天文十四年、次郎法師餓鬼となる(市原隼人)
ドラマの主人公の井伊直盛の娘は生年不詳である。
天文十四年(1545年)のおとわ(仮称)を演じる新井美羽の実年齢は10歳(2006年9月17日生れ)であるから・・・イメージとしては天文四年(1535年)の生れと考えた配役ということになるだろう。
同様にドラマにおいて一度は今川義元の側室となった井伊直平の娘が産んだ瀬名を演じる丹羽せいらは9歳(2007年6月9日)なので設定的におとわは瀬名よりも一つ年上なので「あねさま」と言うことになる。
実際には瀬名はおとわの曾祖父の孫なので叔祖母(大おば)である。
今回、おとわは次郎法師となって終盤に天文二十三年(1554年)まで成長する。
天文四年生れなら数えで二十歳になったわけである。
次郎法師を演じる柴咲コウは実年齢35歳なのでかなりなんちゃってだが・・・妄想で乗り切る他はない。
ドラマ「空から降る一億の星」(2002年)の頃である。
次回は天文11年(1343年)生れの徳川家康か登場するわけだが・・・きっといろいろとアレなことであろう。
この時、瀬名は数えで十九歳、家康は数えで十歳である。
女子大生が男子小学生を誘惑しちゃう感じだ。
おいおいおい。
で、『おんな城主 直虎・第4回』(NHK総合20170122PM8~)脚本・森下佳子、演出・福井充広を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します・・・が・・・ただいま加筆待ちなので・・・後ほど修正体制です。あくまでマイペースでお願いします。
今回はただものではないおとわが・・・龍潭寺の南渓和尚の元で次郎法師として獣から人に調教されていく手始めが描かれ・・・井伊家当主の井伊直盛が家老の小野政直に「総領家をなめんな」と恫喝することで緊張関係がそこそこ保たれるという展開で主人公の幼少期が終了というお話でした。坊主頭の萌え度百倍が証明されています。
・・・で画伯の更新がありまして、今回は井伊家家老・小野政直の絵描き下ろしイラスト大公開でお得でございます。次郎法師に見所があると南渓和尚が思うほどにはお茶の間には次郎法師の凄みが伝わっていないのではないか・・・という危惧は確かにありますね。道徳よりも食いしん坊の己に従う主人公は是非が問われるところでもございましょう。やることなすこと裏目に出ているが・・・結局、自分ファーストを貫くということではなかなか戦国向きな性格であるとも考えます。これでごちそうさまと言えるようになれば鬼に金棒なのかもしれません。「天地人」の二の舞にはならないと期待したいところです。まあ・・・今川・松平連合軍と織田家の一番盛り上がっているところはスルーされてしまったので父・直盛の活躍が見られるかどうか心配な今日この頃です。
天文十四年(1545年)、今川義元は武田晴信、山内上杉憲政と同盟し、北条氏の支配下にある駿河河東に侵攻。 北条氏は今川氏へ駿河河東を返還する条件で和睦。北条氏は河越城の戦いに勝利して関東の経営に着手する。 織田信秀が美濃攻めて大敗。松平広忠は安祥城攻めを行うが新兵器火縄銃のために敗北。本多忠勝の祖父・忠豊が戦死。天文十五年(1546年)、足利義輝が室町幕府時十三代将軍に就任。天文十六年(1547年)、広忠の嫡男竹千代(後の徳川家康)が強奪され織田家に拉致される。お市の方が生れる。天文十七年(1548年)、長尾景虎(後の上杉謙信)が家督を継ぎ越後・春日山城に入城。天文十八年(1549年)、美濃国斎藤道三の娘濃姫が尾張国織田信長に嫁ぐ。広忠が岡崎城で死因不明の死去。今川義元の配下の太原雪斎率いる今川・松平連合軍が織田信広の安祥城を攻める。本多忠勝の父・忠高が戦死。信広は捕らわれ、竹千代と人質交換される。井伊直盛が安祥城々代となる。天文十九年(1550年)、豊後守護・大友義鑑が死去。天文二十年(1551年)、大内義隆が陶晴賢に攻められ自害。織田信秀が病死し信長が家督を継承。鳴海城主山口教継が城ごと今川方に寝返る。天文二十一年、教継が大高城を攻略。天文二十二年(1553年)、義元は室町幕府が定めた守護使不入地の廃止を宣言し、守護大名から戦国大名化したことを明らかにする。もはや井伊家は今川親分の完全なる子分である。
龍譚寺の奥の院に月船庵がある。
次郎法師は十二の年に初潮があり、以来、月船庵の庵主となった。
僧としての修行も男子に混じって行うこともなくなり・・・いわば隔離された尼の暮らしである。
だが・・・祐円と名乗る尼は世捨て人として過ごしているわけではなかった。
今川家が三河侵攻を続ける天文年間において・・・龍譚寺の僧も戦場に駆り出され続けている。
佑円尼はその留守の間・・・龍譚寺を守る立場にあった。
大叔父である南渓和尚は佑円尼に非凡な才能があることを見抜いていた。
仏法における神通力は・・・それが天性の才によるところが大きいために秘法とされている。
鬼や魔が存在し、人がそれを払う力があることを凡人は知ることはできない。
怪しげな気配に怯え慄くことが精一杯である。
南渓和尚とて・・・心気を凝らしおぼろげにそれを感得する程度である。
しかし・・・佑円尼には得度して入門して以来・・・その才能が明らかであった。
修行のために空腹におかれた次郎法師のために・・・夜の間に村人が握り飯を差し入れ始めたのである。
村人たちは夢の中で観音菩薩に遇い眠ったまま寺に握り飯を運んできたのだ。
次郎法師が空腹に耐えかね・・・感応力で村人を操ったのである。
「末恐ろしい女童だに」
南渓は気を用いて心を制する術を次郎法師に教えた。
初潮を迎えた後で・・・次郎法師の気は弱まったように見えた。
(童の時にあったものが消えることはままあること)
南渓がそう思い始めた頃、台風が遠江を襲った。
激しい風雨が襲っている時・・・次郎法師は月の障りで夢現を彷徨っていた。
月船庵だけが無風となっていた。
目覚めた次郎法師は・・・龍神を見た。
気配を感じた南渓が庵に向うと・・・小さな小屋の周囲を輝くものが包んでいた。
それはとぐろを巻いた龍であった。
金色の龍鱗が南渓の目にもはっきりと映っていた。
やがて龍は飛翔し・・・去って行った。
激しい風雨は納まっている。
「次郎法師よ・・・あれは・・・」
「東海竜王じゃ・・・我に挨拶に参ったそうじゃ・・・」
「・・・」
こうして・・・南渓は次郎法師が龍神使いであることを悟ったのである。
天文十八年・・・冴えわたる月光が庵に差し込んでいた。
坊主忍びである傑山が庭に現れる。
「庵主様・・・」
「戦に勝ったか・・・」
「安祥城は落城いたしました・・・一族のものは皆・・・無事でございます」
「父上はいかがされた・・・」
「矢傷を負われましたが・・・城代を申しつけられ留まっておいでです」
「この手柄で・・・今川の太守様も・・・気を緩められよう・・・」
「これより・・・川名の御隠居様にご報告に参ります」
「大爺様はまた・・・我が目の正しさを吹聴するであろう」
「はい・・・わしが今川に降ったからこその井伊家の隆盛と・・・」
「さぞかし・・・興奮なさることであろう」
佑円尼は微笑んだ。
戦場に向った井伊の一族郎党を守護するたに心気を凝らし続けた疲労が襲ってくる。
「妾も少し休むぞ・・・」
「ごゆるりとおやすみくだされ」
傑山が去ると佑円尼は寝間で横になった。
どこかで笛の音が響いたが・・・それが幻聴であることを佑円尼は悟っている。
憂鬱な月のものがやってくる気配があった。
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