指先が器用な男(木村拓哉)
物ごころついてから健康を実感することがあまりない。
いつもどこか具合が悪いような気がする。
だが・・・おそらく・・・それが人間というものなのだろう。
素晴らしい医師に出会い・・・苦痛から解放してもらえることほど幸せなことはない。
つまり物凄く藪医者で・・・あたれば必ず死ぬと言われるドクターは名医とも言えるわけである。
おいおいおい。
親しく言葉を交わした人の死は心を疼かせるが・・・もう苦しむこともないのだと思えば気持ちは軽くなる。
それでも長患いの人が失われるのを待つ日々は辛いものだ。
見る夢は何故か寂しいものばかりになる。
指先が器用で・・・準備が万端で・・・真心のあるドクターの物語がせめてもの慰めなのかもしれない。
それは夢のようなものだから。
で、『A LIFE~愛しき人~・第2回』(TBSテレビ20170122PM9~)脚本・橋部敦子、演出・平川雄一朗を見た。壇上記念病院院長の壇上虎之助(柄本明)のハイリスクな手術のためにシアトルから急遽帰国した外科医・沖田一光(木村拓哉)・・・。手術を無事に終えてシアトルに戻る予定は変更される。親友の鈴木壮大(浅野忠信)の妻で恩師・虎之助の娘である壇上深冬(竹内結子)が脳腫瘍に冒されていたのである。脳外科医である壮大に「お前が切るしかない」と言われ苦悶する一光である。
「どのくらい・・・だと思う」
「何もしなければ・・・半年」
十年前・・・心を通わせた深冬の病状は深刻だった。
一光は・・・手術方法の研究を開始する。
そして・・・壮大の心には・・・複雑な思いが渦巻くのである。
副院長として壇上記念病院を経営する壮大・・・一光と深冬の仲を引き裂いた壮大・・・妻と娘を愛する壮大・・・顧問弁護士の榊原実梨(菜々緒)と不適切な関係にある壮大・・・その胸に去来する光と影・・・その心情もまた謎めいている。
「沖田先生はこの病院向きじゃないと言ったのに・・・」
オペナースの柴田由紀(木村文乃)は沖田の私物の整理を手伝うのだった。
「でも歓迎しますよ・・・沖田先生のオペにまた参加できるので」
二人を嫉妬の目で睨む心臓血管外科医・井川颯太(松山ケンイチ)であった。
大河ドラマ「平清盛」で清盛を演じ、映画「デスノート」でLを演じた男が・・・いかにもな青二才を演じていて・・・澱みがないのである。
こういう役も似合うよなあ・・・。
ドラマ「1リットルの涙」(2005年)の心ない先輩・河本祐二役を思い出すよ。
あれも辛い役だったものな。
「沖田先生はどうして論文を書かないのですか」
「君はどうして論文を書くの」
「それは認めてもらうためです」
「誰に」「誰に」と息がぴったりのドクター沖田とナース柴田である。
「それは・・・えらい人たちに」
「ふ~ん」「ふ~ん」と颯太を凹ますコンビネーションを披露する二人。
「論文を書かなくては認めてもらえませんよ~」
「それで」「それで」とたたみこむ二人。
「それで・・・って」
常識の通じない相手に・・・戸惑う颯太なのである。
しかも・・・密かに心を寄せるナース柴田が向こう側なのだった。
だが・・・筋金入りのお坊ちゃんである颯太はめげずに闘志をかきたてる・・・。
「院長紹介の患者の件なんだけど・・・」
壮大が外科部長の羽村圭吾(及川光博)に声をかける。
「宮内庁御用達の和菓子職人の方ですか・・・VIP患者ですね」
「私がやります」
名乗りをあげる颯太なのである。
院内カンファレンス・・・。
「形成外科の医療ミスの件ですが・・・」
「ミスではなくトラブルです」
事務長の真田隆之(小林隆)を即座に訂正する榊原弁護士・・・。
「医療トラブルの件は・・・榊原先生のご尽力で・・・無事和解が成立しました・・・患者さまへの安易な発言は無用なトラブルの元です・・・医療に100%ということはありません。発言にはご配慮をお願いします。たとえば・・・大丈夫です・・・こういう言葉は慎んでください」
沈黙するドクターたち。
「続いて・・・院長の手術を執刀された沖田先生が・・・こちらに残ってくださることになりました・・・沖田先生・・・一言お願いします」
「よろしくお願いします」
一言だった。
ナース柴田と深冬は微笑み、颯太と壮大は複雑な心情を抱く。
壮大と不倫中の榊原弁護士は問う。
「どうして・・・沖田先生を引き留めたんですか・・・院長に有利なカードになりますよ・・・それに奥様の昔の男でしょう・・・」
壮大は水槽の熱帯魚の世話を無心に行う。
「わからないだろう・・・俺にだってわからないからな」
人の心ほど計り難いものはない。
この脚本家は・・・そういう心情を描くことが巧みなタイプである。
・・・颯太が担当した患者は森本洋造(平泉成)という頑固一徹で昔気質な職人だった。
森本は遠位弓部大動脈瘤を患っている。
「手術しないと・・・破裂の惧れがあります」
「お前みたいな若造に手術できるのかよ」
「こう見えて・・・優秀な外科医なんですよ」と外科部長が颯太をフォローする。
「へえ・・・人はみかけによらねえな」
「森本様の場合、交通事故による癒着の問題と年齢を考慮して開胸手術はリスクが高いと判断しカテーテルによるステントグラフト内挿術を・・・」
「難しい話はもういい・・・後遺症の心配はねえのかい」
「左鎖骨下動脈の虚血により・・・左手にしびれが生じることがあります」
「左手にしびれ・・・」
「あくまで・・・まれにです」
「右手はどうなんだよ」
「・・・医学的にはありません」
「大丈夫なのか・・・どうなんだよ・・・はっきりしろよ」
「・・・大丈夫です」
入院中の壇上院長の病室に颯太の父親である満天橋大学病院の院長・井川勇(堀内正美)が見舞いに訪れていた。
壮大は一光を伴って挨拶をする。
「沖田先生・・・君の噂は耳にしていたよ・・・アメリカではかなり活躍しているそうじゃないか」
「いえ・・・」
一光の評価の高さに微かに動揺する壮大。
「それにしても・・・二人も素晴らしい弟子をもって・・・羨ましい限りですな」
「いやいや」と微笑む壇上院長。
「沖田先生・・・息子をどうかよろしくご指導ください」
沖田は颯太に声をかける。
「準備はいいのか」
「充分です」
「これまでの経験は・・・」
掌を広げる颯太。
「五百か・・・それは・・・」
「五十です」
「こっちでは彼の若さで五十件は相当なものですよ」
「・・・」
夜勤の一光は・・・病室の照明に誘われる。
森本が鋏と紙で職人技の鍛錬をしているのだった。
「お休みになられた方がいいですよ」
「一日休むと鈍るんだよ」
「わかります・・・うちのおやじも職人なんで」
「おやじさん・・・何してるんだ」
「寿司屋です」
「馬鹿野郎・・・寿司屋のせがれが医者になんかなりやがって・・・」
森本の息子の達也(近藤公園)は和菓子職人なのである。
後継者問題の話である。
未明に「嘉月寿司」に帰宅した一光は就寝していた父親の一心(田中泯)を起こしてしまう。
「あ・・・ごめん」
「いいんだ・・・この年になれば朝までぐっすりってえことはねえ」
「年なんだから・・・朝はもう少しゆっくりすれば」
「馬鹿野郎・・・寿司はな」
「準備で九割決まるってんだろう」
「わかってるじゃねえか」
「もう・・・耳にタコだからね」
一光は「機動戦士ガンダム」のプラモデルに囲まれて眠りにつき・・・朝日と父親の仕込みの物音で目覚めるのだった。
食卓には父親の手作りの朝食が用意されていた。
しかし・・・野菜は食べない一光である。
「ごちそうさん」
「とっとと行きやがれ」
颯太による森本の遠位弓部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(TEVAR)が開始される。
一光は見学者として参加するのだった。
ステントグラフトは人工血管(グラフト)に針金状の金属を編んだ金網(ステント)を縫い合わせたもので・・・ステントグラフトをカテーテル(プラスチック製のチューブ)の中に納めて血管の中に入れ患部で広げて血管を補強するとともに動脈瘤の部分に血液が流れないようにする。
颯太は緊張気味だったが・・・手術は順調に進み・・・一光は見守る。
颯太もまた親の後継者なのである。
その頃・・・小児外科医の深冬は第四手術室で小児男子患者の肺静脈狭窄症の手術を行っている。
想定外の長さの肺静脈狭窄(PVO)を切り開くことが出来ず立ち往生する深冬。
「どこまで切っても開通しない・・・」
「このまま閉じますか」
「それはできない・・・このままじゃ・・・この子は一ヶ月も生きられないもの」
「循環停止二十分経過」
「このままでは・・・DOTもありますよ」
DOT(術中死)とは文字通り、手術中に患者が死亡することである。
ナース柴田は深冬にメスを差し出す。
「お願いします」
「・・・沖田先生を呼んで・・・」
召喚された一光は・・・手術室を移動する。
「どうした・・・?」
「左のPVOがいくら切り込んでも広がらないの・・・」
「外から剥離するのは無理だな・・・エコーでは」
「内側から・・・肺門部は開いてた」
「スーチャーレステクニックは?」
スーチャレステクニック(無縫合法)はシート状生物学的接着・閉鎖剤を用いた治療技術である。
一光の提案に閃く深冬だった。
「左心房の中からアプローチね」
「そうだ・・・肺門部で左肺静脈を切り離す」
手術スタッフたちは慣れない術式に戸惑う。
「俺が前立ちします」
手術助手に名乗りをあげる一光だった。
深冬は難局を突破した。
根治の難しい病状に対応する新技術は常に登場している。
たまたま行った病院が新技術に対応していたために命をとりとめたものも多いのである。
人間の一生が運に左右される時間稼ぎのくりかえしにすぎないにしても。
・・・命あってのものだねなのである。
「息がピッタリあってましたね・・・まるで恋人みたいに」
一光と深冬の腕の冴えを賞賛するナース柴田だった。
もちろん・・・一光の複雑な表情の見せどころである。
一方、歌舞伎役者のように手術のフィニッシュをポーズで決める颯太。
俺はやればできる・・・自画自賛する颯太なのである。
「いよっ・・・お見事」と心なく褒める外科部長・・・。
「あれ・・・沖田先生は・・・」
「途中で別室のオペナースに呼ばれていったけど」
「・・・」
颯太は一光に見ていてほしかったらしい・・・。
沖田専用と化したドクタールームで・・・深冬の脳幹の中脳部に巣食う腫瘍の除去方法を探索する一光・・・。
壮大は一光に深冬の主治医となることを依頼していた。
病状の告知の責務を負わされた一光だったが・・・光明が見出せず・・・宣告に至れない。
深冬が現れた!
「よろしいでしょうか」
「何でしょう」
「今日はありがとうございました」
「無事にすんでよかった・・・」
「あの子は・・・これで走ることができるようになるかもしれない・・・」
「なるといいですね」
「ご存じかもしれないけれど・・・父と夫は病院の経営方針をめぐって衝突しています」
「・・・」
「うちは・・・脳外科と心臓外科が売りで・・・小児科と産科はお荷物なのよ・・・だけど・・・父は小児科の存続を望んでいる」
「・・・少子化が続けばそのうち患者はゼロになるけどね」
「沖田先生がいてくれたら・・・小児外科の看板も掲げられるわ」
「・・・」
例によって一心が床に広げる医療資料に気がつく深冬・・・。
「なんで・・・脳外科の治療法を・・・」
「あ・・・もともと子供の脳もやってるから・・・」
「さすがね・・・」
微笑む深冬に言葉を失う一光・・・。
二人の姿を壮大は見ていた!
森本は回復し・・・退院し・・・仕事に復帰した。
しかし・・・予期せぬ病状が現れる。
「親父・・・どうした」
「手が・・・痺れて・・・痛い」
「何だって・・・左手かい」
「いや・・・右手だ・・・これじゃ・・・菓子が・・・」
颯太を急襲する森本父子・・・。
「話がちがうじゃないか」
颯太は再検査を行うのだった。しかし・・・。
「異常はありません・・・考えられるとしたら心因性のものですね」
「心因性ってなんだよ」
「病は気からと申しまして」
「なんだと・・・」
医師と患者は決裂した。
一光は職人である森本の病状が気になっていた。
「検査データを見せてもらえませんか」
「勝手にどうぞ」
ナース柴田の指導で院内データにアクセスするドクター沖田。
颯太は墓穴を掘ってしまったのである。
二人の職人同志の交流がイチャイチャしているようにしか見えない颯太の曇った目・・・。
「井川さん・・・子供の頃に何か病気をしたと言ってませんでしたか」
「いいえ・・・既往歴も確認しています・・・もう診察に来ないんだから・・・心因性のものだったと本人も納得したんでしょう・・・今頃・・・院長のお気に入りの和菓子でも作ってるんじゃないかな」
しかし・・・大量の精神安定剤を飲んで自殺を図った森本は緊急搬送されて病院に到着する。
森本の息子は颯太の診療室に怒鳴りこむ。
「あんたのせいで・・・親父は自殺を・・・訴えてやるからな」
「え」
壮大は外科部長と颯太から事情を聞く。
「訴訟となると問題ですな・・・」
「命を助けたのに文句を言われるなんておかしいですよ」
「責任問題だよ」
「え」
「井川先生だけの問題ではすまない」
「私も・・・ですか」
「院長だよ・・・すべての責任は院長にあるんだよ・・・院長の連れてきた患者と院長の連れてきた医者がトラブってんだ・・・全部、院長が悪い」
「・・・」
壮大は院長の病室に赴く。
鬼の形相となる院長。
「なぜ・・・もっと早く相談しなかった・・・」
「どこに行くんです・・・患者に・・・友人として謝るつもりですか・・・院長が謝罪したら・・病院が非を認めることになるんですよ・・・」
「・・・」
院長は・・・経営者として・・・足を止めた。
「ここは・・・私におまかせください」
壮大は院長の説得に成功した。
一光は入院中の森本を診察して・・・病因を推測する。
「血圧に左右で違いが生じています・・・詳しく検査をさせてもらえませんか」
「心因性ではないと・・・」
「おそらく・・・」
森本の息子は身動きのできない父親に代わって一光の提案に応じるのだった。
「森本さんをサジタール画像診断したところ・・・血管の起始異常があることがわかりました」
サジタル(矢状面)画像は横切りCTに対して縦切りCTのようなものである。
血管の起始異常とは先天性の奇形の一種である。
発見されるのは小児疾患としてのケースが多く、奇形に気付かずに一生を送るものもある。
「森本さんの場合は右冠動脈からの奇形部分が大動脈患部と繋がっていたために・・・手術によって奇形部分の血流を塞がれて障害を発していたのです・・・これを見落としていたのは・・・井川先生のミスですよ」
颯太は蒼ざめた・・・。
「しかし・・・腎機能に配慮して術前のCT検査を造影剤なしで行ったのは妥当な判断だ・・・これはレアケースで・・・ミスとは言えない」と外科部長。
「なんですって」
「前回の手術で血管を損傷させたということになれば・・・病院にも・・・井川先生のキャリアにも傷がつく・・・ここは何もしないのが得策だ」
「手術をすれば・・・助けられるのに?」
俯く颯太・・・。
「井川先生・・・あなたは医者失格だ・・・」
しかし・・・何者かによって素晴らしいインターネット上に・・・「医療ミスにより患者が自殺未遂」という暴露記事が投稿される。
壮大と経営スタッフは・・・森本の息子に対して示談交渉を開始するのだった。
「ミスはありませんでしたが・・・気持ちとして一千万円を用意しています」と事務長は切りだす。
「金の問題じゃありません」
壮大は立ち上がる。
「今後の生活のことも考えて・・・一億円でいかがでしょうか」
金額に心を奪われる森本の息子だった。
一方・・・一光は意識を回復した森本の病床を訪ねていた。
「右手の痺れは治療できます」
「もう・・・医者の言うことにゃ聞く耳持たねえよ」
「森本さんは・・・生まれつき・・・心臓の血管に普通の人とは変わっている部分がありまして・・・」
「なんだと・・・」
一光は紙芝居形式で・・・森本の病状を説明するのだった。
「で・・・ここの血管とここの血管がつながっちゃいまして・・・これはすごく珍しいことなんです・・・で・・・この動脈瘤に対して行ったこの前の手術で・・・本当はないはずの血管があったもんで・・・」
「もういいよ・・・わかったよ・・・そいつをとっちまえばいいってことなんだな」
「まあ・・・簡単に言うとそういうことになりますね」
「大丈夫なんだな」
「大丈夫ですよ」
「なら・・・助けてくれ」
「はい」
「やい・・・寿司職人の息子さんよ・・・お前さんもあれだな・・・職人ってこったな」
「親父に比べたら・・・まだまだです」
壮大は院長に解決案を提示していた。
「井川先生には辞めてもらいます・・・こうなっては特別扱いできませんから・・・それに事が露見した以上・・・院長にもなんらかの責任をとってもらわなくては・・・なりません・・・最善の判断をして下さることを・・・信じています」
暗に退任を仄めかす壮大だった。
結果として院長を引退させることになる結論だが・・・どこまでを壮大が望んでいるのかはまだ明らかにはならない。
壮大は・・・この物語の謎の核心にいるからである。
善と悪の境界線にいるものが・・・もっとも興味深いものなのだ。
その時・・・壮大の携帯端末に・・・一光の動向の報せが着信する。
走り出す壮大。
廊下で一光を発見する。
「示談交渉がまとまりそうなんだ・・・これ以上・・・問題を起こさないでくれ」
「森本さんは手術をすれば完治する」と一光。
「森本さんのオペを許すことはできない」
「壮大・・・それが医者の言うことか」
「病院を守るためだ」
対峙する経営者と医師・・・。
そこへ・・・院長が現れた!
「やってくれ・・・オペをしてくれ・・・大丈夫だ・・・全責任は私が負う」
手術室に向う一光を颯太が追いかける。
「見学させてください」
「君は医者失格だと言ったはずだ」
「森本さんは・・・私の患者です」
一光は笑みをもらすのだった。
職人として準備の整った一光は・・・無事に手術を終えた。
森本家は告訴をとりやめた。
森本は箱詰めされた「和菓子」を一光に贈る。
「これは・・・」
「息子の作ったもんで・・・まだ見栄えは悪いが・・・味はなかなかのもんだぞ」
「いや・・・美味しそうですよ」
「看護婦さん・・・あんたもどうだ」
「患者さんからの贈り物は規則で・・・」
「いや・・・美味しいから・・・食べなよ」とすでに味見を終えた一光。
「沖田先生・・・俺の右手を助けてくれてありがとうよ」
ドクタールームで颯太が進みでた。
「すみませんでした・・・私は・・・患者から命を奪っていたことに・・・気が付きませんでした」
「まあ・・・食べなよ」
「いただきます」
大人の階段を昇っては降りる颯太である。
院長の退院が決まった。
「退院おめでとうございます」と壮大。
「今日・・・私の快気祝いをしようと思うがどうだい」
「いいですね」
「レストランは私が予約しといたよ・・・」
壮大はレストランに到着した。
壇上一家は四人だが・・・用意されていたのは五席だった。
「おや・・・」
一光が現れた。
「あれ・・・快気祝いって・・・ご家族の集まりだったんですか」
「いいんだよ・・・沖田先生は私の命の恩人じゃないか・・・しかも・・・病院にとっても救いの神だ・・・なあ」
善と悪の境界線上で・・・壮大を見上げる院長。
「・・・」
善と悪の境界線上で仕方なく微笑む壮大。
「沖田先生には何か考えないとな・・・外科部長のポスト?・・・それとも院長がいいかな・・・わっははははははははははは」
壮大は凍りつき・・・院長は哄笑する。
残されたものたちは戸惑うしかないが・・・幼い娘・莉菜(竹野谷咲)はお腹がすいた。
関連するキッドのブログ→第1話のレビュー
アンナ「俺の大丈夫には根拠がある・・・そんなダーリンにうっとりぴょ~ん。 地球上のすべてのお医者様が病気と戦い何らかの成果をあげている・・・その成果をそれぞれのお医者様がフィードバックする・・・そのために論文を書くことにも意味はあると思うけれど・・・目の前の患者を助けるために知恵を借りて借りて借りまくる医者がいてもいいのぴょん。そのための仕込みの努力は惜しまない・・・それがドクター・ダーリンなのだぴょんぴょんぴょん。 なんてったって寿司職人の親の血を引きガンプラで鍛えた手先の器用さが抜群なのだから~。アンナもリピしてリピしてリピしまくるピョ~ン」
| 固定リンク
コメント
明けましておめでとうございます(笑)
超遅コメになってしまい、申し訳ありません。
ま、旧正月ってことで♪
苦痛からの解放と言えば、僕も身内に対する選択があって、
いまだにちょっと後悔してます。かなりかな。。
医師の遠回しの勧めにしたがって苦痛を和らげた途端、
翌日にはもう、苦痛が消滅してしまいました。
本人のお気に入りの医師だったし、本望でしょうか。。
さて、既に第3話が終わってしまいましたが、
美人医師vs美人ナースのバトルもいいですね
最後のエスカレーターはワクワク、ドキドキ。
何も無かったので落胆・・じゃなくて安心しました♪
そうゆう脚本家ではないんですね。
キッドさんの人格の一つが脚本協力で参加すれば、
遥かに刺激的なアレンジになるんでしょう(笑)。
僕がカメラ担当なら、あそこはもっと遊んだかも。
で、監督と主演に怒られるとか♪
大きく見るとスーパードクターの活躍ドラマですが、
細かく見ると、キムタク沖田に突っ込む台詞も
なかなか厳しくて、面白がってます。
井川の変化はちょっと早過ぎるようにも見えますが、
この後なにか変化球を用意してるんでしょうね。
前回、僕はキムタクが雪山に向かうと書きましたが、
いきなり靴を脱いだシーンがあって笑えました♪
あれは『華麗』へのオマージュも入ってるかも。
それにしても、大きな組織の経営のために
小さなものを斬り捨てようっていうお話。
ココログのブロガーの心に突き刺さりますよね(^^ゞ
富士通がニフティの個人事業を売却する話は、
3月までに最終合意とされてました。
それほど変な経営判断に見えないところが、
ブロガーとして辛いところ。
ココログという名前を変えてもいいから、
終了だけは止めて欲しいなと思ってます。
ドラマだと、目の前の患者を救うことに専念して、
病院の経営が傾いて、従業員の命が奪われる。
従業員の家族の命と共に。
沖田は絶句する。オレは本当に正しかったのか。。
そんな展開を見たい気もしますが、まず無理なので、
脳内補完で楽しむしかないでしょう♪
といっても、実は宇宙戦艦ヤマトだと、目の前の命より
大きなものを優先させてましたけどね。
まあ、病院は日常的な現実。
宇宙戦艦は非日常のフィクションですが♪
ともあれ、年明けから激動の予感に身構えつつ、
今年もよろしくお願い致します。。
投稿: テンメイ | 2017年1月30日 (月) 01時36分
○-○)))テンメイ様、いらっしゃいませ。○-○)))
わざわざのお出ましありがとうございます。
テト攻勢でございますね。
ベトナム的に古い!
誰もが行く道で
それぞれの選択があって
長短が生じて
時にはわだかまりも生れます。
まあ・・・おそかれはやかれという言葉は
そのためにあると肝に銘じております。
それでも人は
もっといいことがあったかもと思ってしまいますよねえ。
まあ・・・悪魔ですので笑うことにしております。
じいめとしてましては
主演男優の現実側の問題には
極力触れない配慮をしておりますが
物凄い量の雑音が煩いことこの上なしでございますね。
冷静ではいられない何かが
スターの周辺にはあるべきものでございますが
作品の出来不出来にはまったく無関係ですからねえ。
ツイッターを観測していると
人間は感情的な動物だと思わざるをえないですな。
その点・・・美人ドクターと美人ナースに
情熱的になることは極めて健康的と申せましょう。
妄想的には豪華絢爛な三輪車と言えます。
おいおいおいおいおい!
脚本家自身が職人気質を思わせるタイプですから
職人であることの功罪についても
それなりの思慮がございますでしょう。
悪魔も「面白ければそれでいいってもんじゃないんだよ」とプロデューサーによく難色を示されました。
所詮、飯の種でございますからねえ。
雪山と聞いただけで萌えるタイプには
天使様のサービスに震えるばかりでございます。
その点、ココログでのほとんど責任のない言動は
それだけで貴重でございました。
現役時代にやっていれば
もう少し心理的に楽だったと考えます。
形あるものはいつか消えるし
笑っていいともでさえなくなる世の中で
この場が消えることも
充分ありえるでしょうが
ログを整理するのはほとんど不可能な
三千五百記事・・・。
コメント一万件・・・。
物凄い心理的損失です。
なんとか継続してもらいたいものですねえ。
病院経営も医療手術も
基本的には延命を目指すもの・・・。
どちらがいいとも悪いとも言えないものでございます。
だから・・・この物語の主人公は本質的にヒーローとは言えないでしょう。
なんてったって人間は最後は死にますからねえ。
どんなに地球を救っても最後は超新星爆発で木端微塵になるわけですし。
結局、私たちはみな一瞬の輝き。
けれども・・・それこそが素敵なことでございましょう。
今年も天使テンメイ様が栄光とともに歩まれることを
地獄の底からお祈り申し上げまする。
投稿: キッド | 2017年1月30日 (月) 07時29分