サイリウムにこの胸いっぱいの愛をこめて素直になれない君へ(山田孝之)
20世紀にもツンツンしてデレデレな人はいたわけだが・・・21世紀にはそれをツンデレと略称したわけである。
アメリカのロックバンドであるシカゴのヒットナンバー「素直になれなくて」(1982年)の原題は「Hard to Say I'm Sorry」(謝罪は困難)である。
相手に対して色々と問題をおこしたけど水に流してほしいという「甘え」はツンデレキャラクターにもオレサマキャラクターにも通じる要素である。
それを許すのが「愛」だという考え方は「わがままは罪で許さないのも罪」という考え方に対応している。
「甘やかしたら本人のためにならないという教育方針」と「発達障害への対応」が時に対立するわけである。
結局・・・最後は好みの問題になるのである。
優しく激しく愛してもらいたいわけだからな。
どうしてそんな人を愛せるのか・・・愛されたかったのに愛されなかった人は嘆くのだ。
で、『勇者ヨシヒコと導かれし七人・第9回』(テレビ東京201612030018~)脚本・演出・福田雄一を見た。恒例の前座コーナー・・・盗賊との遭遇はなしである。あるものをなしにするのはスルーのテクニックで気分転換を誘うのである。いつまでもあると思うな親と金だ。オープニングがそうなので・・・クロージングのヒサ(岡本あずさ)の変化の杖による変身ゲストの登場もない。連続ドラマとしてはいよいよ終盤戦に突入という意志表示にもなっている。・・・単に豪華ゲストに払うギャラが尽きただけじゃないだろうな。
プライベートでは不倫騒動、経歴詐称疑惑とゴタゴタが続いた上に・・・前回、偽オーブ情報を伝えてしまった仏四号(佐藤二朗)が低姿勢で登場。
勇者ヨシヒコ(山田孝之)はウルトラアイを装着する。
「ヨシヒコ様~」
「この間で六個揃うはずだったのに」と賢者のメレブ(ムロツヨシ )・・・。
「仕方ないだろう・・・全十二話なんだから・・・そんなに早く集まったら・・・最終回、総集編になっちゃうし」
「話数の話とかするなよ」
「そういう話いいから」と魔法使いムラサキ(木南晴夏)・・・。
「魔王の城は近い・・・最後の玉人は・・・東にあるキャパス村に・・・」
「今度は本物だろうな」とバトルマスターのダンジョー(宅麻伸)・・・。
「急ぐのだ・・・魔王はビュビュッと力を強めておる」
「ビュビュッてなんだよ・・・台本覚えてこいよ」とメレブ・・・。
キャパス村は栃木県にある廃校風の建物だった・・・。
「キャンパス・・・学園ものか・・・」
キャパス村の村長(蛭子能収)は天下った元仏で・・・仏四号の飲み友達だったらしい。
「オーブを持つ玉人は音ノ木沢高校の女生徒ですが・・・今回は一筋縄では入手できません」
「最後の一個だから・・・ハードルあげてきたか」とメレブ。
「オーブは女生徒の体内にあるのです・・・」
「じゃあ・・・口に手をつっこんで」とダンジョー。
「いえ・・・そういうことではなくて・・・女生徒が心を開けば・・・オーブは排出されます」
「つまり・・・」
「女生徒のハートを射止めるものが・・・オーブを手に入れることができるのです」
器具室に宿泊するヨシヒコたち・・・。
「そうなると・・・俺の出番か・・・」とダンジョー。
「バツイチはだまってろ」とムラサキ。
「すると・・・私か・・・絶対安全、人畜無害のように見えて終電過ぎたらブラック黒子が」
「ヨシヒコしかいないだろう」
「無理です」
「そういう不器用そうなところが・・・受け入れられる場合がある」
「そうなのですか」
「でも・・・マジで好きになったら・・・殺すよ」
「そんなことがあるわけない・・・魔王がすぐそこまで迫っているというのに」
「・・・」
疑わしい眼差しを向けるムラサキだった。
村長の魔法により・・・「謎の転校生」モードが発動。
玉人である香西そのか(川栄李奈)の担任教師は・・・ダンジョーとなる。
そして・・・ヨシヒコはターバンを巻いた転校生としてそのかの隣の席へ・・・。
ムラサキは・・・中途半端な容姿のクラスメートとして潜入するのだった。
「ねえねえ・・・転校生のヨシヒコくん・・・かっこいいと思わない・・・私、告白しようかな」
ムラサキはそのかにヨシヒコを売り込むのである。
メレブは恋のライバルとして・・・花沢類的キャラクターになるのだった。
ゴールデン黒子をアピールする花沢メレブ。
「花沢類ってなんだよ」
「花より男子的な・・・小栗の旬的な・・・そのかに呼び出されたらいつだってどこにだって行くよ的な・・・俺にもまだ、可能性はあるってことなのか的な・・・そのかを幸せに出来るのは、俺だと思うよ的な」
「却下!」
メレブは運命の鍵を握る用務員に格下げされた。
「用務員に運命の鍵が握れるのか」
ドジっ子キャラのそのかは・・・階段をローリング人形落ち。
そこへ・・・恋のライバルとしてアルフレッド(小関裕太)が現れる。
「大丈夫かい?」
「アルフレッド先輩・・・」
「気をつけないとダメだよ」
優しく微笑むアルフレッドにうっとりするそのか・・・。
気配を察するムラサキは蒼ざめる。
「あかん・・・これはあかんやつじゃ・・・鳶に油揚げ攫われる・・・」
川栄李奈と小関裕太は「ごめんね青春!」における・・・じんぼーこと神保愛とコスメこと村井守のコンビである。
危機感を持つムラサキである。
「ヨシヒコ・・・彼女とうまくいってるのか」
「消しゴムを借りることができました」
「それは・・・ハッテンしているとは言えないな」
「このままだとアルフレッドに負ける」
「アルフレッドからムラサキが奪うというのは」
「無理無理百パーセント無理」
「・・・」
「校長じゃなくて・・・村長に頼んで・・・イベントを導入しよう」
突然、廃校の危機となる音ノ木沢高校である。
「アイドルグループを作って・・・人気を盛り上げて・・・新入生を誘致しましょう」
突然、発案するそのかであった。
「ラブライブ」的展開である。
「ラブライブ」では音ノ木坂学院の高坂穂乃果がμ's(ミューズ)というアイドルグループを結成するのだが・・・この世界では・・・音ノ木沢高校の香西そのかがrouge(ルージュ)というアイドルグループを結成するのだった。
「やりたい人」
「はい」と挙手をするムラサキ。
「私も・・・歌いたい」とヨシヒコ。
「ごめんね・・・ヨシヒコくん・・・女子限定なのよ」とそのか。
「♪ドンドンドンドンキードン・キホーテ~ボリューム満点!激安ジャングル!」
「やめんか・・・誰がドン・キホーテのテーマを歌えと」
なんでもありだな・・・。
サイリューム(商品名)を避けてサイリウムと表記しているこのブログの方針が崩壊させられてしまったじゃないか。
メンバーが集まらず黄昏るそのかとムラサキ。
「二人じゃアイドルグループできないよ」
「昔・・・待つわを歌うあみんという人たちがいたんだけどね」
「知らない」
「まあ・・・そうだな」
そこへ・・・おタク軍団を引き連れてライトスティックを握るヨシヒコが現れる。
「アイドルにはなれないけれど・・・そのかちゃんたちを全力で応援するよ」
オタ芸を披露して好意をアピールするヨシヒコたち・・・。
そこへ・・・アルフレッドが現れる。
「そのかちゃんのために・・・アイドルの衣装を十着用意したよ」
「素敵」
「ボクの家は裕福だから・・・このぐらいお安いことさ」
「でも・・・どうして・・・私のために」
「そんなこと・・・こんなところで・・・言えないよ」
見つめ合う二人に・・・ヨシヒコを撤収させるムラサキ・・・。
「私胸がドキドキするの」
「動悸だね・・・救心買ってくるよ」
「ありがとう」
そのかの心はアルフレッドに傾く・・・。
相談する器具室の四人。
「このままじゃ・・・オーブは手に入らない」
「私の新しい呪文・・・カオパスでなんとかしよう」
「カオパス?」
「この魔法にかかったものは・・・美味しい店かどうか判断できる上でクーポン一枚分のサービスを受けられる・・・ただしクーポンが一枚必要だ」
「なんともならねえよ」
ムラサキは・・・アルフレッドの弱点を探ろうと・・・偵察に出る。
そして・・・アルフレッドの正体が魔物であることを知るのだった。
「上様・・・まもなく・・・オーブはわが手に・・・となれば勇者が上様の元へとたどり着くことはありませぬ・・・おや」
「にゃ~お」
「猫か」
ムラサキは器具室に駆け込む。
「やばいよやばいよ」
「出川哲朗か」
事情を聞いたメレブは村長に相談する。
「現代において乙女心を掴むのは・・・ツンデレです・・・アムとムチ・・・そして壁ドンを使いこなすことができれば・・・」
「そんなことが・・・」
村長はキャラ変の祠に一同を案内する。
「このキャラ変レバーでSとMに性格を変更できます・・・」
勇者ヨシヒコは・・・黒勇者ヨシヒコにキャラ変した!
「ヨシヒコたのむぞ」
「たのむぞヨシヒコ」
かわいい衣装効果でメンバーが揃ったルージュは体育館の舞台でレッスン中である。
女生徒たち(HKT48・・・村重杏奈 本村碧唯 森保まどか 秋吉優花 松岡菜摘 松岡はな 宮脇咲良)に混じり・・・ノリノリでダンスをするムラサキであった!
そこへ黒勇者ヨシヒコが現れる。
「ヨシヒコくん・・・応援してね」
「なんで俺がお前を応援しなきゃなんねえんだよ」
「え」
「クローズ」の百獣の王の異名を持つ鈴蘭の頂点に最も近いと言われている男・芹沢多摩雄的な黒勇者だった!
「お前たち・・・曲はどうするんだ・・・俺なら作詞作曲できるぞ」
「本当?」
どうやら・・・メレブが週末に会えるアイドルに楽曲提供ができる呪文・ヒャダ(イン)を使用したらしい・・・。
「曲が欲しかったら・・・三遍回ってお手してフリスビーを拾ってきな」
俺様キャラに従順なタイプのそのかは指示に従うのだった。
「よし・・・コロッケパンとコーヒー牛乳を買ってこい」
「はい」
そのかの態度に手応えを感じたムラサキは悪い顔になるのだった!
教室で好意があるゆえの反抗的な態度を示すそのか。
「ヨシヒコくんの言うなりになんかならないからね」
「黒崎くんの言いなりになんてならない」モードに突入である。
両手でそのかを強制的に変顔にした黒勇者・・・。
「それじゃ・・・首輪をつけなくちゃな」
壁ドンで追い込んで取り出したのはハートの鍵付きネックレスである。
「これで・・・お前は逃げられない」
そのかの胸がときめく。
「私・・・ヨシヒコくんが気になるの」
「ヨシヒコなら・・・体育館でアルフレッドとその仲間たちにリンチされていたよ」と用務員のメレブ。
あわてて・・・駆けだすそのか。
見送るムラサキとメレブは最高に悪い顔になるのだった。
「チェックメイト!」
体育館に倒れたカバと同じで赤い汗まみれのヨシヒコ・・・。
「ちがう・・・これは罠なんだ」と弁明するアルフレッド。
しかし恋するそのかは聞く耳を持たない。
傷ついたヨシヒコに語りかけるそのか・・・。
「どうして・・・こんなことを・・・」
「好きだからさ・・・お前が」
ハートを射ぬかれたらしいそのかから・・・紫のオーブが飛び出し・・・ヨシヒコの体内に宿るのだった。
「なんてことだ」
アルフレッドは魔物としての正体を見せて消える。
「え」
驚愕するそのかだった。
校門でヨシヒコを待つムラサキとメレブそしてダンジョー。
「まさか・・・そのかに惚れて魔王なんてどうでもいいという展開じゃ・・・」
しかし・・・地響きが三人を襲う。
負傷して逃げ出してくる村長。
「コントロールが利きません」
「すみません・・・アホの子なんで・・・」
キャラ変が高じてキングコングのようなどエスモンスターと化したヨシヒコだった。
巨大なムチを振りまわし、巨大な飴を見せて、壁ドンをするモンスターヨシヒコ・・・。
「なんとか・・・制御しなくては・・・」
「わかった・・・」
メレブはムラサキに指示を出す。
「なんで・・・そんなことを」
「いいから・・・やれ」
ムラサキは艶っぽいポーズで「私を好きにしていいのよ」と叫ぶ。
その言葉に萎えるヨシヒコだった。
失礼な話である。
何事もなかったように勇者ヨシヒコは先を急ぐのだった。
「ついに・・・オーブが揃ったのですね」
覚悟を決めたヒサは変化の杖を使うが・・・何に変身したのかは来週のお楽しみらしい・・・。
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