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2016年12月29日 (木)

昔話法廷(木南晴夏)有罪か無罪かそれが問題だ(朝倉あき)私は白雪姫(小林涼子)私は乙姫(清水くるみ)

師走の谷間である。

恒例の放映邦画もやりたいのだが・・・ここは去年からの課題をこなしておこう。

今朝、再放送が終わったばかりだしな。

EテレことNHK教育テレビジョンの「小学校高学年・中学校・高校向けプログラム」である。

昔話を「事件」としてとらえ・・・登場人物を「被告」にしてしまうドラマ展開である。

教育的指導を目的にしているというものの・・・昔話の「本質」に迫れば・・・かなり公序良俗から逸脱するわけである。

それを気付かずにやっているのか・・・面白がっているのか・・・妄想するといろいろと楽しいわけである。

そして・・・一部お茶の間にとっては物凄い豪華キャストにものを言わせるわけである。

こんなものを「教材」にしたら・・・絶対・・・いや・・・どんな「教材」でも触発される奴はされるからな。

2015年に「三匹のこぶた裁判」、「カチカチ山裁判」、「白雪姫裁判」、三本。2016年に「アリとキリギリス裁判」、「舌切りすずめ裁判」、「浦島太郎裁判」の三本が制作されている。

それぞれのナレーションベースの裁判員は・・・小芝風花、宮﨑香蓮、工藤綾乃、朝倉あき、蔵下穂波、光宗薫が演じている。

もう憎いほど一部お茶の間の心を捉えているキャスティングなのである。

で、『昔話法廷・第1話~』(NHK Eテレ20150810AM10~)脚本・今井雅子(他)、法律監修・今井秀智、演出・秘密を見た。ドラマである以上、演出者がいるはずなのにクレジットされないのが不気味である。せめて責任者名を明らかにするべきだよな。何から何を守ろうとしているのかわからんが・・・。Eテレの全体責任というのではあまりにも責任の所在が明らかではなさすぎるだろう。ちなみに脚本家は「てっぱん」の人である。

「三匹のこぶた」は言うまでもないが・・・狼が豚を食べようとして罠にかかり、狼鍋にされてしまう話である。

「裁判」ではオオカミを殺害したこぶたのトン三郎(声・前田航基)が殺狼の罪で刑事被告人となる。

トン三郎は押田美和の演じる着ぐるみで擬人化されており、検察官の相田智子(木南晴夏)はそのまんま人間である。

つまり・・・狼を殺したことが罪に問われるならば・・・夕飯がとんかつだった人はみんな裁かれる可能性があるのだ。

しかし・・・それを言ったらおしまいなので・・・ドラマは・・・「現実の制度」と「虚構」の境界線を突き進んでいくわけである。

「オオカミに兄二人を襲われたトン三郎は・・・自分が襲われる前にオオカミを自宅におびき寄せ、お湯を沸かしておいた大鍋の中にフタをして閉じ込め殺害した罪に問われています」

検察官は亡くなったオオカミの母親(声・坂本千夏)を検察側証人として呼ぶ。

「夕方になっても・・・息子が帰宅しないので・・・息子のスケジュールを確認したところ・・・三時からトン三郎の家で豚肉パーティーに出席・・・となっていました。そこで・・・私はトン三郎の家を訪ねました」

「そこであなたは何を見ましたか」

「息子が・・・大鍋の中で・・・死んでいる姿を・・・」

「他に何を見ましたか」

「机の上に・・・オオカミのただしいころし方・・・という本が置いてありました」

「つまり・・・トン三郎は・・・計画殺人をしていた・・・ということですね」

ここで弁護人の山西ハジメ(加藤虎ノ介)が質問する。

「この本のタイトルを読んでみてください」

「・・・オリガミのたのしいおり方」

「この本は・・・被告であるトン三郎さんの愛読書です」

「・・・」

「時刻はすでに・・・夕刻でした・・・あなたは・・・タイトルを読み間違えたのでは?」

「そんな・・・」

「オオカミのただしいころし方」

「オリガミのたのしいおり方」

(確かに似ている・・・)と裁判員の一人である広瀬千明(小芝風花)は迷うのだった!

「トン三郎はオオカミをパーティーと偽って誘いだした」と言う検察官。

「パーティーを計画したのはオオカミ自身だった」と言う弁護士。

裁判は白熱していく・・・。

弁護側はトン三郎の兄のトン一郎(声・下田翔大)を証人として呼ぶ。

「あなたはオオカミに何度も襲われていますね」

「はい、最初は自分の家で・・・二度目はトン次郎の家で・・・三度目はトン三郎の家で・・・」

「オオカミは煙突から侵入してきたのですね」

「はい」

「どんな気持ちでしたか」

「今にも自分が食べられてしまうのではないかという恐怖を感じました」

検察官は尋問する。

「これは・・・トン三郎がオオカミを鍋に閉じ込めるために使ったとされる漬物石です」

「・・・」

「とても一人で持ち上げられるものではありません・・・あなたたちは共謀して蓋をしたのではありませんか」

「火事場の馬鹿力です」

いよいよ・・・被告人に対する質問となる。

「オオカミが死んでしまったと知った時・・・あなたはどんな気持ちでしたか」

「命が助かったという気持ちでいっぱいでした・・・」

「弁護人からは以上です」

検察官は追及する。

「煙突の中にはあらかじめすべりやすいように油がぬってありましたね」

「煙突がギトギトになるのは普通のことです」

「しかし・・・オオカミがすっぽり入るような鍋をあなたが購入したのは三日前ですよね」

「兄たちが同居したために・・・大量に料理する必要があったのです」

「なぜ・・・タイミングよくお湯が沸いていたのですか」

「三時のお茶の時間だったのです」

「大鍋で・・・お茶を?・・・」

「・・・」

最終弁論である。

検察側は「トン三郎がオオカミをおびき寄せ周到な準備をして計画的に殺害した」と有罪を主張する。

弁護側は「裁判員の皆さん・・・トン三郎さんの立場になって考えてください・・・相手はオオカミです。弱肉強食の世界では・・・ブタはオオカミの餌だ・・・そんな相手をわざわざ招いて・・・自分を危険にさらすブタがいるでしょうか。もしも失敗すれば食われてしまう・・・そんなリスクを負いますか?・・・トン三郎さんは追いつめられたまたま鍋に落ちたオオカミを蓋で閉じ込めただけです・・・これは明らかに正当防衛なのです」と主張する。

ドラマでは・・・結審までは描かれない。

裁判員が「どう判断すればよいのか」と思い悩むところで終わるのだった。

子供の時にこんな教材で授業をされていたら・・・もっとまともな人間になれたかもしれないと思う・・・べきなのかな。

この他、堀内正美とか、真行寺君枝とか、山本裕典とか、ミムラとか、小木茂光とか、国仲涼子とか・・・とにかくゴージャスなキャスティングなのである。

コチラで簡単に視聴可能なのだった。

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