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2017年3月 4日 (土)

朝に伸び悩み昼に継続し夜に紙一重を越える(深田恭子)

以前も書いたかもしれないが・・・「紙一重」について昔、剣の師に教えられた解釈を述べておきたい。

「紙一重」の意味を知るものとそうでないものとではドラマの解釈が些少違ってくるのではないかと思う。

「紙一重」というとほんのわずかの差というニュアンスがあり・・・「危機一髪」的な感じもするわけだが・・・紙の表と裏では大違いというのが前提である。

たとえば空のコップに一滴ずつ水を注ぐ。

コップが水で満ちるまでには相当な時間が経過する。

しかし・・・必ずコップから水をあふれさせる一滴があるわけである。

紙一重はこの一滴の差を示す言葉なのである。

剣の道は厳しく・・・修練の成果には個人差がある。

心技体というが・・・身体が成長し、力が増せばコントロールはより難しくなる。

最も優れた運動を行うために反復練習は欠かせない修練である。

だからといって・・・突然・・・技術は上達するわけではない。

ある領域に達するまで・・・まったく進歩がないと感じることも多い。

だが・・・それはある日、突然やってくる。

想像を越えた「紙一重」の境地が訪れるのである。

偏差値40から偏差値60にジャンプすることはつまり・・・そこに40~59という「紙一重」があったということである。

で、『克上受験・第8回』(TBSテレビ20170303PM10~)原作・桜井信一、脚本・両沢和幸、演出・吉田秋生を見た。カレンダーで言えばひな祭りの夜に・・・女子小学生の物凄い苦闘が描かれるけである。そしてそれはお茶の間の大多数を占める偏差値40~59の人に喧嘩を売っているのも同然なのだった。格差社会という社会の普遍的な状況に一石を投じているわけである。そして・・・その石には「学問のススメ」が刻まれているのだった。「社会に出たら学問なんて役に立たない」という「嘘」をその石は木っ端微塵に打ち砕くのである。

救急車で緊急搬送され江戸中央総合病院に入院した桜井信一(阿部サダヲ)・・・。

「検査入院してください」

「とんでもない・・・そんな時間はありません・・・痛みもなくなったし」

「それは痛みどめが効いているからです」

医師と押し問答しているところに妻の香夏子(深田恭子)が到着する。

「主人はどうなんでしょう」

「ですから・・・検査をですね」

そこに全国模試の結果を持った娘の佳織(山田美紅羽)が到着する。

信一が救急車の中で・・・徳川直康(要潤)に手を握られて励まされている頃・・・二人の娘である佳織と徳川麻里亜(篠川桃音)は試験結果の書類を受け取っていた。

佳織はこれまでの模試で最低の「偏差値40」という結果に強烈なショックを受けていた。

「私・・・あがったよ・・・見せてあげる」

麻里亜の「偏差値70」に打ちのめされる佳織。

「麻里亜ちゃん・・・すごい」

「桜葉学園が見えてきた・・・私のお母さんも桜葉学園だったんだ・・・私が合格したら・・・お母さん・・・入学式に来てくれると思うの」

「・・・」

「佳織ちゃんのも見せて」

「ごめん・・・見せられない」

「え・・・」

佳織はその場にライバルを置いて逃走したのだった。

佳織の偏差値は42がスタートラインである・・・半年間・・・勉強しまくって・・・50を越えたこともあったのに・・・最初よりさがるって・・・「どういうこと?」とパニック寸前の佳織だった。

そんな佳織に・・・容赦なく迫る家庭教師で父親の信一。

「模試の結果・・・どうだった?」

「・・・」

「偏差値40・・・って」

佳織と同じように・・・ショックを受ける信一。

「どういうことなんだ?」とパニック寸前の信一だった。

結局・・・信一は検査入院することになり・・・母娘は帰宅する。

偏差値40ショックでご飯も喉を通らない佳織だった。

「もう食べないの?」

「勉強の続きをしなくちゃ・・・」

「俺塾」に入室した佳織は・・・父の不在にさらに不安を感じる。

心の支えの「麻里亜のペン」も・・・ライバルの前から逃げ出したことを思い出させるばかりなのである。

信一の中卒仲間たち・・・松尾(若旦那)、竹井(皆川猿時)、梅本(岡田浩暉)、そして杉山(川村陽介)は「俺塾」の教材を病室に搬入する。

香夏子は信一の身を案じる。

「そんなことして・・・また倒れたらどうするの」

「そんなこと言ってる場合じゃないんだよ・・・俺にはわかるんだ・・・今・・・佳織は物凄く凹んでいるだよ・・・」

「え」

「だから・・・俺は死ぬ気で頑張らないといけないんだ」

「死ぬって・・・」

「それは間違っています」と楢崎哲也(風間俊介)が言う。「佳織ちゃんが中学受験に成功したからって・・・お父さんが死んだらダメでしょう」

「親はな・・・子供より先に死ぬんだよ・・・問題は俺が死んだ後で・・・娘がどう生きるかなんだ」

「いや・・・せめて成人までは見守らないと親の務めを果たしたことにならないでしょう」

「違う・・・今・・・佳織が受験を諦めたら・・・俺は死んでも死にきれない」

「・・・」

佳織の学力が向上していることは間違いないのだが・・・。

小山みどり先生(小芝風花)の授業中に苦悩する佳織に気がつく。

「桜井さん・・・この問題をやってみて・・・」

佳織はスラスラと解答する。

河瀬リナ(丁田凛美)は「佳織、すごいじゃん」と賞賛する。

「え・・・何が」

「だって、今の算数の問題、サラサラーって解いちゃってさ」

「来年は絶対に有名中学だね」と遠山アユミ(吉岡千波)も憧れの眼差しを注ぐのだった。

しかし・・・今の佳織にはわかっているのだ。

(この程度じゃ・・・有名中学なんて・・・無理だ)ということを。

「ごめんね」

いたたまれずに下校する佳織だった。

そんな佳織を見守る小山みどり先生・・・。

小学校の担任教師に出来ることはそれだけなのである。

受験組だった小山みどり先生にはわかっている・・・佳織が苦境にあることを。

しかし・・・手をさしのべることはできないのだった。

中学受験は家庭の問題なのだ。

佳織を救えるのは家族だけなのである。

佳織は信一の病室にやってきた。

「佳織・・・」

「お父さん・・・どうしてるかと思って・・・」

「今・・・佳織の模試の答案をチェックしていたんだ」

「え」

「お父さん・・・気がついたことがある・・・佳織は考え方は間違っていない・・・だけど・・・ミスが多すぎる」

「・・・」

「佳織は・・・考え方は間違ってないから・・・惜しいって思うだろう」

「うん」

「でもな・・・正解じゃなかったら・・・何もわかっていないのと同じなんだ」

「これから・・・ミスをしないように気をつける」

「お父さん・・・佳織がそう言うの・・・何度も聞いたぞ」

「・・・」

「たとえば・・・お医者さんがさ・・・手術に失敗して患者が死んじゃって・・・ミスしちゃいました・・・これから気をつけますって言ったら・・・どう思う」

「そんなの・・・困る」

「だから・・・絶対にミスしないように・・・努力した人しか・・・お医者さんのような立派な仕事にはつけないんだ」

「・・・」

そこに・・・看護師がやってくる。

「検査の時間ですよ」

「検査って・・・」

「胃カメラを飲んでもらうのよ」

「え・・・カメラを飲むの」

「心配するな・・・凄く小さいカメラだから・・・」と信一。

「ミスは・・・」

「大丈夫ですよ・・・ミスはしません」と看護師。

「・・・」

病院の廊下で塞ぎこむ佳織を発見する香夏子である。

「どうしたの」

「お父さん・・・カメラ飲むんだって・・・大丈夫かな」

「怖くなっちゃったの?」

「もしこのまま成績が上がらなかったらどうしよう」

「そっち・・・」

「中学も受からないかもしれない」

「その時はしょうがないじゃん」

「佳織・・・幸せになれるのかな」

「お母さんはどう?・・・不幸に見える?」

「ううん・・・いつも楽しそうだし」

「いつも楽しいもの・・・お母さんは大好きな佳織と大好きなお父さんといつも一緒にいられて・・・凄く幸せ・・・・大好きな人を見つけるテストがあったら・・・お母さん、絶対一番とれるよ」

「佳織も一番になれるかな?」

「なれるよ・・・私と信ちゃんの子供だもん」

・・・天使である。

信一の退院の日がやってきた。

舅の一夫(小林薫)も病院にやってくる。

「これから・・・居酒屋ちゅうぼうでお前の退院祝いをやるそうだ」

「無理だよ・・・俺は胃潰瘍なんだぜ・・・」

「じゃ・・・香夏子さんだけでも」

「誰の退院祝いなんだよ」

「胃潰瘍って・・・何?」

「根性が足りないから胃に穴があいちゃったんだ」

「根性の問題じゃないだろう・・・それに穴が開くのは胃穿孔だよ」

「穴があいたら食べたものがお腹からこぼれちゃうの?」

「ほら・・・スボンの裾からボロボロと」

「こわい話はやめて!」

しかし・・・桜井一家の恐怖は帰宅後に待っていた。

家賃を滞納していた信一に大家の田畑(村松利史)が無断で玄関の鍵を付け替えるという強行手段を行使したのである。

家に入れないという緊急事態である。

仕方なく大家の残した手紙を手に居酒屋「ちゅうぼう」に向う桜井一家。

中卒の人々は「督促(とくそく)」が読めないのだった。

「家賃を滞納していたんだろう・・・じゃ・・・さいそくじゃねえのか」

「惜しい・・・それは催促」

「督促状が来ていたのはわかっていたけど・・・ほら・・・教材とかなんやかんやで金が足りなくてさ・・・」

いろいろと限界に来ている桜井家なのである。

一夫は問答無用で大家の手紙を破り捨てる。

「要するに金を払えばいいんだろう」

「その金がないんだよ」

「安心しろ・・・香夏子さんには言ってあるが・・・俺が家を売る」

「え・・・」

そこに楢崎が到着。

「ちょうどいいところに来たな・・・家は高く売れそうか」

「それが・・・」

「急ぎの話だ・・・値段のことは・・・ある程度・・・相談に乗るぜ」

「あの物件を売るのは難しいかと・・・なにしろ・・・市街化調整区域なんです」

「なんだって・・・」

「なんだい・・・それは」

建築関係で揃っている登場人物たち・・・。

昔気質の大工である一夫は・・・ピンと来ないが・・・元・スマイベスト不動産勤務の信一にはなんとなくわかる。

それが中卒の限界なのである。

「つまり・・・建物の新築ができない物件なのです」

「え」

「おそらく・・・購入時にも格安だったと思いますけど・・・」

「・・・」

「つまり・・・建てちゃいけない土地に建物を建てちゃってたのか・・・」

「お目こぼしされてたのかよ」

脱力する一同だった。

とりあえず・・・売却の難しい一夫の家に宿泊する桜井一家である。

「親父・・・」

縁側で手酌をする一夫だった。

「俺は情けない・・・かわいい孫のために金も作ってやれないとは」

「そんなことないよ・・・親父の家がなければ・・・俺たちは野宿するしかなかったよ・・・本当に情けないのは俺だ」

「お前も情けない・・・しかし・・・親子だから仕方がねえ・・・」

翌朝・・・香夏子は出勤する。

「グルニエ(納戸)なんて・・・生煮えみたいで・・・野菜がお鍋でグルグルまわってるみたい」などとユーモアあふれる人柄で稲森夫人(青山知可子)を魅了し・・・契約がとれそうなのである。

佳織は登校する。

「でも・・・教科書が・・・」

「事情を話して・・・先生に借りなさい」

一夫は憐れな息子一家の姿を物影が窺う・・・。

信一はとりあえず・・・大家との交渉に向う。

しかし・・・大家はとりあわないのだった。

「忙しいんだ・・・とにかくお金がなければ話にならない」

居酒屋「ちゅうぼう」では中卒仲間たちがお金を出し合うが小銭ばかりで一万円にもならないのだった。

切羽詰まった信一は「トクガワ開発」の社長である直康を訪ねる。

「桜井さん・・・御無事でしたか」

「桜井さんは・・・やめてくれよ」

「桜井・・・」

「徳川・・・実は頼みたいことがあるんだ」

「なんでしょう・・・」

金の無心だとは言い出せない信一なのだった。

「・・・そういえば麻里亜ちゃん・・・模試の結果どうだった」

「御蔭様で・・・偏差値70になりました」

「さすがだね・・・遺伝だよな・・・そういや、この間・・・おかしなこと言ってたよな」

「妻に言われたのです・・・この子は私の子供ではないと・・・」

「奥さんが・・・」

「私は仕事にかまけて・・・家庭を放置していました・・・その結果・・・妻は育児ノイローゼになってしまったのです・・・麻里亜が私の子供ではない・・・と言うよりも・・・私が麻里亜の父親ではない・・・と言うことなのでしょう」

「いいや・・・徳川は立派な父親だよ・・・いい食事をさせて・・・いい服を着せて・・・いい家に住まわせて・・・立派な教育も与えている・・・それにくらべて俺なんか・・・家から追い出される始末だ」

「なんですって・・・」

「いや・・・家賃を滞納してさ・・・入院している間に・・・大家に鍵を付け替えられちゃって・・・家にも入れない状態なんだ」

「それは違法ですね」

「わかってるけどさ・・・金が」

「いいえ・・・大家さんが違法なことをしているのです・・・よろしければうちの顧問弁護士に話をさせましょう」

「え・・・」

中卒が泣き寝入りするところを東大卒の人々はしないのだ。

ただちに・・・顧問弁護士が出動するのだった。

「鍵を持ってきていただけましたか」

「はい・・・」

「電話で申し上げた通り・・・契約解除のためには訴訟をしていただき・・・裁判で判決が出た後にしかるべき執行手続きを経て行われるもので・・・自力執行は違法です」

「はい・・・」

「しかるに・・・桜井一家は住居に入室できないという不利益を被っており賠償請求も可能です」

「どうか穏便に・・・」

「家賃については支払う意志があるということでどうかしばらくの猶予をいただけないでしょうか」

「頭をおあげください・・・先生のような方に頭を下げられては否も応もございません」

「では・・・鍵をお渡しくださいますか」

「もちろんでございます・・・」

一件落着である。

中卒夫婦と小学生の頭上では激しい高学歴の空中戦が展開されるのだった。

我が家に戻り・・・香夏子と佳織の寝顔を見つめる信一の胸に安堵と口惜しさが去来するのだった。

(徳川がうらやましい・・・愛は金で買えないと言うが・・・愛を金で表現することはできる・・・電話一本で・・・他人の家を取り戻すことができる・・・それに比べて・・・俺の愛は三足千円の靴下みたいな・・・)

結局・・・すべては・・・自分が中卒であることに起因すると考える信一。

それを愚かというものは・・・中卒ではない場合が多いのである。

しかし・・・佳織もまた・・・偏差値40のショックを抜けだせない。

大森健太郎(藤村真優)はそれを察し・・・囁く。

「この間・・・俺も最低点だったよ」

小学六年生男子・・・精一杯の愛である。

香夏子はついに契約を獲得する。

その喜びを一夫に報告に行った香夏子は首吊寸前の舅を発見するのだった。

一夫は一命を取り留めるが左足を骨折してしまった。

一夫の病室に駆けつける信一。

「何やってんだよ・・・」

「俺が死ねば生命保険で五千万円入る」

「そんな金もらえるかよ・・・」

「俺はな・・・夢を見たんだ・・・俺たちの前に高い壁があってよ・・・はしごはあるけど・・・壁の天辺までは届かない。俺と香夏子さんがはしごを支えて・・・お前が途中までは佳織を背負ってはしごを昇る・・・最後は佳織が自力で壁をこえなきゃなんねえ・・・そうやってなんとか佳織一人だけは壁の向こうに行ける・・・そういう大変な仕事だ・・・お前だって佳織のために死んだって構わねえって言ってたじゃねえか・・・中卒の親の子供が中学受験をするなんて・・・そんだけの覚悟がいるってことだ・・・俺もな・・・佳織の役にたちてえんだ・・・親が子より先に死ぬのは当たり前のことなんだろう・・・俺がいなくなりゃ・・・年寄りの面倒を見る手間省けて一石二鳥じゃないか」

「いなくなるって・・・どういうこと」とやってきた佳織が問う。

「いや・・・俺もそろそろ・・・雲の上から・・・佳織のことを眺めるってことさ」

「それは無理よ・・・雲は大気中の水滴、もしくは氷の粒だもの・・・マンガみたいに雲の上に立ったりできないよ」

「佳織・・・勉強したんだなあ・・・」

「佳織・・・中学受験やめる・・・だってみんな私のせいなんでしょう・・・お父さんのお腹に穴があいたり・・・おじいちゃんがいなくなるって言ったり・・・」

「いや・・・違うんだ」

「中学受験しなくても・・・幸せになれるって・・・お母さん、言ったじゃん」

「それは・・・そういう意味じゃなくて」

佳織は病室を飛び出した。

香夏子が追いかけて佳織を抱きしめる。

泣きじゃくる佳織。

「わかった・・・もういいよ・・・中学受験・・・やめていい」

しかし・・・信一は佳織が中学受験をあきらめることに同意しない。

「俺は・・・納得できないよ」

「信ちゃん・・・もう無理だよ」

「佳織・・・お前は逃げたいだけだろう・・・俺の病気や・・・親父の怪我のことは言いわけなんだろう。お前は偏差値40をとって・・・ずっと勉強してきたことが無駄になるんじゃないかって・・・こわくなったんだろう。わかるよ・・・俺だってこわいもの。だってお前と一緒に鶴亀算や旅人算・・・昔はやったことのなかった勉強をお父さんはずっとしてきたんだから・・・それが全部無駄だったと思うと・・・怖くて怖くて嫌になるよ・・・あんなに勉強したのに・・・一生懸命勉強して・・・それが全部無駄なのかって」

「やめて・・・これ以上・・・佳織を追い詰めないで」

母親として・・・凶暴な父親を武力で排除することも辞さない香夏子。

病院の廊下で絶叫する信一を・・・警備員が取り押さえる。

年上の女教師に恋をした男子高校生が絶叫告白するアニメのような馬鹿馬鹿しさである。

しかし・・・ここで流れるのは色恋沙汰ではなく・・・格差是正の階級闘争を背景とした親子愛なのである。

「後で絶対に後悔するぞ・・・すべてが無駄になるんだ・・・麻里亜ちゃんは・・・偏差値70だったんだぞ・・・口惜しくないのか・・・佳織のよわむし・・・」

佳織の中で掛金が外れる音がする。

優しさや・・・甘さに覆われた「闘争心」に火がついたのである。

誰にも負けたくない気持ちが佳織の中で燃えあがる。

佳織は父親に向って突進した。

「佳織は弱虫じゃないもん」

佳織は父親にパンチを繰り出した。

信一は娘を抱きしめた。

「わかってるさ・・・佳織はお父さんの子供だ」

佳織を呪縛していた両親揃って中卒の縄は切れた。

父親や母親の屍を越えて行く決意が佳織の中に生れたのである。

次の模試で・・・佳織の偏差値は60に達した。

佳織の精神に自分のミスを断固として許さない執念が形成されたのである。

佳織にとって中学受験はもはや遊びではないのである。

生死を賭けたチャレンジなのだ・・・。

そうなのか・・・。

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受信: 2017年3月 5日 (日) 08時17分

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