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2017年1月 9日 (月)

天文十三年、井伊直満死す(宇梶剛士)

歴史はそもそもフィクションである。

学者は史料によって過去の出来事の信憑性を問うが・・・そもそも史料となる文献に記されたことが事実とは限らないのである。

もちろん・・・それを言ったら御仕舞なので・・・ほぼ事実ということにするギリギリのラインが定説となる。

井伊直虎が実在の人物だったのか・・・井伊直虎は女性だったのか・・・井伊直虎は「おんな城主」だったのか。

そういうことは定かではないが・・・徳川四天王の一人とされる井伊直政が代を継いだ井伊本家の先代が・・・女城主で直虎と名乗っていたということがまことしやかに伝えられてきたのである。

ふりかえってみれば・・・。

2016年「真田丸」主人公・真田幸村(男性)、平均視聴率16.6%・・・戦国。

2015年「花燃ゆ」主人公・楫取美和(女性)、平均視聴率12.0%・・・幕末。

2014年「軍師官兵衛」主人公・黒田如水(男性)、平均視聴率15.8%・・・戦国。

2013年「八重の桜」主人公・新島八重(女性)、平均視聴率14.6%・・・幕末。

2012年「平清盛」主人公・平清盛(男性)、平均視聴率12.0%・・・源平。

2011年「江~姫たちの戦国~」主人公・江(女性)平均視聴率17.7%・・・戦国。

2010年「龍馬伝」主人公・坂本龍馬(男性)平均視聴率18.7%・・・幕末。

2009年「天地人」主人公・直江兼続(男性)平均視聴率21.2%・・・戦国。

2008年「篤姫」主人公・天璋院(女性)平均視聴率24.5%・・・幕末。

2007年「風林火山」主人公・山本勘助(男性)平均視聴率18.7%・・・戦国。

自称公共放送という視聴率乞食が何を求めているのか・・・いろいろと妄想できるのだった。

で、『おんな城主 直虎・第1回』(NHK総合20170108PM8~)脚本・森下佳子、演出・渡辺一貴を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回は主人公・直虎の両親である井伊直盛&千賀、直盛の祖父である井伊直平、直盛の叔父である井伊直満の三大イラスト描き下ろしでお得でございます。謹賀新年大サービスでございますねえ。まあ・・・井伊直満の場合・・・あわただしく去って行きましたからねえ。宇梶剛士の演じる大河ドラマの登場人物は非業の死を遂げる呪いがかかっているようですな。井伊家も徳川家康家臣となるまでは負け組の一族で・・・主君の今川家も負け組なので・・・いろいろと記録が錯綜いたしておりますねえ。今回もまたフィクションの腕の見せ所多数であること間違いなしでございます。まあ・・・昨年のヒロインのような一同大爆笑の展開は滅多にないとは思いますが・・・。そもそも・・・今回は瀬名が関口親永(瀬名義広)の娘ではなく、井伊直平の娘あるいは孫の設定なのか・・・。新事実発見もあり・・・いろいろと混乱する今日この頃でございます。なにしろ・・・直虎の母である新野左馬助親矩の妹とされる祐椿尼の出自も定かではございませぬからねえ。新野左馬助の兄弟とされる関口氏経についてもよくわからない。左馬助の養父とされる新野親種についても不明でございます。養子の左馬助が井伊谷(いいのや)に去った後で御前崎の舟ケ谷城には一体誰が在城していたのか・・・。謎は深まるばかりなのでございまする。

Naotora001 天文五年(1536年)、駿河国・遠江国の守護大名である今川家で御家騒動が起きる。当主の氏輝と上位継承者である弟の彦五郎が急死し、先代氏親の未亡人・寿桂尼の第三子・義元と福嶋助春の娘で氏親の側室の子・玄広恵探が相続争いを展開。玄広恵探は自害し、今川義元が継承者となる。この頃、遠江井伊谷城主・井伊直宗の嫡男・井伊直盛に長女・おとわ(仮名)が生れた。母は今川家臣の新野左馬助親矩の妹・千賀(祐椿尼)である。天文六年(1537年)、義元は甲斐国守護の武田信虎の娘を正室に迎え甲駿同盟を締結する。天文十年(1541年)、武田晴信が父・信虎を追放する。天文十一年(1542年)尾張国の織田信秀が守護不在の三河国に侵攻する。同様に三河国の領国化を目指す義元に従い、三河国田原城を攻めた直宗は野武士の奇襲によって討ち死にする。隠居していた直宗の父・直平は家督を直盛に継承させた。直盛は叔父の直満の嫡男・亀之丞(直親)を娘の許嫁とする。天文十二年(1543年)、種子島にポルトガル船が漂着し、日本に鉄砲が伝来する。天文十三年十二月(1545年2月)、井伊家に対する今川家の目付である井伊家家老・小野政直の讒言により、謀反の疑いで直満と弟の直義は自害。亀之丞は井伊家菩提寺の住職で叔父の南渓和尚の手引きで家臣の今村正実とともに信濃国に亡命する。天文四年(1535年)生れの亀之丞は数えで十一歳であった。おとわは許嫁を失った。この年、織田信長は十二歳、徳川家康は三歳である。家康の母・於大の方の実家である水野家が織田に下ったために・・・家康の父・松平広忠は今川家を慮って於大の方と離縁した。

井伊谷宮館は騒然としていた。

大人たちが右往左往して騒ぐのを音羽は物珍しげに見つめる。

「音羽・・・来よう」

音羽は曾祖父の井伊直平に呼ばれ奥の間に入る。

「見よう・・・」

直平は神棚を目で示す。

音羽は素直に神棚を見上げてから直平に視線を戻す。

「この世でもっとも尊ばにゃならんお方は京の都におる」

「都・・・」

「俺っちの倅・・・お前っちの祖父は・・・一昨年に死んだら・・・」

「爺様・・・」

音羽は戦に出かけ、そのまま帰ってこなかった祖父・直宗の姿をぼんやりと覚えている。

「今度は直宗の弟たちが死んだずら」

「・・・」

「お前っちの許嫁も命を狙われておる・・・お前っちの親父もどうなるかわからんだら」

音羽の幼い心に冷たいものが生じる。

「だもんで・・・お前っちに話しておかねばならんことがあるずら」

「・・・」

「昔のことだら。井伊介様は都から宗良皇子(みこ)様をお迎えして時の天皇(みかど)様のための御戦(みいくさ)をなさった・・・」

「みこ様・・・」

「そうずら・・・尊ばねばならんお方のお子ずらよ」

「仏様より・・・尊ぶのか」

「人はあの世に行けばみな仏だら・・・みかどはこの世で一番に尊ばねばならん」

「この世で・・・」

「この世がかように戦にまみれておるのは・・・みかどをたっとぶ心がのうなってしもうたからぞ」

「・・・」

「だに・・・井伊介様は戦にやぶれて・・・足利将軍が世をおさめた・・・井伊谷も足利の家来の今川に頭を押さえられておるずら」

「今川に・・・」

「お前っちの母も今川の家来の家から嫁いできたら・・・」

「母様が・・・」

「長いものにはまかれろ・・・と申すが・・・首根っこつかまれて・・・息もできんのは・・・苦しいことずら」

「・・・」

「だけえが・・・井伊介様の志を忘れてはならんずら・・・井伊の家のもんはそのことだけは心にとどめねばならん」

「心に・・・」

「お前っちの許嫁は・・・野伏せりの道を通じて信濃に逃がす」

「のぶせりのみち・・・」

「井伊介の代から遠江信濃越後には野伏せりの道が通じておる」

「・・・」

「志を同じくするものの道ずら・・・そのことを忘るな」

「こころざし・・・のぶせりのみち」

「心得たら・・・みなの元へ戻れ・・・今のことは他言無用」

「・・・」

「母にも言うてはならぬ」

「心得たずら」

音羽は夢にも似た昔話を聞かされたような・・・恐ろしい現実の理を諭されたような・・・曾祖父の言葉に心を踊らされていた。

慌ただしく天文十三年が暮れていく。

関連するキッドのブログ→真田丸

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受信: 2017年1月 9日 (月) 20時57分

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