永禄九年、井伊直虎誘拐事件(柳楽優弥)
さて・・・もう・・・これは大河ドラマではないと断言したいところだが・・・大河ドラマの枠でやっている以上・・・正真正銘の大河ドラマなのである。
なんていうか・・よい子の戦国時代なんだよな。
あるいはゆとりの戦国時代っていうか。
ホモサピエンスの生き方には二通りあって・・・社会的に独立して個のヒトとして生きるか・・・社会的に共存する人間として生きるかの選択肢がある。
もちろん・・・自由や平等という理想と同じでその境界線は非常に曖昧だ。
いかに個人として生きようとしても・・・その欲望の中には生殖行為が含まれているので家族というしがらみは生じやすい。
子を捨て親を殺すのは河原者の務めであるが・・・この世の掟はコンプライアンス(追従)を求めるわけである。
このドラマの根底には・・・そういう妥協の産物と・・・作者の譲れない何かが火花を散らしているような気がするが・・・それがやや乙女チックに傾斜するので・・・辟易するわけである。
社会は人間集団の維持を第一義とする。
そのために様々な制度が考案されるのである。
階級、法律、刑罰・・・様々なルールが個人を縛りつけて行く。
朝廷には朝廷の・・・公家には公家の・・・武家には武家の・・・そして盗賊には盗賊のおきてがあるのだった。
武田信玄の父親・信虎は興にまかせて妊婦の腹を切り裂き・・・人道上の罪で国外追放となった。
しかし・・・見方によっては・・・子が父を処分した下剋上である。
それをどちらで見せて行くかは・・・もはや好みの問題だろう。
罪を憎んで人を憎まずという・・・次郎法師の心情が・・・すけこましにおぼれやすい乙女の視点で描かれるという不気味さを受け入れれば・・・まあ・・・楽しめないこともないのかな。
この年の暮れ・・・永禄九年(1567年)十二月・・・松平家康は従五位三河守となり徳川氏に改姓する。
徳川家康がまもなく誕生するわけである。
その頃・・・やがて家康の家臣となる井伊直政の養母であり再従姉(またいとこ)である井伊直虎が気賀を根城とする盗賊団に拉致監禁されたかどうかはもちろん定かではない。(仮記事です・・・もうお気づきでしょうが・・・本記事になることはないと考えます)
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