リテイク 時をかける想い(筒井道隆)タイムトラベルは片道切符ですか(成海璃子)
まいどお馴染みのタイムトラベルものである。
水曜日の谷間は終了して・・・コレになる予定だ。
なにしろ・・・「黒い十人の女」が終わったので木曜日が短い谷間になるのだ。
コレは全8回予定なので越年である。
「ゆく年くる年」かっ。
そういう感覚が緩くなってんだよな。
まあ・・・昔は何年も続くドラマがあったし・・・昼帯はそういう「古き時代のコンテンツ」だからな。
だが・・・成海璃子が毎週視聴できるというのは貴重だからな。
そこかっ。
で、『リテイク 時をかける想い・第1回』(フジテレビ201612032340~)脚本・橋本博行、演出・植田尚を見た。時間旅行はファンタジーである。なぜなら・・・人類はまだ時間を科学的に理解はしていないからである。そもそも時間というものを理解できる日が来るのかどうかも不明である。さらにいえば・・・「時間」が実在しているかどうかも未知なのである。人々はただなんとなく時間というものが存在しているような気がしているだけなのだ。ただ・・・人間は昨日には戻れないし、今日が明日になることはないと信じている。その信念に・・・一石を投じる物語が・・・時間を旅するということなのである。
この世界では・・・2020年に・・・タイムマシンが発明される。
それがどのようなシステムなのかは明らかではないが・・・2020年以後の未来から・・・時間旅行者が現れることは2016年の日本政府の知るところとなっている。
それがどのような経緯なのか明らかではないが・・・タイムトラベラーが現代に影響をおよぼすのを未然にくい止めるために法務省には戸籍監理課が設定されている。
つまり・・・2022年にタイムマシンが発明されることは・・・一般市民には「秘密」なのである。
2016年という時代にそんな秘密が厳守されるかどうかは・・・「謎」だが・・・ドラマでは・・・「タイムトラベルの実用化」を知る現代人は極めて限定的なのである。
戸籍監理課課長は新谷真治(筒井道隆)・・・。二年前のとある冤罪事件の被害者で・・・無実と判明したのに家族も仕事も失ってしまった元官僚である。
那須野薫(成海璃子)は2015年4月に新設された戸籍管理課の正規職員である。
他に戸籍管理課にはパートタイマーとしてパウエルまさ子(浅野温子)が在籍している。
・・・以上である。
そんなメンバーで日本全土に出現する可能性のあるタイムトラベラーに対処できるとは思えないが・・・ドラマなのである。
戸籍管理課を新設したのは衆議院議員で法務大臣政務官の国東修三(木下ほうか)である。
「未来人に危機感」を感じているらしいが・・・すでに未来人は何かをしでかしているということなのだろう。
戸籍管理課の任務は・・・現代に到着直後の未来人を保護して「別荘」に収監することである。
そんな困難な仕事を・・・非武装の男女二人組に実行可能とは思えないが・・・ドラマなのである。
パートのまさ子は国東政務官とは大学時代の同級生らしく・・・タイムトラベルについてのエキスパートらしい。
このドラマでは・・・タイムトラベルをリテイク(撮り直し)と呼んでいる。
リテイクすると服は漂白される。
リテイク現場には天気雨が発生する。
リテイクしたものを未来に送り返すことは技術的に不可能。
リテイクしたものが基本的に白い服装なので・・・リテイク業界では「オバケ」と呼称する。
とにかく・・・そういう設定である。
「府中にオバケ雨(天気雨)が発生」するのはよくあることなので・・・新谷課長と薫は府中競馬場に出動する。
全身漂泊されたオバケが高額配当を獲得していれば・・・それは未来人なのである。
「すみません・・・お時間よろしいですか」
「なんだお前ら」
オバケである坪井信彦(笠原秀幸)は戸籍監理課を知らないらしい。
2020年以後も・・・一般人は・・・戸籍管理課の存在を知らないのだろう。
「ドラゴンズの白い帽子は・・・売ってませんよね」
「・・・」
「未発行の競馬四季報とか・・・未発行のニュース年鑑とかお持ちなんですよねえ」
「・・・」
「安心してください・・・あなたを保護するだけですから」
「保護?」
「だってお困りでしょう・・・戸籍がないわけですから」
「そんなもの金さえあれば闇でいくらでも入手できるだろう」
「困るんですよねえ・・・そういう違法行為をされては・・・」
「お前たち・・・タイムパトロールか」
「いえ・・・戸籍管理課です」
「ち」
オバケは逃走した。
正常な時間から逃走してきた人間が・・・たやすく管理できるわけがないのである。
「あ・・・お待ちください」
しかし・・・オバケの逃げ足は速く・・・保護は失敗に終わるのだった。
法務大臣政務官秘書の大西史子(おのののか)は新谷課長を呼び出す。
「政務官とは特別な関係なのですか」
「いえ・・・なぜそう思うのですか」
「いえ・・・課長クラスが政務官と頻繁に会うのは珍しいので・・・」
ののののの政務官秘書も・・・オバケの秘密を知らないらしい。
ドラマだからな。
政務官はスマイリーと仇名されるほど温和な人柄である。
「困るな・・・いつもいつもオバケに逃げられちゃ」
「申しわけありません・・・しかし人手不足で」
「増員は無理だよ・・・人の口に戸は立てられないからねえ」
いや・・・システムとして無理があるのは明らかだが・・・ドラマだからな。
新たなオバケ疑惑が発生する。
14歳の少年・海斗(若山耀人)がナイフで刺され重傷を負った。
目撃証言や現場に残された指紋などから・・・京塚大輔(丸山智己)が容疑者として逮捕される。
しかし・・・京塚の妻(角島美緒)は犯行時間に夫は娘と家族三人で公園でピクニックをしていたというのである。
新谷課長は離婚した妻の実弟で・・・薫に恋愛感情を抱く警視庁捜査一課の柳井研二(敦士)から情報を収集し・・・京塚大輔のオバケによる犯行を疑う。
「しかし・・・わざわざ・・・未来から・・・男子中学生を刺しにくるなんて・・・」
「未来で・・・被害者が・・・殺されるようなことをしでかしたんじゃないかしら・・・」
「京塚夫人の話では・・・御主人は・・・家族思いです・・・家族を捨てて過去に来るなんて」
「未来で家族がいなくなっていたとしたら・・・」
「被害者が・・・未来で京塚氏から家族を奪うようなことをするということですか」
「あるいは・・・もう未来は変わっているのかもしれないわ・・・」
「どういうことですか」
「素晴らしいインターネットの世界で・・・海斗くんは・・・少し病的な書き込みをしているの」
「ハッキングしたんですか」
「しました」
「病的な書き込みとは・・・」
「死ね死ね死ね・・・みたいなことよ」
「まあ・・・よくある話ですねえ」
「それから・・・彼は猫の死骸をアップしているの」
「あらあら・・・」
「ついでに・・・京塚一家がピクニックしていた公園は・・・彼の通学路なのよ」
「ターゲットは・・・京塚氏の娘ですね・・・猫の次は幼女ルートです」
「どんなルートだよ」
「つまり・・・海斗くんが・・・幼女に悪戯する前に幼女の父親が刺した・・・つまり・・・もう歴史は書き変わったということですね」
「とにかく・・・オバケの京塚氏が・・・現代の家族を見に来る可能性はある」
課長と薫は張り込みを開始する。
京塚夫人と娘は・・・京塚氏が家族でピクニックをしていた時の目撃者探しを公園でしていた。
現れたのは海斗少年だった。
海斗少年は京塚氏の幼い娘に接近していく。
「うわあ・・・どうしますか」
「見守るしかない・・・彼は今のところ・・・傷害事件の被害者少年なのだ」
そこへ・・・オバケの京塚氏が現れ・・・少年を引き摺り倒す。
「また・・・おっさんか」と少年。
「警告したはずだ・・・」
「誰か・・・助けて~」
「やはり・・・殺すしかないのか」
「ちょっと待った」と割り込む二人だった。
「え」
「未来で何が起こったのですか」と薫。
「なんだ・・・あんたたち・・・」
「しがない公務員です」と課長。
「どうせ信じてはもらえないだろうが・・・こいつがうちの娘を殺すんだよ」
「あはは・・・おっさん・・・頭おかしいのか」
「それだけじゃない・・・こいつは・・・暮れまでに一人・・・来年の一月に二人殺して・・・ようやく逮捕されるんだ」
「・・・」
「うちの娘は・・・この公園で行方不明になって翌朝・・・ゴミ箱で見つかった・・・変わり果てた娘の姿を見た時の俺の気持ちがわかるか」
「とにかく・・・少年なので・・・彼は死刑にはなりませんよね」
「俺がタイムマシンの存在を知った時・・・こいつはすでに自由の身になっていたよ」
「そうなると・・・彼を殺されるのは困るんですよね・・・歴史が大幅に更新されてしまいます」
「じゃあ・・・うちの娘が殺されてもいいのかよ」
「あなたの娘さんはもう死んでいるんです。あそこにいるのは・・・こっちのあなたの娘です。こっちのあなたは・・・あなたの犯した罪で誤認逮捕されています」
「・・・」
「どうしますか・・・」と薫。
「超法規的措置だな」と課長。
「ですね」
「こっちの警察に話を通して・・・誤認逮捕は解除・・・海斗くんにはカウンセリングを受けてもらう」
「そんなことで・・・こいつの性格が矯正できるのか」とオバケ。
「少なくとも・・・こっちのあなたの娘やその他の被害者の命は助かります。それだけでもどれだけ歴史が変わってしまうことか・・・もちろん・・・どう変わったか・・・誰にもわからないんですけどね」
「・・・俺は・・・どうなる」
「あなたにはしかるべき施設が用意されています」
「施設」
「オバケのための別荘です」
「つまり・・・未来人のための監獄か・・・」
「すみません・・・あなたは・・・ここにいてはいけない人なので・・・」
「そんな・・・管理体制がいつまでも続くと思うのか」
「わかりません・・・未来のことなんて誰にもわからない・・・」
「ふふふ・・・未来人の前でおかしなことを言うな」
「そうですよ・・・この世界はおかしなものなのですからね・・・あなたが歴史を変えてしまった以上・・・あなたにも未来のことなんかわからない」
「2011年には・・・たくさん来たはずだけど」
「この世界にはそんなに来ていませんよ・・・」
「それは・・・君たちが知らないだけなんじゃないのかな」
「そうかもしれません・・・しかし・・・知らないことはどうしようもないですから」
「一体・・・お前ら・・・何を言ってんだ」と少年。
「だまれ・・・小童」
「君はね・・・たっくさんカウンセリング受けることになるわよ・・・たっっくさん・・・たっっっくさん・・・たっっっっくさんね」
「大切なことだから四回言うのか・・・ぺっぴんさんか」
どこか・・・人里離れた山奥・・・。
二人はオバケを別荘に送り届けた。
これはそういう世界の物語らしい。
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