忘れじの赤穂浪士~生きながらえて(武井咲)善意という不確かなモジュール(成海璃子)
ある意味で地獄の冬ドラマである。
とにかく(土)は「忠臣蔵の恋~四十八人目の忠臣~」で「スーパーサラリーマン左江内氏」と「精霊の守り人II 悲しき破壊神」の裏表で「リテイク 時をかける想い」の四本をレビューしているわけである。
唯一の救いは「リテイク 時をかける想い」が来週最終回だということだ。
本当は・・・「リテイク」はレビュー対象作品としては微妙な仕上がりだが・・・タイムトラベルものであることと中途半端な感じの憐れさが切るに切れないわけである。
今回は「精霊」の先行レビューになったが・・・「リテイク」終了後は(水)「忠臣蔵の恋」(木)「精霊」という順番になるかもしれないな。
どっちが「カルテット」の後で楽出来るかと言う話だろう。
っていうか・・・「カルテット」の再現性を低くしろよ。
検討します。
っていうか・・・月9はいいのか。
「忠臣蔵」終了後の谷間で処理する予定です。
「リテイク」が終わるとしばらくフジテレビのドラマゼロだな。
ゼロですね。
TBSとNHKの時代か。
っていうか・・・読売と朝日の曲がり角ですね。
で、『土曜時代劇・忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣〜・第15回』(NHK総合201701211810~)原作・諸田玲子、脚本・吉田紀子、演出・清水一彦を見た。元禄十六年(1703年)四月・・・きよ(武井咲)が操を捧げた磯貝十郎左衛門(福士誠治)が肥後熊本藩の白金下屋敷で切腹して果ててから四十九日が経過していた。きよは泉岳寺に葬られた十郎左衛門の墓前に毎日花を供える日々を過ごしていた。十郎左衛門に「生きよ」と命じられ生きてはいるが菩提を弔うことだけの暮らしである。
貞享二年(1685年)生れのきよは数えで十九歳になっている。
十郎左衛門と情を通じているが・・・祝言をあげたわけではないので未婚である。
このまま生涯独身のままではおけないと周囲のものは思案するのだった。
女には女の身の振り方があるのだ。
「きよ様・・・」
泉岳寺できよは堀部安兵衛(佐藤隆太)の未亡人・ほり(陽月華)に声をかけられる。
「ほり様・・・」
ほりは父・弥兵衛(笹野高史)の後妻・わかの実家である二本松藩丹羽家家臣・忠見氏にわかとともに身を寄せていた。
「これより・・・継母様とともに・・・先代藩主長次様のご正室冷台院にお仕えすることになりました」
「丹羽左京太夫様の・・・」
「なんとしても・・・堀部家を再興しなければなりませぬ・・・」
「堀部のお家を・・・」
きよは・・・目指すものがあるほりを羨ましく感じる自分に驚く。
(自分には・・・望みなどない・・・)
赤坂の三次浅野家下屋敷で浅野家未亡人の瑤泉院(田中麗奈)に家臣遺族の近況を伝えるきよ・・・。
「そうか・・・ほりが・・・新しき奉公を・・・するか」
「弥兵衛様の御遺言とか・・・」
「さすがは・・・武門の誉れ高きもの・・・そつがないのう」
そこで侍女のつま(宮崎香蓮)が申し出る。
「おそれながら・・・お暇乞いをお願い申しあげたく・・・」
「なんと」
「縁談がございます」
「相手は誰じゃ・・・」
「我が兄・・・勝田善左衛門でございます」
勝田善左衛門(大東駿介)は密偵となったきよの連絡係を勤めるうちにつまを見染めたらしい。
善左衛門は父・元哲(平田満)の跡を継ぎ・・・浅草稲荷町・浄土真宗・唯念寺・林昌軒の庵主となることになった。
赤穂浅野家が再興されない以上、つまが善左衛門と夫婦になることに異論のあるものはいなかったのである。
きよは小石川・薬王山能覚寺・無量院の仙桂尼(三田佳子)を訪ねる。
仙桂尼は赤穂義士の遺児たちに幕府から申しつけられた遠島の赦免を芝・増上寺を通じて嘆願していた。
「願いは叶いませんでした」
「それでは・・・」
「四人の遺児たちが伊豆大島に流罪と決まりました」
四人の中にはきよのおばである仙桂尼の遠縁にあたる村松政右衛門(井之脇海)も含まれている。
「島の暮らしは厳しいと聞いております」
「まだ・・・諦めてはおりませぬ・・・残された遺児たちも数えで十五になれば遠島になりまする。お子たちが送られぬように・・・送られたものが一刻も早く戻れるように・・・嘆願を続けて参ります」
「仙桂尼様・・・」
四月二十八日、きよは佐藤條右衛門(皆川猿時)とともに霊岸島より船出する流刑船を見送った。
磯貝十郎左衛門の兄嫁であるみえ(三輪ひとみ)が林昌軒を訪れた。
「お義姉上様・・・」
「義母上が・・・昨夜身罷りましてございます」
「え・・・」
「義母上が・・・きよ殿にはお知らせするなと申しましたので・・・義母上は・・・十郎左衛門殿の最後の時をきよ殿と過ごせたことでもはや充分・・・と申しておりました・・・」
「お義母上様・・・」
十郎左衛門に看取ってくれと頼まれた貞柳尼(風祭ゆき)が知らぬ間に逝去していたことはきよの胸に痛みを残した。
十郎左衛門の妻であったことを証してくれるただ一人の人をきよは失ったのである。
「義母上から・・・これをきよ殿にお渡しするように頼まれました・・・十郎左衛門殿の遺品として残されたもの・・・十郎左衛門殿はこれを肌身離さず持っていたとのことでした」
それは・・・きよが十郎左衛門に贈った・・・琴の爪を封じたお守り袋だった。
「十郎左衛門様・・・」
袋から取り出した琴の爪はきよに囁きかける。
「そなたは・・・生きよ」・・・と。
冴え冴えとした月光を浴びて・・・きよは問う・・・。
「何故・・・」・・・と。
きよは・・・儒学者の細井広沢(吉田栄作)から呼び出された。
「私が・・・奉公に・・・」
「桜田御殿に・・・」
「桜田御殿・・・」
「上様にはお世継ぎがござらぬ・・・」
「上様・・・」
「将軍家の話じゃ・・・桂昌院様は・・・鶴姫様の嫁いだ紀州・徳川綱教公をお世継ぎにとお望みだが・・・柳沢様は・・・家光公のお孫であらせられる甲府藩主・徳川綱豊公を推しておられる」
「柳沢様が・・・」
「桜田御殿のお殿様とは・・・つまり・・・豊綱公だ・・・」
「惧れ多いことでございます」
「これは・・・浅野家のためでもある・・・」
「浅野家の・・・」
「きよ殿の器量次第では・・・奥から・・・動かぬものを動かすことができるやもしれぬ」
「動かぬものを・・・」
「女でなければできぬこともある」
「・・・」
「無論・・・奉公にあがるとなれば・・・きよ殿は一度里を出て・・・しかるべき武家の養女として形式を整えねばならぬ・・・しかし・・・それはこちらにまかせてくれれば結構・・・よくよくお考えあれ・・・」
「ありがたき申し出でございます」
「豊綱公は・・・齢四十二・・・温厚な方であられる」
きよは仙桂尼を訪ねる。
「私は桜田御殿に奉公することにいたしました」
「なんと・・・」
「身分高きお方のお側にお仕えして・・・浅野家再興の手助けをしたいと考えます」
「そのような料簡はお捨てなされよ」
「何故です・・・」
「奉公とは・・・損得でするものでありませぬ・・・」
「・・・」
「もしも・・・桜田御殿に奉公にあがるというのなら・・・一心に勤めなければなりませぬ」
「それは・・・」
「浅野家のことは忘れるのです」
「そんな・・・」
「きよ・・・そなたは・・・まだ若い・・・その若さで・・・愛しきものを失ったこと・・・それは痛ましいことじゃ」
「・・・」
「だからこそ・・・すべてを忘れて・・・新しき殿にお仕えせよ」
「新しき殿に・・・」
「さすれば・・・道が開かれることもあろう・・・」
「無心になれと」
「そうじゃ・・・誠心誠意尽くしてこそ・・・光明を見出すこともあろう・・・」
「仙桂尼様・・・」
きよはまだ若い・・・細井広沢や・・・仙桂尼が何をきよに唆しているのか・・・まだはっきりとはわからないのだった。
女人にしかできぬこと・・・誠心誠意尽くすことの・・・本当の意味を。
「父上・・・私は桜田御殿に奉公にあがります」
「なんだと・・・」
「お許し願います」
「きよ・・・お前と言う娘は・・・何と言うことを申すのだ・・・」
勝田元哲は唖然とした。
しかし・・・勝田元哲とて玉の輿と言う言葉を念頭に浮かべていたことは間違いないのだろう。
きよは桜田御殿に出仕するために・・・四代将軍家綱の乳母・矢島局の養子・矢島治太夫の養女となった。
元禄十六年十一月・・・関東地方は巨大地震に襲われることとなる。
関連するキッドのブログ→第14話のレビュー
で、で、『リテイク 時をかける想い・第7回』(フジテレビ201701212340~)脚本・秋山竜平、演出・小野浩司を見た。2022年にタイムマシンが発明される時空の2017年である。2022年に誰がどのようにタイムトラベルを可能にするのかの一切の説明はない。だが・・・タイムトラベルが未来から過去への一方通行で物理的な転移であることだけが明らかになっている。タイムトラベラーたちは・・・タイムトラベルの方法について一切語らない。着地点が2016~2017年に集中している形式になっているが・・・それはシステム的な問題によるものなのか・・・それともタイムトラベラーの着地によって未来が分岐しているためなのかという推論さえない。つまり・・・そういうことに無頓着なスタッフなのではないかと推定できるわけである。
一体・・・2022年にタイムマシンが発明されることを現代人は何故信じることができるのだろうか・・・という根本的な問題にさえ説明がないわけである。
ここまで・・・判明したことは・・・戸籍監理課の課長・新谷真治(筒井道隆)が情にほだされやすい性格であることぐらいである。
つまり・・・これは・・・サイエンス・フィクションというよりは冴えないおっさんファンタジーなのだ。
そうじゃないかなあと思いつつ・・・ついに最終回直前である。
ここまで付き合ってきたのはヒロインの那須野薫(成海璃子)の魅力とののののののって書きたいからだと言っても過言ではない。
未来から着地する未来人の捕獲は国家的プロジェクトと言える。
それは未来予測の難しさが現代には残っているからである。
たとえば・・・2020年に東京が壊滅しているかどうかわからないのに東京五輪のあれやこれやで紛糾していることによっても明らかである。
キッドが周囲の人に大統領はトランプと予測してバカを見る目で何度も見下されたことからも明らかである。
そういう不確定な要素がなくなれば強力なカードを得ることは明らかなのである。
各国は未来人確保の総力戦を展開しているはずである。
だが・・・やってくる未来人たちは非常に個人的な問題の解消のためにやってくる。
娘を殺された父親が犯行を阻止するために。
実らなかった初恋を実らせるために。
失敗だった結婚をおじゃんにするために。
人生の選択ミスを訂正するために。
あらかじめ自分が生れないために。
母親の虐待から自分を救うために。
しかし・・・このドラマでは改変された歴史は遡上前の未来に伝播しないために未来人が過去の自分を殺しても突然消失したりはしないのである。
過去の娘の命を救っても未来で殺された娘は蘇らないのだ。
彼らは異世界からやってきた異邦人として余生を過ごすしかないのである。
もはや・・・2022年にタイムマシンが開発されるかどうかも定かではないのだった。
今の所・・・転移して来たものはほとんどが21世紀の人間である。
それは・・・単純に考えれば・・・22世紀には人類が存在していないということである。
あるいは・・・タイムマシンの飛距離がそれほど大きくないのかもしれない。
スキャンダルが発覚して現職法務大臣が辞任に追い込まれる。
法務大臣政務官の国東修三(木下ほうか)が後任候補として浮上する。
そのために身辺が多忙となる政務官なのだが・・・。
「僕が大臣になっても・・・この部署は確保するからね」
パートタイマーのパウエルまさ子(浅野温子)に語りかける政務官。
つまり・・・戸籍監理課は・・・政務官の私的機関なのである。
そんなことを官僚たちが見過ごすのかよ。
そうなると・・・別荘は・・・政務官のポケットマネーで運営されているわけである。
一体・・・どんな設定なのだ。
警視庁の刑事である柳井研二(淳士)から「不思議な通報」についての情報を得る課長。
「通報があって・・・現場に行くと・・・事件が発生するんですよ」
「まるで・・・誰かが事件発生を予測してるみたいね」
「そんなことはありえないので・・・誰かが事件発生をコントロールしているのだと思います」
しかし・・・課長や薫にはピンと来るのだった。
「誰かが・・・事件が発生することを知っていて通報しているのだ」
「最近、天気雨が発生してますか」
「最近はないわね」
「つまり・・・逃亡中のオバケの仕業だ・・・」
「可能性としては・・・ニュース年鑑を所持していた坪井が怪しいですね」
坪井信彦(笠原秀幸)は一攫千金を狙って遡上してきた未来人である。
「今頃・・・ものすごいお金持ちになっているのでは」
課長と薫は現代の坪井を訪ねる。
「その後・・・変わったことはありませんか」
「ないですね」
「おや・・・引越しですか」
「ええ」
「あれ・・・その時計・・・お高いんじゃないですか」
「・・・」
「引越し先はどちらですか・・・」
「ごめんなさい・・・嘘つきました」
「嘘」
「変な人が来ました」
「それで・・・」
「お金をくれました・・・」
「いくらですか」
「ご・・・五百万円」
「なるほど・・・」
「なんか・・・ヤバイ金なんですか・・・」
「いえ・・・もし・・・その人がまた来たらお手数でしょうが・・・連絡をいただけますか」
「それだけ?」
「何か・・・彼に言われましたか」
「無駄使いしないで・・・貯金をしろと・・・でもお金があったら使っちゃいますよね」
「・・・」
「あの人・・・何なんですか」
「それはお答えできない決まりになっています」
薫は課長に尋ねる。
「過去の自分に興味を抱くなんて・・・どういうことでしょうか」
「何か・・・心境の変化があったのかもしれない」
「心境の変化・・・」
「つまり・・・彼は・・・何かいいことをしたくなったんじゃないかな」
「何のために」
「いいことをするのに理由がいるのかってバルサが言ってた」
「不良に恋したから家出するみたいなことですね」
「それはなんか違うぞ」
「基本的に・・・課長はいわゆるお人好しなんですよね」
薫はそういう課長に好感を持っている。
おそらく・・・未来から来た課長の娘なのだろう。
事態は急速に展開する。
政務官が未来人とコンタクトして・・・未来からの情報を入手し・・・見返りとして未来人の逃亡を幇助している可能性が浮上する。
課長は政務官秘書の大西史子(おのののか)に政務官の動向を探ってほしいと依頼する。
「なぜ・・・・」
「政務官が不正を働いている可能性がある」
「そんなことをして・・・私になんのメリットがあるの」
「ののののの・・・すまなかった」
天才ハッカーであるまさ子が素晴らしいインターネットの世界で予言者捕獲掲示板を作成する。
坪井信彦は罠にかかり・・・事件のポイントを予告するのだった。
「警察に通報しないで・・・なぜ・・・掲示板に書き込みを」
「また・・・心境の変化があったのだろう」
階段のある不穏な公園に張り込む課長と薫。
子供連れの母親が目を離した好きに幼児が階段から落下しそうになる。
抱きとめる坪井だった。
泣きだす子供。
母親が血相変えてやってくる。
「うちの子に何してるの」
「いや・・・俺は子供を助けようとして・・・」
「変態・・・変態です・・・」
あわてて逃げ出す坪井。
課長と薫が追いつくのだった。
「あんたたちか・・・」
「なぜ・・・人助けを始めたんだ」
「金に不自由しなくなって・・・何かしたいと思ったのさ」
「社会貢献を・・・」
「まあ・・・そうだよ・・・しかし・・・警察に通報しても・・・褒められるのは警察で・・・俺じゃない」
「なるほど・・・だから・・・子供を助けて・・・母親に御礼を言ってもらいたかったのか」
「上手くいかないもんだね・・・褒められようとして叱られた」
「あの人です」
母親が警官を連れてきた。
逃げ出す坪井。
課長は警官を引き留める。
薫は坪井を追うが今度は見失ってしまうのだった。
「もう一度・・・掲示板で呼びかけよう」
(お話しませんか・・・あの日落雷のあった場所で待ってます)
「来ますかね」
「さあ・・・」
坪井はやってきた。
「坪井さん・・・こんにちは」
「やあ・・・」
「坪井さんは・・・未来で何かしたんですか」
「振り込み詐欺の下っ端だった」
「おやおや」
「簡単な仕事で稼げてたのに・・・警察に追われて」
「それで・・・未来に」
「うん」
「そんな人でもタイムマシンを簡単に利用できるんですか」
「よく覚えていないんだ・・・」
「ひょっとしたら脚本家がそのあたりはあまり深く考えていないのかもしれませんね」
「え」
「このドラマは・・・時間の問題じゃなくて・・・人の心のシステムの問題らしいから」
「つまり・・・悪いことをしたら報いがあるみたいな・・・」
「世の中・・・そうでないことも多いみたいですけどね」
「いいことをしたら・・・何か変わるかなって思ったんだ・・・でも・・・それって結局自分が幸せになりたいだけなのかも」
「僕たちの仕事は未来を変えさせないことです・・・未来が変わって不幸になる人がいるかもしれないから・・・しかし・・・未来が変わって幸せになる人もいる。現に今日はあの子は怪我をしなかった」
「あの子は本当は今日死ぬはずだったんだよ・・・死んだからニュースになるんだもの」
「・・・」
「僕は・・・坪井さんが・・・どうしようもない悪人だとは思えません」
「俺はどうすればいい・・・」
「わかりません・・・でも一緒に考えることはできますよ」
「あんたと一緒に行くよ・・・」
「もう・・・誰かに利用されるのはやめましょう・・・政務官とはどこで知り合ったんですか」
「政務官?・・・誰のこと」
そこへ秘書から着信がある。
政務官が接触していたのは別の未来人だった。
課長は政務官に詰め寄った。
「未来人と接触していたんですか」
課長は秘書が盗撮した密会現場の画像を提示する。
「それが・・・未来人という証拠があるのかね」
「未来人の情報を個人的な利益のために使うなんて・・・許されません」
「彼は二十年後の未来からやってきた政治学者で・・・有益なアドバイザーだ・・・タイムマシンが開発された未来では・・・当然タイムトラベルを管理する法が必要となる」
「・・・」
「早急に対応しなければ・・・世界は大混乱に陥るんだよ・・・私は彼と協力するために彼に戸籍を与えた・・・彼はこの世界で現代人の家族と暮らしているんだ」
「・・・」
「どうする・・・彼から・・・戸籍を剥奪して・・・家族から彼を奪うかね」
「・・・」
「君の確保した未来人に聞いてみたまえ・・・どうしたいのか」
課長は躊躇った・・・。
官僚としての順法精神と・・・個人の持つ・・・裁量権の狭間で・・・。
「戸籍が欲しいですか」
「僕は別荘に行くよ」
「なぜ・・・」
「それがあんたの仕事なんだろう」
「・・・」
「その前に・・・一つお願いがあるんだけど」
坪井は過去で稼いだ金を全額寄付するために・・・銀行に行きたいと言った。
もちろん・・・課長は許す。
「ギャンブルで稼いだお金なんですけどね」
「まあ・・・金は天下のまわりものだから」
あまり深い考えのない課長だった。
そこて突然、銀行強盗事件が発生する。
「しまった」と叫ぶ薫。
犯人はナイフをかざして人質をとる。
犯人に立ちふさがる坪井。
犯人は坪井の腹をさすが・・・ニュース年鑑がそれを受けとめる。
警備員が犯人を確保する。
「知っていたのか・・・」
微笑む・・・坪井・・・しかし・・・強盗犯は二人いて・・・坪井は刺されてしまうのだった。
何故か・・・犯人はニュース年鑑を拾って逃走するのだった。
「いいことしたから・・・天国に行けるかな」
坪井は息絶えた。
「坪井さん・・・」
薫は政務官に電話をした。
「うかつでした・・・有名な事件だったのに・・・」
「ニュース年鑑はどうした」
「犯人が持ち去りました」
「取り戻せ」
「・・・はい」
「課長・・・追いかけましょう・・・犯人の行き先はわかっています」
課長は薫の言葉に驚く。
「なんだって・・・どうしてそんなことを・・・」
「私が・・・オバケだからです」
次回・・・最終話である。
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