スーパーサラリーマン左江内氏(小泉今日子)ダンスがキレッキレなのは(早見あかり)アイドルだからだよ(島崎遥香)
大激戦の土曜日である。
あぶなく「なんどめだハッピーフライト」に逃避しそうになったよ。
レギュラードラマで見たいよね。
毎週、飛行機が墜落しそうになるんだよね。
いろいろなところから圧力がかかるわっ。
とにかく・・・年を越している「リテイク 時をかける想い」と「忠臣蔵の恋〜四十八人目の忠臣〜」があるわけだが・・・とりあえず・・・二夜連続あばずれ妻ということで・・・これだ。
主人公も二夜連続で映画「舞妓Haaaan!!!」(2007年)の二人だよな。
少し「ダメおやじ/古谷三敏とファミリー企画」(1970年)が入っているんだよな。
藤子・F・不二雄が長いトンネルを抜けてドラえもんで「神」となった渦中の青年マンガだ。
「パーマン」からほぼ10年後の1977年の作品だからなあ。
40年前と・・・日本は本質的には何も変わっていない・・・というのがよくわかる。
で、『スーパーサラリーマン左江内氏・第1回』(日本テレビ20170114PM9~)原作・藤子・F・不二雄、脚本・演出・福田雄一を見た。脚本・演出家もまた深夜の長いトンネルを抜けてゴールデン・タイムに帰って来たのだな。この作品で・・・この枠で・・・よかったと思う。大丈夫だ。「東京DOGS」のことなんか誰も覚えていないさ。楽しくやってくれ。
左江内氏(堤真一)は小心者の万年係長である。
「万年係長」とはうだつがあがらず一万年たっても係長どまりの意味である。
左江内氏は一家の主だが名前はまだない。
左江内家の事実上のボスは妻の円子(小泉今日子)である。家事は一切せずに・・・衰えぬ美貌によって夫の愛情を搾取しまくるのである。
夫が外で何をしているかについてはほぼ興味がない。
ただし・・・浮気だけは許さないらしい。
そして・・・他人による夫の悪口も許さない・・・良妻なのである。
朝食を作り、高校生の娘のためにお弁当を作るのも左江内氏の仕事である。
日曜日は小学生の長男・もや夫(横山歩)と遊ばなければならない。
しかし、もや夫は友達とゲームセンターで遊びたいのである。
もや夫に口止め料として五百円を支払い・・・左江内氏は公園で休息する。
そこに謎の老人(笹野高史)が現れて「スーパーマンにならないか」と言うのである。
左江内氏が拒絶すると・・・老人は飛び去っていった。
驚愕した左江内氏は円子に相談する。
「スーパーマンになって世界を救えと言われたんだ」
「世界の前に家を救いなさいよ」
「はい・・・」
左江内氏は恐妻家なのである。
左江内氏の職場は・・・フジコ建設営業3課である。
上司の簑島課長(高橋克実)は仕事上のミスの責任の所在を追及する。
ミスをしたのは下山(富山えり子)だが・・・左江内氏の部下の蒲田(早見あかり)は責任をかぶろうとする・・・それを制し・・・左江内氏は発言する。
「ミスをしたのは・・・」
「ミスをしたのは・・・」
「下山くんです」
ハラホレヒロハレ・・・である。
「ここは・・・係長が責任を負って男をあげるところでしょう」
強い上昇志向の持ち主で「君のためなら死ねる岩清水」一族の呼び声もたかい池杉(賀来賢人)が批判する。
「申しわけない・・・しかし・・・私は責任を追うことが苦手なのだ・・・小学生の生き物係をしていたときもハムスターが死んで」
「わかりました・・・とにかく・・・係長に頼ってはいけないということですね」
蒲田は左江内氏に冷たい視線を注ぐのである。
仕事中に・・・円子から電話がある。
「はね子がお弁当忘れたから届けて」
「無理だよ・・・これから会議なんだ」
「私だってこれから踊る円子御殿会議があるのよ」
「単なるママ友の集いじゃないか」
「とにかくアペタイザー(前菜)が出る頃だから」
仕方なく社を出る左江内氏を待ち伏せる謎の老人。
「スーパーマンスーツを着れば・・・弁当届けて・・・会議にも間に合うぞ」
「お借りします」
スーパーマンスーツを着用した左江内氏は高いビルもひとっ飛びなのである。
こうして・・・中年スーパーマン左江内氏・・・が誕生したのである。
スーツからは「忘却光線」が常に発せられており・・・左江内氏がスーパーマンであることの秘密は守られるのである。
しかし・・・一度、スーパーマンになってしまえば・・・その指名から逃れることはできない。
「助けを求める声」が耳に直接届くのだった。
円子たちにお風呂掃除を命じられた左江内氏はスーパーマンに変身してお風呂掃除を手早く済ませて救助活動を開始する。
公園で二人組の不良に絡まれて困惑するアベック。
「誰か助けてください」
「へへへ・・・待ってな・・・こいつを叩きのめしたら可愛がってやる」
「待ちなさい」
「なんだ・・・お前は」
不良たちは左江内氏に殴りかかるが・・・弾丸よりも早く動くことが出来るスーパーマンの敵ではない。
左江内氏が何気なく突き出した手で・・・数十メートルも吹っ飛ぶ不良・・・。
「おっさん・・・何者だ」
「ただのサラリーマンです」
「ば・・・化け物」
不良の一人は気絶し、残った一人は逃げ出す。
「では・・・私はこれで・・・」
左江内氏が去ると・・・その存在はたちまち忘れ去られてしまうのだった。
「忘忘忘忘忘・・・」と忘却光線が出ているからだ。
仕事中に「誰か・・・なんとかしろ・・・」と声がする。
「ちょっとトイレに・・・」
トイレから飛び出すスーパーマン。
女性が一人・・・飛び降り自殺をしようとしていた。
現場にやってきたのは山賀ヒロユキでもメレブでもない小池刑事(ムロツヨシ)と赤井タカミでも神堂大道でもない警察官刈野(中村倫也)だった。
「大丈夫だ・・・こういう時は相手の立場にたって・・・」
「さようなら」
「え」
飛び降りる女性・・・しかし左江内氏が空中でキャッチして・・・地上に降ろし・・・テレマーク姿勢を取らせるのである。
「私には価値がない」と思っていた女性は「奇跡」を成し遂げたことで自信を回復したらしい。
それが・・・左江内氏の助けだとは誰も気がつかない。
夜の接待中にも助けを求める声が届く。
「ちょっとトイレに」
「またですか・・・」
池杉は呆れるのだった。
火事である。
老女が叫ぶ。
「部屋にはまだ小百合ちゃんが」
現場に駆け付けた小池刑事と刈野の警察官コンビ。
「娘さんですか・・・それともお孫さん」
「犬よ・・・大切な家族なの・・・」
「犬ですか」
「犬か~」
しかし・・・左江内氏は燃えさかる炎もなんのそのである。
小百合は大火災の中で・・・餌を無心に食べていた。
そのメンタルの強さを羨ましく思う左江内氏である。
気がつくと・・・小池刑事は小百合のケージを抱いている。
「いつの間に・・・」
「いやあ・・・バックドラフトがね・・・バックからドラフトって」
失われた記憶は小池刑事の妄言で補完されるらしい。
子供たちが寝坊して遅刻しそうになれば・・・スーパーマンに変身して送迎である。
「すげえ・・・ドラえもんだよ」
「ははははははは」
「ドラえもんじゃないでしょ・・・」
「ははははははは」
満員電車による通勤地獄からも解放され・・・テレビ番組の気になる秘湯までもひとっ飛び・・・。
スーパーマン能力の私的流用に歯止めがなくなる左江内氏だった。
円子は夫の浮気を疑うが・・・高速指回しによるトンボ捕獲催眠法で窮地を乗り切る左江内氏・・・。
しかし・・・ある日・・・簑島と池杉が忘れた書類を届けに行くためにスーパーマンに変身し・・・強盗事件を無視してしまう左江内氏。
強盗の被害者は・・・拳銃で撃たれて重態となってしまうのだった。
責任の重さに耐えきれずカラオケで恋ダンスを歌い踊る左江内氏・・・。
カラオケ店の店員(佐藤二朗)は仏のように問う。
「お客さん・・・延長しますか」
「します」
責任から逃れるためにとりあえず偉い人の銅像にスーパーマン・スーツを着せて後ろめたさに背を向ける左江内氏である。
しかし・・・翌日・・・強盗事件の犯人は・・・都立源高校に立てこもるのだった。
はね子は担任教師や同級生たちと人質になってしまう。
左江内氏は・・・スーツを捜すがすでに清掃車の中に・・・。
仕方なく・・・左江内氏は教室に忍びこむ。
「殺されてしまうかもしれない・・・最後の思い出にキスしよう」と言い出す同級生のサブロー(犬飼貴丈)・・・嫌がるはね子を興味深く見守る同級生のさやか(金澤美穂)だった。
はね子もさやかも実年齢(22)のなんちゃって高校生である。
ちなみに蒲田は実年齢(21)だが三月に(22)であるそしてはね子は三月に(23)なのだ。
だが・・・はね子も蒲田もまだまだいけるぞなんちゃってである。
そこへ顔を出す左江内氏。
「パパ」
犯人(塚本高史)は血相を変える。
「なんだと」
「パパが・・・助けにきてくれたらと・・・」
「黙ってろと言ったはずだ・・・罰として撃つ」
「待ってくれ・・・」
「パパ・・・」
「本当にいたのか・・・」
「やめるんだ・・・今ならまだ罪も軽い」
「強盗傷害はすでに重罪なんだよ」
「家族が悲しむぞ」
「そういう話は嫌いだ」
犯人は発砲する。
驚いて逃げ出す左江内氏。
そこへ・・・謎の老人がスーツを持って現れる。
「どうした・・・責任を負うのは嫌なんじゃないか」
「家族のこととなれば・・・別です」
「人間だものな」
「・・・」
「まあ・・・いいさ・・・最初はそういう些細な責任から始めればいい」
「・・・」
「世界を救うのはその後だ」
左江内氏はスーツを着用した。
ベローン・・・いやドローンカメラによる偵察映像は何故か全国のお茶の間に中継されているのだった。
固唾を飲んで見守る一同。
特に言及はないが・・・画像や動画でも忘却光線は有効なのだろう。
記録に残っても記憶には残らないのだ。
「なんだ・・・お前は」
「変なおじさんではありません」
「まず・・・お前を殺してやる」
「やめて・・・パパを撃たないで」
涙ぐむはね子だった。
犯人は発砲するが・・・左江内氏は不死身だ。
「くそ・・・じゃ・・・娘は殺す」
「それだけはやめてくれ」
「じゃ・・・土下座しろ」
土下座する左江内氏。
「よし・・・娘を殺すぞ」
「約束が違うじゃないか」
「約束なんかしてない・・・そうだ・・・ついでにお前の一家・・・皆殺しだ・・・家族を呼べ」
「それは無理だ」
「なんだと」
「ママは一日十五時間眠らないと・・・死んじゃうタイプなんだ・・・今も昼寝中だ」
「ふざけんな・・・俺が電話してやる」
「やめてくれ」
妻が寝ているところを起こされて不機嫌になるのを惧れた左江内氏は思わず犯人を吹っ飛ばすのだった。
犯人を小池刑事に引き渡す左江内氏・・・。
左江内氏が去ると手柄は小池刑事のものに・・・。
「気がついたらダイがハードにね」
教室では・・・はね子が泣いていることに気がつく。
「私・・・なんで泣いているのかしら」
「お父さんが助けにきてくれたからじゃないの」
「でも・・・逃げちゃったし・・・」
また・・・朝が来る。
「パパ・・・私のジャージ知らない」
「ママに聞けよ」
「無理よ・・・ツタンカーメンだから」
円子は朝・・・棺に入ったように眠るのだった。
「トイレのオバケがでないように電球の買い置き忘れないでね」
「パパの目玉焼き・・・もう少しなんとかならないの」
「・・・」
左江内氏の物語はこうして始ったのだった。
そして・・・一同は踊るのだった。
小泉今日子 100点
島崎遥香 100点
早見あかり 100点である。
キレッキレですから・・・。
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