータを確認するエリート仏がフレームアウトすると・・・やつれた仏四号(佐藤二朗)が後光枠内に登場する。

「私・・・充分に反省しています・・・仏という職業についているものが不倫をするのは好ましくないということを理解しております」

「どんな職業でも不倫はダメだよなあ」

突然、天空の記者団が囲み取材を開始。

「サンズリバー大学を卒業したのは嘘だったんですか」

「私は・・・通信制で」

「下界指導コンサルタントの資格も取得していないんですよね」

「・・・学歴詐称もしていたのかよ」

「無資格仏なんですよね」

「いいじゃないか・・・無免許の仏で何が悪い」

「仏・・・いいから目的だけ教えてくれ」

「質問に答えてください」

「バボル村」

「ごまかさないでください」

「仏が嘘をついたことに対してどう責任をとるんですか」

「嘘も方便じゃあああああ・・・アルバイトしないで生きていけるんじゃああああ・・・妻は学生時代埴輪と呼ばれていたんじゃああああああ・・・息子は私の全部が好きなんじゃあああああ」

「番組が違いますよ」

旅を進める一行はお馴染みのダーマ神社に寄り道をする。

書類申請だけで・・・転職可能な場所である。

「私・・・リセットされて村の女に戻されちゃったから・・・魔法使いに転職する」とムラサキ。

「我々は・・・上級職に転職だ」

「上級職?」

「俺はバトルマスターになる」とダンジョー。

「私は賢者になる」とメレブ。

「けけけ賢者?・・・あんたがけけけ賢者?」とムラサキはからむのだった。

ヨシヒコは「パラディン」(聖なる騎士)を選択する。

しかし・・・「パ」と書いたところで・・・いざないの剣の盗難事件が発生し・・・筆が滑る。

泥棒を追いかけて確保し説諭しているところにムラサキがやってくる。

「魔法使いになれたよ」

魔法使いになるとなんだか少しかわいいムラサキだった。

それは個人的感想じゃないか。

「私はまだ途中で・・・」

言いかけたヨシヒコはドロンと消失してしまう。

書き損じた書類の文字が「犬」に見えたために・・・「犬」に転職してしまったヨシヒコである。

「ヨシヒコが消えちゃった!」

消えたヨシヒコは白い犬(サモン)となって荒野を彷徨っていた。

「私は・・・犬になってしまったのか」

そこへ・・・桃太郎(山田孝之)が通りかかる。

「黍団子食べたら・・・家来になってね」

「黍団子など私は・・・おいしい・・・犬としての私は黍団子がとんでもなく美味しい」

仕方なく・・・桃太郎と行動を共にするヨシヒコ犬(声・山田孝之)・・・。

「本当に鬼を退治するのですか」

「じいちゃんとばあちゃんに言われたから・・・」

「そうなのですか」

「昨日まで大根の種蒔いてたのに・・・急にだぜ・・・ゆとり世代には重荷だよ」

「ゆとり世代・・・」

「でも桃から生れた俺には・・・育ててもらった恩があるから」

「桃から?」

「うん」

「あなたは騙されています」

「え」

「桃から生れる人などいません」

そこへ・・・猿(柳楽優弥)がやってくる。

ヨシヒコは思わず犬猿の仲となるのだった。

「猿ですがなにか」

「なんだか・・・敵意がみなぎってくる」

「俺は・・・そうでもないなあ・・・仲良くできそうな気がする」

ドラマ「アオイホノオ」ではとんこさんをめぐる恋敵の二人だった。

さらに大衆演劇のチビ玉三兄弟として知られる雉(若葉竜也)が加入する。

「キジは戦力としては弱すぎます」

「スズメよりはやれます」

「このままでは鬼退治は無理だ・・・もっと黍団子で買収しまくり、戦力を増強させましょう」

ゆとり色の強いメンバーにアドバイスするヨシヒコ犬だった。

一方、ヨシヒコ抜きでバボル村に到着したムラサキたち。

村では「漢祭り」が開催されていた。

「カン祭り?」

「オトコ祭りじゃ」

男子強制参加のイベントである。

宿でヨシヒコの安否を案ずるムラサキ・・・。

そこへ・・・「ウルトラマンネクサス」のポンジ(川久保拓司)が現れた。

「勇者ヨシヒコと魔王の城・第8話」の登場人物である。

彼もまた「アオイホノオ」におけるとんこさん関係者である。

ほとんどのゲストが出オチの展開だが・・・出演希望者が殺到しているのか。

「遊び人レベル99からスーパースターに転職したっす」

「ウザさが増量されているな」

「キモい」

「PJと呼んでほしいっす」

「泥はねNGなんだな」

メレブ(賢者)

ダンジョー(バトルマスター)

ムラサキ(魔法使い)

ポンジ(スーパースター)

・・・というパーティーである。

しかし・・・「漢祭」ではダンジョーしか役に立たないのだった。

主催者である村長(山下真司)は賞品として「紫色の玉」を提示する。

是が非でも入手したい一同。

最初の競技は亭主関白行列であった。

「メシ、フロ、ネル」と叫びながら行進する男たちに女たちが石を投げつける。

倒れたら負けだが・・・ダンジョーは直撃を受けて転倒。

第二の競技「毛抜き我慢大会」を前に脱落である。

ドラマ「スクール☆ウォーズ 〜泣き虫先生の7年戦争〜」(1984~5年)の熱血教師・滝沢賢治のように鉄拳でカツを入れる村長・・・。

「くやしくないのか・・・イソップ」

「イソップって言っちゃったよ」

イソップは本名・奥寺浩(高野浩和)・・・早世した伝説のラグビー部員である。

三十年前の話だぞ・・・もう誰も知らないんじゃないか。

コテコテなんだろう・・・。

しかし・・・呪文を習得するメレブ。

「どんな呪文だ」

「ヒャダイン」

「凍らせるやつですね」

「いや・・・アイドルの楽曲提供者になれる呪文だ」

「え」

「もしも・・・アイドルが売れようものならば漫画家のおばさんと深夜番組を任されるようになる」

「久保みねヒャダこじらせナイト・・・みたいな」

「まんまじゃねえか」

最後の試練は・・・「鬼退治」だった。

鬼の棲み家に辿り着くまでにドロヌーバやマドハンドなど泥系のモンスターと戦闘する一行。

「泥いや~ん」

「殺す」

「いぶシルバー」

結局、合流するヨシヒコたち。

「ヨシヒコ・・・犬になったのか」

「真実の姿を映し出すラーの鏡が必要でしょうか」

「いや・・・ダーマ神殿で勇者に転職すれば元の姿に戻れるだろう」

「しかし・・・私はこのまま犬でもいいと思っています」

「何故?」

「どこでも自由にウンコが出来るのです・・・素晴らしい解放感です・・・これこそが真の自由と言えるものでしょう・・・魔王を倒すことより道端でウンコをすることの方が」

「それはともかくとして・・・この人たちは」

「買収しました」

「これは・・・英雄の皆さん・・・」

桃太郎と猿と雉の他に・・・浦島太郎(鎌倉太郎)、金太郎(金子伸哉)、黒人(副島淳)が加わっていた。

「これは・・・まさにエーユー的な」

「エーユーですか」

「いや・・・ヨシヒコはどちらかというとソフト・・・」

「お父さん・・・この人たちは誰ですか」と黒人が問う。

「バンクだから・・・特にヨシヒコをお父さんと言ったらアウトだから」

恐ろしい唸り声をあげる鬼だったが・・・桃太郎とヨシヒコ犬、ゆとり猿、チビ玉雉、賢者、バトルマスター、魔法使い、金太郎などの波状攻撃の前に敗れ去ったらしい。

ネタ入れすぎて・・・戦闘シーン割愛の方向だな。

せっかく手に入れた玉は偽物だった・・・。

「犬のままならカボイの村に連れ帰れたのに・・・」

ヒサ(岡本あずさ)は兄の身を案じつつ変化の杖で・・・裏かぶりによるダブル・ブッキングを気にするタモリのものまねをする男(コージー富田)に変身する。

関東ローカルの裏番組は「タモリ倶楽部」である。

残り一つで・・・偽物オーブの回・・・なかなか理にかなった時間稼ぎだな・・・。

次回は・・・学園物かっ。

また、なんちゃって高校生かっ。

関連するキッドのブログ→第7話のレビュー

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