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2017年1月 8日 (日)

不幸せな結婚するって本当ですか?(成海璃子)

「話が長い話」でもよかったのだが・・・今回は特に長かったな。

しかも・・・少し・・・あらゆるものが古臭いぞ。

タイトルは「結婚するって本当ですか/ダ・カーポ」(1974年)のもじりだからこっちだって古いわけだが。

映画「卒業」(1967年)だからな。

・・・似たようなものだぞ。

フジテレビは去年の春ドラマで「早子先生、結婚するって本当ですか?」というのをやっているからな。

しかし、映画おタクには「古き良き名画好き」というジャンルがあるからな。

「ローマの休日」(1953年)と「卒業」を同じパッケージにするわけだな。

だけどグレゴリー・ペックは生きていたら101歳、ダスティン・ホフマンだってもう79歳だぜ。

まあ・・・32歳の映画おタクが半世紀前の映画に憧れたっていいじゃないか。

でも・・・なんか・・・なんかな。

で、『リテイク 時をかける想い・第5回』(フジテレビ201701072340~)脚本・本多隆朗、演出・小野浩司を見た。ものすごく説教臭いぞ。夜中にそんなことをやられてもなあ・・・。しかも・・・構成的にもかなり無理がある。そこそこ複雑な話なので・・・すべてが納まると達成感があるはずなのだが・・・それがないのである。ピースの一つ一つがサイズミスで最初からはまらないジグゾーパズルみたいだ。

未来人を保護するのが任務の戸籍監理課課長・新谷真治(筒井道隆)は居酒屋「へのへのもへじ」で学生時代の友人たちと飲んでいる。

明日は立野義弘(鈴木浩介)の結婚式なのである。

義弘は花嫁の彩乃(横田美紀)を同席させている。

新郎新婦の年齢差は17歳である。

鈴木浩介の実年齢42歳で横田美紀の実年齢が27歳である。

彩乃は三十歳前で結婚を焦っていたというから・・・28歳として、鈴木浩介は筒井道隆の実年齢である45歳と考えると一応、年の差17歳が成立する。

結婚式でスピーチを頼まれた新谷だったが・・・義弘の憂い顔が気になるのだった。

平日の結婚式である。

新谷が早退したところに・・・法務大臣政務官の国東修三(木下ほうか)が現れる。

土産として芋けんぴが持ち込まれ、唯一の正規職員・那須野薫(成海璃子)は意外に美味しい顔を披露するのだった。

パートタイマーのパウエルまさ子(浅野温子)は都内某所で天気雨が発生したことを告げる。

それは・・・義弘と彩乃の結婚式場の近辺だった。

式場に向う新谷は離婚した妻の弟である柳井刑事(敦士)に呼びとめられる。

「姉さんは・・・これからお見合いパーティーなんだ」

「・・・」

そこへ離婚した妻の紗栄子(西丸優子)が現れる。

「ハルは元気か」

「時々・・・覗きに来ているでしょう・・・今さらよね・・・結婚していた時は仕事中心で・・・あの子のさしだした手も握らなかったくせに」

「・・・」

「あなたがあの子の手を払いのけて仕事の電話に出た時に・・・離婚を決意したの」

「そんなことでかよっ」

唐突に現れた姉弟が退場すると薫が現地に到着する。

「どうした」

「オバケ警報が発令しました」

未来人は時間を遡行すると衣装が漂白されるためにオバケと呼称されている。

二人は結婚式場で・・・全身白い衣装の男(水上剣星)を発見する。

男は逃げ出すが・・・薫が確保に成功する。

「今年の紅白歌合戦はどっちが勝ったか・・・知ってますか」

「審査員の票で赤が勝った」

「何故・・・逃げたのですか」

「卒業だよ・・・ダスティン・ホフマンだよ・・・彩乃を奪いに来たんだよ」

「え・・・彩乃さんのお母さんとそんな関係に」

「そこまで真似できないよ」

「花嫁を略奪して幸せになれると思うのか・・・相手は童貞キラーのミセス・ロビンソンの娘だぞ」

「誰だって未来のことを考えたら不安になろだろう」

「だよね」

「でも・・・結局、ダスティン・ホフマンになれなかったよ」

「早世に注意しないとな」

結婚式場では新谷の友人の一人が声をかける。

「大変だ・・・」

「どうした」

「新郎がいなくなった」

「なんだって」

その頃・・・義弘にそっくりの白い衣装を着た男が路上で途方にくれていた。

そこにまさ子が現れる。

「どうかしましたか」

「いや・・・」

「結婚式場から逃げて来たの?」

「結婚したのは五年前です・・・これは・・・たまたま」

「私は結婚記念日なのに夫の仕事が終わらないから散歩しているのよ」

「ああ・・・そうですか」

「よろしかったら・・・お茶でもどう?」

二人は結婚式場のカフェに向う。

「夫婦仲がよろしいのですね」

「もちろん」

「うちは年齢差が十七歳もあって・・・」

「喧嘩なさったの」

「喧嘩なんかしませんよ・・・ただ・・・妻の心は醒めてしまった」

「うちは喧嘩するわよ」

「仲がいいのに?」

「喧嘩するほど仲がいいって言うじゃない」

「なるほど・・・」

「妻には・・・僕と知り合う前に恋人がいたんです・・・そいつのことを・・・妻が今でも思っているんじゃないかと・・・ずっと思っていました」

「聞いてみたの」

「そんなこと聞けませんよ」

「臆病なのね」

「それが・・・波風を立てない生き方というものでしょう」

「ただの現実逃避よ・・・」

「逃避か・・・まあ・・・逃げてきたわけだ」

「逃げて来たのね」

「・・・」

まさ子は「オバケ発見」のメールを送信した。

花嫁の控室で悲鳴があがる。

新谷と薫が駆けつける。

「どうしました」

「白い服を着たおばさんが・・・結婚をやめろって・・・自分は未来の私だって」

二人は白い女を追う。

花婿の控室で白い女(芳本美代子)を発見する二人・・・。

「あなたは・・・彩乃さんなんですか」

「新谷さん・・・」

「いつ頃から来たんですか」

「2039年からよ」

「22年後ですか・・・」

「私・・・すっかりおばさんになっちゃったでしょう」

「・・・」

「否定しないのかよ・・・でも・・・仕方ないわ・・・夫に捨てられて十七年・・・苦労したもの」

「義弘があなたを・・・」

「結婚五年目に・・・突然、蒸発しちゃって・・・」

「2022年に・・・ですか」

彩乃は50歳になっている。

芳本美代子の実年齢が47歳なので誤差の範囲である。

「私には・・・元カレがいたの・・・彼はしょうもない映画おタクで貧乏だったから別れたんだけど・・・未来では世界的な映画監督になるのよ・・・今なら・・・」

「それを選ぶのはあなたではない・・・この世界の彩乃さんなんですよ」

「それに・・・あなたと結婚したら・・・彼は映画監督として成功しないかもしれない」

「人をサゲマンだと」

「二人の初めての共同作業を邪魔してやるわ」

「ケーキカットをですか」

「台無しでしょ」

「それは・・・俺がやるよ」

「え」

五年後の世界からやってきた義弘が現れた。

「君の願いを叶える・・・それが俺の望みだ・・・」

「義弘さん・・・」

義弘はウエディングケーキを破壊した。

「新郎の友人・・・新谷くんのスピーチです」

「薫・・・ケーキの手配を頼む」

「イチゴの花言葉は・・・子沢山ですが・・・幸福な家庭と言い換えることが可能です」

「わかった・・・」

新谷はマイクの前に立った。

「実は・・・僕の友人の不手際で・・・ウエディングケーキにトラブルが生じました」

ざわめく会場。

「予定したケーキとは違うケーキが出てきて新郎新婦はとまどうかもしれません」

さらにざわめく会場。

「新郎と新婦の年の差は十七歳もあります・・・新郎はそのことに悩んでいた」

ざわめきがとまらない会場。

「しかし・・・新婦だってきっと悩んでいる・・・二人に必要なのは・・・お互いの悩みを隠し通すことではなく・・・分かち合うことだと思います。僕は二年前に離婚しました」

ついにどよめく会場。

「妻は僕が仕事の電話に出るために繋いでいた娘の手を振り払ったのが嫌だったと言いました。・・・それを言われたのはついさっきのことです・・・そんなことを今さら言われてもどうなるものでもありません。ですから・・・新郎新婦の二人にはどんなケーキが出てきても・・・お互いの手でしっかりとナイフを握ってもらいたいと考えます。そして・・・どうか・・・切磋琢磨して・・・素晴らしい家庭を築いてもらいたい・・・ケーキにはきっとイチゴが乗っています。イチゴの花言葉は・・・幸福な家庭です」

仕方なく拍手する会場だった。

「君を置き去りにしてすまなかった・・・」

「まったくよ・・・私がどんだけ苦労したと思っているのよ」

「まさか・・・帰れなくなるとは思わなかった」

「私もよ・・・過去を変えたら幸せになれると・・・私、あなたと同い年になっちゃった」

「十七年か・・・長いな」

「長いわよ」

「これって・・・奇跡なんじゃないか」

「かもね」

見つめ合う二人を・・・新谷と薫は強制収容所に移送した。

帰路の二人の前に黒づくめの女が現れた。

「あそこが・・・未来人の収容所ですか」

秘書の大西史子(おのののか)は何故か勝ち誇って叫ぶ。

「ののののののの」

「ののののののの」

時間差で邂逅した未来人夫婦は囁く。

「新谷さんって確か事故で・・・」

「きっと・・・何かがあったのだろう」

二人の未来人の過去では・・・新谷はこの時点ですでに死んでいたらしい。

とにかく・・・歴史は改変に次ぐ改変をされているのである。

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受信: 2017年1月11日 (水) 17時55分

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