氷上の穴釣りと危険なナポリタンと片思いの夢とすり替えられた神意と五艘のたこやきとリストの慰めと誰でもない女(満島ひかり)
カルテットなので四角関係なのだが・・・その中には三角関係が包み込まれている。
一つの点から別の図形が派生することもあり・・・たとえば・・・巻真紀-巻幹夫-巻鏡子の三角形など・・・複雑な人間関係を構成している。
巻幹夫-巻真紀-別府司の三角関係は・・・巻夫妻の離婚によって後退し・・・序盤から展開する世吹すずめ-司-真紀の三角関係がクローズアップされる今回・・・。
この三角関係は・・・すずめの司に対する片思いが軸になるのだが・・・そこは表面なのである。
妄想的には・・・この三角関係は「ダイエット/大島弓子」(1989年)の角松-福子-数子に置換される。
親の愛情に飢えた福子と・・・親戚を盥回しにされて育ったすずめは同質の存在なのである。
「好きな人の好きな人と好きな人の好きな人が結ばれてほしい」というすずめの願望は精神年齢が五歳の女子高校生福子と同じく・・・「両親という名の保護者カップル」への渇望に他ならない。
しかし・・・元地下アイドルのアリスに導かれて「思春期」の扉を開いたすずめは・・・「初恋」へと駒を勧める。
つまり・・・女児のエディプスコンプレックスが発動するのである。
下りのエスカレーターでエスコートしてくれる父親を独占したいのである。
すずめの初恋を・・・寝た子を背負うように見守る家森諭高によって・・・カルテットの疑似家族関係は完成するのだった。
で、『カルテット・第8回』(TBSテレビ20170307PM10~)脚本・坂元裕二、演出・土井裕泰を見た。カルテット・ドーナツホールの第一ヴァイオリン・巻真紀(松たか子)は夫・巻幹生(宮藤官九郎)と離婚し旧姓の早乙女真紀となった。これによってカルテットはすでに離婚している ヴィオラ・家森諭高(高橋一生)、第二ヴァイオリン・別府司(松田龍平)、そしてチェロ・世吹すずめ(満島ひかり)と四人全員が独身になったのであった。
氷上でワカサギ釣りを楽しむカルテット。
序盤は大漁である。
「ワカサギってバカですね」
「ですね」
しかし・・・たちまち魚信(あたり)が来なくなるのだった。
「ワカサギを馬鹿にしすぎましたね」
「別府くん・・・ワカサギが日本語を解するとでも」
「この間・・・大きなホールで演奏することになったんだけど突如、カルテットで空中ブランコをすることになる夢を見ました」とサオトメマキ。
「僕も四人の心と身体が入れ替わる夢を見ました」
「真紀さん・・・他人の夢の話を聞いて・・・なんて言いますか」
「へえ」
「へえからは何も生まれませんよ」とヤモリ。
「・・・お腹すきましたね」とすずめ。
「帰って温かいものでも食べましょう」
「皆さんに話があるんですけど・・・」と別府。「別荘・・・春になると・・・リスが集まってくるんです」
「もう・・・帰ろうって時に・・・面白そうな話しないでよ・・・」
「車の中で話せばいいじゃないですか・・・行きましょう」
事実上の家長であるサオトメマキが一同を促す。
お約束で氷上でのコケを披露する三人であった。
別府の別荘ではサオトメマキの元の姑・鏡子(もたいまさこ)が腰痛の養生を続けていた。
回復した鏡子は御礼にご馳走を作って振る舞う。
カルテットにとって疑似・母となる鏡子は・・・奏者たちの生活態度について説教をするが聞く耳をもたない四人組である。
キリギリスたちは・・・アリの作った手料理を貪り食うのだった。
振り返った鏡子は・・・頬を膨らませた疑似子供たちに呆れるのだった。
「どうぞ・・・召し上がれ・・・」
サオトメマキは鏡子を軽井沢駅に送り届ける。
「もう・・・あなたには連絡しないつもりです・・・あなたは自分の人生を生きてください」
「・・・お義母さん・・・野沢菜ふりかけ」
サオトメマキは軽井沢土産を手渡した。
すずめは甘美で淫らな夢を見ている。
夢の中で・・・別府はスパゲッテイ・ナポリタンを作る。
白くて可愛い衣装をつけたすずめに・・・「ナポリタンは白くて可愛いお洋服にとって危険です」とエプロンを着せかけてくれる。
食事の前に着せるのは・・・食後に脱がすことの性的な暗示である。
エプロンの付紐で胴回りを縛られてすずめはうっとりするのだった。
目覚めたすずめは・・・階下で別府が湯切りを持って調理していることにときめく。
夢が現実になるのではないかという期待にみぞみぞするすずめ・・・。
しかし・・・別府がゆでていたのは日本蕎麦だった。
食卓に用意される二人分のそばつゆ・・・。
すずめは落胆を誤魔化すためにワサビをたっぷりとすりおろす。
咽る別府。
「すずめちゃんがここに来てナポリタンを最初に食べたのって・・・ずっと前のような気がするけど・・・実はつい最近なんですよね」
「憶えていたんですか」
「ええ」
「じゃあ・・・あのことも・・・」
「・・・憶えています」
突然、すずめが別府にキスをしたことである。
「でも・・・あれは・・・どういう意味だったのか・・・Wi-Fiって・・・」
「ロックンロールナッツを食べましたよね」
「あ・・・アイスクリームのことですか」
「ラブラブストロベリーと」
「・・・食べましたね」
そこへ・・・ヤモリが現れる。
「別府くん・・・トイレの便座が冷たいんだけど」
別府はトイレに向う。
ヤモリは別府の席に着席して蕎麦をたぐる。
ワサビの効果を確認してほくそ笑むすずめ。
「イエモリさん・・・バイト決まりましたか?」
割烹着姿のアルバイト画像を披露するヤモリ。
事実上の口うるさい主婦としてのヤモリなのである。
「すずめちゃん・・・別府くんとキスしていたよね・・・別府くんて真紀さんの事好きだよね・・・真紀さんお離婚しちゃったし、ピンチじゃない?」
「一緒にバイト探しましょうよ」
「五文字しりとりする・・・かたおもい」
「いいんです」
「そうなんだ」
「いいんです・・・五文字です・・・すですよ・・・す」
そこへサオトメマキが買い物から戻る。
物資を受け取ったすずめは二階に退場する。
すずめの席に着席するサオトメマキ。
わさびに咽つつ蕎麦を貪る。
「真紀さん、晴れてお離婚したし・・・もう、火照りまくりじゃないですか?・・・別府くんとかどうですか?・・・お相手として」
「イエモリさんこそ・・・好きな人いないんですか?」
「僕は女性を好きにならないようにしています・・・向こうが僕を好きになる確率が極めて低いからです」
「イエモリさんて・・・自分の事判ってたんですね」
「だからこそのこの性格です」
別府が戻ってくる。
「トイレ・・・直りました」
「ぬくぬくになった」
「なりました」
そこで別府の弟・圭(森岡龍)からのメールが着信する。
別荘の売却について相談したいという件だった。
カルテットの疑似家庭のタイムリミットが迫っているのである。
カルテットのホーム喪失の危機を・・・メンバーに切りだせないでいる別府は・・・弟の家庭問題について相談に乗るという嘘で・・・サオトメマキとヤモリを外出させる。
不動産屋を伴い別荘にやってきた圭は売却額七千万~八千万円の間という査定に満足し・・・売却話を進める。
「ここなら・・・すぐに買い手がつきますよ」と不動産屋。
「・・・高崎に戻ってくればいいじゃない」と圭は兄に慇懃無礼な態度で促す。「職場も近いんだしさ」
「・・・」
「メンバーのこと?・・・その人たちってどうせダメな人って言われているんでしょう・・・ダメ人間とかクズとか」
「人を査定に来たの」
「兄さんだってゴミ出ししない人たちだって言ってたじゃない」
「それは面白い話として・・・」
「とにかく・・・兄さんが・・・そういう人たちを大切にして面白がっているって・・・父さんには伝えておくよ」
「・・・」
弟の圭はやり手で・・・兄はそうでもないらしい。
そして・・・別府家では・・・ダメな人たちを庇う兄の立場は・・・それほど強くはないわけである。
執行猶予は迫っているのだった。
兄弟の話を・・・すずめが盗み聞きしていた。
ライブレストラン「ノクターン」での営業を終えたカルテット。
「すずめちゃん・・・ごめん・・・今日は・・・曲順間違えちゃって」
別府は「秘密」を抱えて懊悩しているのである。
「別府くん・・・今日、おかしくなかった・・・元気ないみたいだし」
直感の冴え渡るサオトメマキ。
「マキさんが直接聞いてみたらどうですか・・・アイスありますよ」
すずめはサオトメマキを送り出す。
別府の部屋でおしゃべりをする二人を確認したすずめは眠気を装って自分の部屋へ戻る。
そして「宅地建物取引士」の合格証書を取り出すのだった。
別府の負担を軽減するために・・・別荘喪失後のカルテットの存続のために軽井沢での職を確保しようとするすずめなのである。
スーツに身を固めたすずめは老人だらけの根本不動産の面接に挑む。
社長の根本(ミッキー・カーチス)はすずめを一発採用するのだった。
「ジュ・トゥ・ヴ(きみがほしい)/エリック・サティ」にのって踊りだすすずめ・・・。
雑誌に載っていたスイーツをサオトメマキが美味しそうと言えば・・・サオトメマキの携帯で別府に発注するすずめなのである。
すずめはサオトメマキと一体化し・・・別府を共有しようと夢見るのだった。
すべてを把握するイエモリは・・・すずめの恋心に恋して「わしにもくれ」とその他の人の声色を使って叫ぶ。
サボテンに水をやるすずめ・・・。
「サボテンに水やりは必要なんですか」
「サボテンにこそですよ」
サボテンの花が情熱の赤を示す。
サオトメマキがサボテンの花に魅了される。
「別府さん・・・ほら・・・咲いてますよ」
仲のいい夫婦にも見えるサオトメマキと別府の姿にうっとりとするすずめである。
好みの香りの洗剤で別府のシャツを洗濯し・・・サオトメマキに香りを楽しんでもらうすずめなのである。
そんな働き者のすずめのために・・・根本社長は「ピアノ・リサイタル」のチケットをプレゼントする。
「私の好きな人にあげてもいいですか」
「その人と一緒に行くのかい」
「私の好きな人には好きな人がいるんです」
「・・・」
「私の好きな人の好きな人も私の好きな人なんです」
「君の好きはどこに行くのかな・・・置き場所に困らないのかね」
「私の好きはその辺にゴロゴロしているっていうか・・・ちょっとした優しさや・・・ちょっとした気遣いで・・・好きだってことを忘れるくらいの好きなんで・・・」
「・・・まぶしいね」
若者のすべてがまぶしいお年頃らしい。
不安を感じた時に・・・それを宥めてくれる相手を・・・すずめは求め続けているのである。
すずめは架空の若手同僚をでっち上げ・・・鉄板焼きに誘われていると仄めかす。
そして・・・別府とサオトメマキにリサイタルに行くことを勧めるのである。
「すずめちゃんが行けばいいのに」
「私・・・ピアノを聴くと眠ってしまうんで」
「僕がもらってもいいよ」と邪魔をするヤモリ。
すずめはヤモリに胸の内を明かすのだった。
「私・・・独立しようと思ってるんです・・・イエモリさんにもお薦めの物件があります」
「ここがあるじゃないか」
「別府さんの負担になっているんです」
「僕はたとえ別府くんが結婚することになってもここに居候させてもらうつもりだ」
「別府さんと真紀さんに幸せになってもらいたいんです」
「君の片思いは・・・」
「いいんです」
「夢の話でしょう」
「え」
「片思いって一人で見る夢でしょ・・・真紀さんを見ている別府くんを見てるのがつらいからじゃないの?」
「・・・」
「両想いは現実・・・片思いは非現実・・・夢と現実の間には深い河が流れているよ」
「二人がうまく行くように・・・協力してください」
「・・・」
すずめの計画に従って・・・リサイタルで待ち合わせをする別府とサオトメマキ。
不動産屋で残業するすずめは「慰め 第三番/フランツ・リスト」を聴くうちに眠りこんでしまう。
夢の中で白いコートのすずめは別府と待ち合わせをして・・・別府にエスコートされてリサイタルを楽しむ。
目覚めたすずめは自分が泣いていることに気がつく。
別府の幸福を願っているはずなのに・・・サオトメマキではなく自分が別府と愛しあうことを望んでいるすずめ・・・。
混乱したすずめはリサイタル会場に走る。
別府の幸せそうな姿を確認すれば・・・自分の気の迷いが晴れるはずだというように・・・。
しかし・・・別府と黒いコートのサオトメマキの仲睦まじい姿は・・・すずめの心をかき乱すのだった。
ふたりの幸せを願う気持ちと自分の欲望の間で宙吊りになるすずめ。
人混みに流されて・・・すずめは別府とサオトメマキの姿を見失うのだった。
くたびれて帰宅したすずめは・・・別荘の鍵が見つからず・・・座り込む。
そこに・・・ヤモリが帰ってくる。
「たこ焼きあるよ・・・」
別府とサオトメマキは客として「ノクターン」を訪れる。
「いらっしゃいませ」とアルバイト店員・来杉有朱(吉岡里帆)が二人を迎える。
サオトメマキとアリスは笑わない目の応酬をする。
二人は対の存在なのである。
「こんな風に見えるのね」サオトメマキはステージを眺めて言う。「私・・・ずっとここで演奏していくのもいいかなって思うのよ・・・向上心がなさすぎるかしら」
「人それぞれに目的の場所が違っていいんじゃないですか・・・のしあがりたい人はのしあがればいいし・・・そうでない人はそうでなくていい」
アリスは店の奢りのワインをそそぐ。
「一番安いやつですけどね」
サオトメマキとアリスは笑わない目の応酬をする。
あくまで二人は対の存在なのである。
シェフの大二郎(富澤たけし)は苦笑いをする。
すずめはヤモリの買ってきたたこやきを食べる。
「行った旅行も思い出になるけど行かなかった旅行も思い出になるじゃないですか」
「意味がわからない」
「いいんです」
「好きですと・・・興味のない人からの告白って・・・夢と一緒でしょう・・・へえ・・・でしょう。別府くんから告白されても・・・真紀さん・・・困ると思うんだよね・・・SAJだよ」
「SAJ・・・?」
エチュード(即興劇)・モードに入るヤモリ。
「演じてみて・・・かもめのニーナみたいな感じで」
「好きですねえ」
「告白してみて」
「好きですのS」
「あ・・・・あああ・・・ありがとうのA」
「・・・返事になってません」
「だって・・・興味がないって言ったら気まずいでしょう」
「・・・Jは?」
「ありがとうって言われたら・・・ふふふ、冗談ですよって言うの」
「・・・」
「これで告白したことがなかったことになるから」
「なりますか」
「なるよ・・・大人はみんなそうやって生きて行くの」
営業が終わったノクターンでホール担当責任者の多可美(八木亜希子)で「ギャラの明細書」を渡したいのでしばらく待っていてほしいと頼まれる別府とサオトメマキ。
「御先に失礼します」
サオトメマキとアリスは笑わない目の応酬をする。
しつこいようだが二人は対の存在なのである。
手持無沙汰になったサオトメマキはピアノで「メヌエット/J.S.バッハ」を奏でる。
かわいい装飾譜入りである。
「弦に行ってからは弾いてないから」
「真紀さん・・・好きです」
「またですか」
「またですが・・・好きです」
「ありがとう」
「すきです」
「サンキュー」
「もう一緒にいるのがつらいです・・・このままだったら離れた方が」
「え」
「・・・冗談です」
「このまま・・・みんなと一緒にいたいんです・・・死ぬなら今かなと思うくらい・・・今が好きです」
サオトメマキはタコ焼きを買う。
「ご夫婦ですか」
「片思いです」
「今日は・・・片思いのお客さんの多い夜だね」
「そうなの」
「ええ」
眠りこんだいとし子をおんぶしてベッドに運ぶヤモリ・・・。
「・・・冗談なのさ」
四艘のたこやきを運ぶ別府。
「登り坂・・・ふふん・・・下り坂・・・ふふん・・・人生はまさか」
「その歌・・・好きなんですか」
「・・・」
その頃・・・東京の鏡子の家に・・・間違って娘の可愛い傘を差した富山県警の刑事・大菅直木(大倉孝二)を伴って幹夫の担当弁護士がやってくる。
息子夫婦の結婚式の写真を示す大菅刑事。
「息子は・・・富山県でもなにか・・・事件を・・・」
「こちらの人は・・・」
「先日、息子と離婚した早乙女真紀さんです」
「その人はサオトメマキではありません」
「え」
「サオトメマキとは別人です」
「じゃ・・・誰なんですか」
「誰なのか・・・誰でもない女です」
サオトメマキは・・・いつから・・・サオトメマキになったのか。
少なくともそれは・・・別府が学園祭で目撃する以前の話になる。
小吉と大吉と大吉と大吉は・・・小吉と大吉と大吉と凶だったのである。
まあ・・・資産家のキリギリスがそうでないキリギリスたちに食いつぶされかけてるからな。
関連するキッドのブログ→第7話のレビュー
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コメント
サオトメ アキとは別人です
衝撃のエンディング
最初に写し出される 脚本 坂元裕二の文字
視聴者におもねる事なく 自分の描きたいものを自信を持って書いている
信念のある脚本家さんなんですね
演出 役者 全てが素晴らしいけれど
この時代にオリジナル作品でこの完成度
素晴らしいですね
WBCの放送の関係でスタートがずれ込んだので
レコーダーがちゃんと録画を始めたことだけ確認して
録画での視聴になりましたが ものすごく引き込まれて
終わってまたすぐに繰り返し見てしまいました
やや大味だったWBC初戦の後 このドラマって
落差が凄すぎるので かえって良かったかもです^^;
サスペンス要素は別にいらないくらい
大人?のラブストーリーとして 堪能しました
今回の演出がもう ものすごく好みで
短編の恋愛映画として
何度でも繰り返し見て味わいたいです
1.2話でリタイアしなくて本当に良かったです
カルテットも左江内氏もテイストは違うけれど
どちらも とても好きです
もうすぐ冬ドラマも終わってしまいますが
キッドさんがこのブログを
不自由なく続けることができますよう
願ってます☆
投稿: chiru | 2017年3月11日 (土) 13時09分
シンザンモノ↘シッソウニン↗・・・chiru様、いらっしゃいませ・・・大ファン
「わたしたちの教科書」でもジェットコースターではなくフリーホールスタイルで楽しませてくれた脚本家。
「カルテット」では基本的にうっとりさせながら・・・最後の急降下で「えええ」となるので・・・より洗練された感じがいたしますねえ。
「冬の軽井沢」はなんとなく・・・「異世界」のような感じがしますねえ。
70分繰り下げて視聴率が*8.2%↗*9.5%と前回より上昇するというミステリーでございます。
うっかり見たらやめられない人がいるのか・・・単なる消し忘れか・・・微妙なところでございますよねえ。
脚本家としては視聴者に楽しんでもらおうと
あの手この手で攻めているが
思ったより感じてもらえず虚しいのかもしれません。
まあ・・・10%近くの人々が見ていれば充分・・・。
そろそろ・・・そういう時代なのかもしれません。
夫に捨てられて・・・カラオケボックスで四人組となり冒険の旅ら出発したまきまき・・・。
「オクカルイザワ」という古からの「魔法のメッカ」で夢のような一時を過ごして気がつくとサオトメマキに戻っている。
しかし・・・アリスの存在がミステリアスであるようにサオトメマキの存在もミステリアスだった。
アリスの「目が笑っていないこと」を最初から見抜いていた「もう一人のアリス」・・・。
つまり・・・「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」が遭遇しているような味わいがございますねえ。
一方で・・・いつも眠っているすずめは・・・本当はアリスたちの夢を見ているだけなのかもしれません。
おちこぼれのカルテットとか・・・
バツイチの男と女とか・・・
音楽で食べて行く難しさとか・・・
片思いのせつなさとか・・・
そういうリアルなストーリーでありながら
なんとなくファンタジーなこのドラマ・・・。
いつまでもうっとりと眺めていたい珠玉の作品となっておりますねえ。
いよいよ・・・四百万アクセス到達までのこり三千アクセスを切り・・・なんとなくみぞみぞいたします。
chiru様のようにご愛読くださる方のためにもなるべく続けようと考えていますが・・・その日暮らしなのではっきりとお約束はできないのですよねえ。
とりあえず・・・最後まで頑張りたいと考えます。
投稿: キッド | 2017年3月12日 (日) 01時14分