2009年11月22日 (日)

汝の隣人を愛せそして弱みを握れ(尾野真千子)ママはプリンセス(志田未来)父子相克の巻(三浦春馬)

かって大人は大人だったし子供は子供だった。

しかし子供の国では大人も子供だし子供はもちろん子供だ。

大人は子供のままでそれを恥じることもない。

そんな国がいつまでも滅びないはずはないだろう・・・と思うのだがそうとは限らなかったりして。

で、『小公女セイラ・第6回』(TBSテレビ091121PM0756~)原作・フランシス・E・H・バーネット、脚本・岡田惠和、演出・吉田秋生を見た。もちろん、この場合は謎の学園・聖ミレニウス女学院の院長・千恵子(樋口可南子)が乙女心に支配された成人女性であることは言うまでもない。今回はセイラ(志田未来)のとった行動を少女時代の千恵子(溝口まりも)がとっていたという離れ業でどんな人にも美点はあるという予定調和の伏線をはったわけだが、とにかくセイラの国籍がどこにあるかは不明だが、セイラが孤児になった時点でしかるべき役所にしかるべき保護の申請なり手続きなりを進めるのが大人というものだろう。そんなこと言ったらドラマにならないと言われるかもしれないがそこをしかるべく作るのもドラマのテクニックである。まあ・・・そういう言わずもがなのことを言うのは子供の証拠だけどね。

とにかく富豪の男(安田顕)がやってきて学院に幼い娘(春日香音)を預け、その子守りのために学院追放の執行猶予を得たセイラだった。子供ながらやや大人のかをり(忽那汐里)はポッキーの分際でセイラに「他人と距離を置くこと」を推奨するが神との不義密通の子を宿した聖母マリアに例えられるほど唯我独尊のセイラにそんなこと言ったってムダなのである。セイラは子供のくせに大人を説教して大人の仮面をかぶった子供に激しく顔面を殴打されるのだった。

そしてどんなに子供であろうとも金さえ出せば王様だと「銭ゲバ」の名残を感じさせつつ・・・このしょうもない物語は続く。

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で、『サムライ・ハイスクール・第6回』(日本テレビ091121PM0930~)脚本・井上由美子、演出・佐藤東弥を見た。人間の能力には差異があるというのが神の作った掟である。その差異の存在と折り合いをつけるか否かが子供と大人の境界線であるという考え方がある。そういう意味では望月一家は全員子供であるが・・・唯一、子供のフリをしている大人が小太郎(三浦)の妹・優奈(大後寿々花)であることはほぼ確定であるだろう。父親の失職に際し一瞬我を忘れたフリをして「せっかく勉強してきたのに大学進学もままならないのか」と絶望して号泣するのは親の不甲斐なさと自分の不運を嘆く正当な自己表現であり、そんな子供じみた行動をエンジョイしているのである。目は醒めている。やがて兄が「俺が働いて学費くらい稼いでやる」と宣言すると「まるでお兄ちゃんみたい・・・」と優しい表情を作るが兄にそんな甲斐性はないと見抜いているので目は醒めているのである。やがて父と子がお互いの鬱屈をぶつけ合うチャンバラごっこを始めるとフッと笑いながら出来の悪い人間に対しての惜しみない憐憫を示すのである。なんていうか小林聡美っていうかだ。もはや作品の中身はどうでもいいが大後寿々花の出番が多くて良かったよ。まあ、我が家には中学生くらいで父親の入浴中を襲撃して半殺しにするくらいでないと父親に男として見てもらえない家風があるのでなんともいえないが。

で、『外事警察・第2回』(NHK総合091121PM9~)原案・麻生幾、脚本・古沢良太、演出・吉村芳之を見た。実際には存在しない建前の警視庁公安部外事第四課(ウラ)をドス黒く描く物語である。ちなみに第一~三課(オモテ)は実在します。外交官でテロリストの手先であるラモンを現行犯逮捕した住本(渡部篤郎)は心に哀しい殺意を秘めた非情のライセンスを持つ闇の刑事である。

ウラの仕事は諜報活動である。任務の主目的は外国人による犯罪の防止と摘発だがその重要な課題はテロリズムによる事件を未然に防ぐことにあり、そのためには手段を選ばず超法規的な業務を日常とする。

諜報活動は情報の収集と分析を伴うが情報の収集には盗聴や監視はもちろん、潜入操作も辞さない。情報を得るには情報をある程度与える必要もあり、そのための資金も秘密に用意されている。対人的要素も強いため「協力者」と呼ばれる民間の下請けを雇用する場合もある。

もちろん、情報屋と呼ばれる業者を利用することもあるが事件関係者をなだめすかして協力者に仕立て上げることもある。一般的には「協力者」とは手先の美名であり、要するに使い捨ての端末ということである。

渡部は闇の世界であるが家庭を持っている。渡部は妻(奥貫薫)にもウラの世界の人間であることを隠蔽しているが妻は住本の正体を知っている模様。おそらく敵対する外国の諜報機関の手先なのであろう。

住本の言う「おともだち」という名の協力者となることを求められたラモンは住本に家族を人質にとられたために追い詰められ承諾する。しかし、直後に暗殺されてしまう。

その失点をオモテのリーダーである倉田(遠藤憲一)は追求するが住本はサラリとかわす。

住本はラモンの残した手がかりから調査を再開する。協力者の一人で身重の日本人妻(遊井亮子)をかかえる不法滞在外国人に危険な橋を渡らせ海外送金のための地下銀行の存在をチェックするのだった。

地下銀行経営者をマークするウラ。しかし、テロリストらしき人物と接触寸前、オモテの不手際で本命の確保に失敗するウラ。

正体不明のテロリストfishにつながる外国人向け飲食店経営者ジュリオ・ロッシ(チェホ・イムレ)だけが唯一の手がかりとして残る。

ジュリオと親しい理髪店の女主人・下村愛子(石田ゆり子)と交通課勤務時代に知遇を得た松沢陽菜(尾野)はそのためにウラにスカウトされたのであった。

交通事故によって植物人間となった夫を介護しながら一人で理髪店を経営する愛子に陽菜は同情していた。

陽菜は先輩でありウラから抜けた五十嵐(片岡敬子)に相談を持ちかける。

五十嵐「よしなさい・・・あなたに協力者のコントロールは向かないわ」

陽菜「もし・・・私が手を引けば住本主任はどうするのでしょう」

五十嵐「どんな手段を使っても・・・彼女を協力者に仕立てあげるでしょうね」

陽菜は住本の魔手から愛子守るためにあえて自分が彼女を協力者として使うことを決意する。

しかし・・・陽菜にアドバイスをした五十嵐もまた住本にコントロールされた協力者であったのだ。

まんまと住本の手にのった陽菜は愛子に対する簡単な仕事の依頼に成功する。

だが・・・それ以上の仕事をするかどうかは愛子の自主性を尊重するべきだと陽菜は考える。

しかし、陽菜とともに愛子を訪問した住本は大金を見せられても協力を拒む彼女に・・・。

「あなたは協力者としてそんな大それた行動は出来ないという。しかし・・・かってあなたは不倫をしてそれが結果としてご主人を植物状態にする事故につながった。あなたはすでに大それたことをしでかした人間じゃないですか」

陽菜の制止を振り切って愛子の心の闇に踏み込む住本に陽菜は暗澹とした気分になる。

「もう・・・彼女を協力者として使うのは無理じゃないですか・・・」

「そうかな・・・彼女を苦しめているのは心に潜んだ闇なんだぜ。その闇を一緒に身に纏い・・・ともに暗がりに潜まなくて本当の協力なんて得られないものさ・・・お前が一緒に闇に落ちなければ・・・彼女の命を自由にする権利も生れないのだ」

「な、何を言ってるんですか・・・」

「それが・・・ウラの仕事なんだよ・・・」

よりドス黒くつづく・・・である。ちょっと痺れてきたぞ。

月曜日に見る予定のテレビ『吉高由里子の東京DOGS』(フジテレビ)『永作博美のいのちの島』(TBSテレビ)・・・絶対彼氏コンビの刺客だ。

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2009年11月21日 (土)

熱愛報道の罠って自分たちもであります(仲間由紀恵)なんとなく嬢王V08(原幹恵)

朋(黒川芽以)が復帰するだけですごくステータスのあがる嬢王なのである。結局、ビキニにフィットしない体型になってしまったのか・・・「猿ロック」の智花のように玉砕して果てるのも味があるのに。

もう二人とも暗黒面が使えるのだから悪いコンビでダブル黒川が見たいな。まあただそう願うだけですが。

一方、熱愛相手として微妙な選択の仲間である。もちろん、この場合、田中に選択権はないが・・・哲司でなく要次だったら爆笑のインパクトだったよな。どんな変態プレーをしているのか妄想するだけで眠れなくなりそうですから。

で、『アンタッチャブル・第6回』(テレビ朝日091120PM9~)脚本・橋本裕志、演出・常廣丈太を見た。誰かが支配している幻想というものがある。しかし、それは個人的な問題だったりする。野党から見れば与党は支配者である。しかし、自分が与党に支配されていると自覚しない野党関係者は多いだろう。たとえば独裁者という幻想もある。独裁者の側近であろうと名もなき一市民であろうと独裁者には支配されていないと考えるものはあるはずだ。

しかし、ある程度の民主主義が確立していて国民の自由と平等が保障されていても政府に支配されていると感じる人もいるわけである。

もちろん、奴隷のように支配されたがっている人もいるわけである。

この支配から卒業したいと考える人間はまず支配されていると考えるわけだ。

もちろん、支配するのは人でなくてもいい。金が支配する場合も多いし、神が支配する場合もある。人に支配されることを拒絶する人もそういう人以外の支配は受容したりもする。

個人的な問題ということはそういうことである。

基本的に誰からも支配されたくない人間はそう考えるだけで自由の身なのである。

しかし・・・実際には人間は支配したり支配されたりしているという幻想があるのである。

たとえばオウム真理教事件で信者となった子供たちを信者でない親たちが・・・教団に子供を奪われたと主張するのは・・・子供の支配権を奪われたと親たちが考えていると認識することができる。その場合子供たちが親の支配を逃れて教団に自由を求めたとも言えるし、親の支配よりも教団の支配を選択したとも言えるし、あるいは子供たちは最初から誰にも支配されていなかったと言うこともできる。

個人的な問題というのはそういうことである。

だが・・・何者かに支配される恐怖というのはかなり普遍的なものだ。そこに恐怖がある以上、それはエンターティメントとして成立する可能性がある。

一方で支配されることの安心も普遍的である。親の愛を受けて生育したものならその安心感がかなり甘美であることは明白だろう。

支配には二つの顔があり・・・それがユートピアが常にディストピアとしての側面を持っていることに通じていく。この両面性を受け入れることが人間の支配に対する適度さを作るのである。

たとえば君臨すれども統治せずの王政が比較的穏やかな民主主義を作ることはイギリスや日本を見れば明らかである。

人間の平等を謳う社会主義が獰猛な全体主義になってしまうことは中国やソ連が示している。

逆に絶対民主主義のフランスやアメリカ合衆国が防衛としての侵略戦争に国民を狩り出しても誰も拒絶できないのは民主主義の限界を示している。少数者は多数者に支配されるしかないからだ。

そういう世界において・・・誰かが支配されることを望まぬものを支配しようとすること。

それが陰謀である。

少なくとも・・・現在の日本では自己責任を拒絶し・・・責任を負わないですむ支配を求めた国民が多数派となっている。そういう人々は官僚の支配から逃れることと自己責任から逃れることを同一視していると言えるだろう。

もちろん・・・そこに危うさを感じるかどうかは個人的な問題である。

しかし、さすがに新興宗教の支配する党が一党独裁で政権与党になることはないだろう・・・と多くの国民は考える。かってそういうジャンルに属する党が政権与党にいたことからは目をそむけつつである。

今はガマガエルの親分が鶴の一声を発する政党が与党であるにもかかわらずだ。

我こそが神の国の王だと武道館で演説したりする党首の党には一議席も与えていないという自信を持ってなのである。

そういう国民にこのドラマはチャレンジしているわけである。

誰もが賞賛する慈善を行い、社会から尊敬される地位があり、世の中を正しく導く以上、人命を尊重するかしないかの選択権は自分にあるという男が国家を支配するのはイヤだという国民に・・・そうなったらどうします・・・と誘いをかけているのだな。

まあ・・・それが・・・そういうこともあるかもなあと思えるかどうかがこのドラマを楽しむポイントなのです。

キッドは謎めいた死以外、どんな支配も受け付けない体質なので感情移入する相手は永倉(寺島進)になるわけですが・・・ほとんど正体を見せないので感情移入がしにくいです。

人々に情報を与えることで人々を踊らせ間接的な支配を目指す名無しの権兵衛。

その正体を追いかける三流週刊誌の記者・遼子(仲間)。

深まっていく名無しの権兵衛の背後に永倉がいるという疑惑。

与えられたヒントは「名無しの権兵衛」は身近にいるということだけ。

最初の容疑はおタクな記者の城之内(酒井敏也)に向けられるが・・・その疑いは晴れる。

仲間は永倉を庇う様々な工作を実現してきた編集長(田中哲司)が怪しいと感じ始める。

そんな編集長が指示する今回の取材対象は「実力が疑問視されながら聞くものを失神させるほどのコンサートを行う美人姉妹演奏家」だった。

姉・春果(桜井淳子)、妹・千夏(雛形あきこ)である。

最初は高額すぎる家賃の住居に対する嫉妬のあまり美人姉妹による陰謀を疑った遼子だったが・・・美人姉妹が与党・野党の大物議員と交際し、かつ選挙に立候補するという事態となったとき・・・二大政党双方に打撃を与えるスキャンダルが作られたことに気がつき戦慄する。

美人姉妹もマスコミも手玉に取られていたのである。美人姉妹も知らないことだったが熱狂する聴衆はすべてサクラだった。ついでに長州力もサクラだった。

やがて・・・美人姉妹と交際中の議員が二人そろって不審な死を遂げ・・・マンション住民全員が永倉傘下であることを示す虹の羽根グッズを着装していることに気がつく遼子。

しかし、「むひょー、なんてムダに大掛かりなことを」とはツッコミをいれない遼子。

いれるべきではないのか遼子。

一方、実は傘下の一員だった編集長は・・・かって永倉がヤクザの手から自分を救い出した件が「やらせ」であったことを知り、反撃の狼煙をあげるための単独取材をしていた。

「お前は一流の三流週刊誌の記者だ」と明らかな死亡フラグをたてて資料を遼子に託す編集長だった。

永倉に痛撃を与えるための記事を書き下ろした遼子である。

しかし・・・アンタッチャブルの発刊日に・・・編集長は「記事は誤報であり謝罪する」というメッセージを残した後で水死体として発見される。

そして・・・遼子がストーカー的に片思いする遠山(要潤)の父親(深水三章)が美人姉妹スキャンダルの仕掛け人であったことが示されるのである。

遠山も怪しいが、永山資金の恩恵を受けた同僚の鷹藤(佐藤智仁)も怪しいし、兄の鳴海刑事(小澤征悦)も怪しい。そしてアンフェアだけど遼子だって怪しい今日この頃です。

とにかく汚れた二大政党を追い落とすべく新党を旗揚げする永倉だった。実にオーソドックスな光あるところに影がある・・・という展開である。

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で、『嬢王Virgin・第7回』(テレビ東京091114AM0012~)原作・倉科遼(他)、脚本・梶木美奈子、演出・植田泰史を見た。愛しい人のラブレターをいじめっ子にとりあげられて「返して~」と追いかける舞(原幹恵)。もう何度思ったことだろう。ハニーフラッシュしちゃえばいいのにと。「怨み屋」のスペシャルが出来るならお正月とかに「キューティー・ハニーTHE LIVE SP」やってくれてもいいよね。

復活した朋(黒川芽以)は雨宮(永田彬)に「桐島の弱み」を知っていると宣言する。

大物議員・桜木と興行界のドン・桐島(大河内浩)の癒着の証拠を握れば桐島に首根っこをつかまれた雨宮にとっては喉から手が出るほど欲しい情報だった。

朋の交換条件は「嬢王グランプリ」のエスコートとしての復活である。

死んでいた私を生き返らせたのは憎しみ・・・その憎しみの炎を消そうとする舞は私の敵」と断言する朋だったが・・・その真意はまだ隠されているニュアンスがある。

雨宮は意味ありげに「気をつけろ・・・憎しみは愛の裏返しだからな」と告げる。

一方、亜美(麻美ゆま)の画策で舞に対する疑惑を誘導される桐島の娘・香織(かでなれおん)は雨宮の愛を探り始める。雨宮はごまかそうとするが婚約指輪をはずしていることを無視されたと感じた香織は見当違いの嫉妬の炎を燃やすのだった。

「そう・・・彼女たちは男の気をひくプロフェッショナルですものね」

場面変わって嬢王になるために加藤店長(津村知与支)を誘惑しようとする亜美。しかし・・・店長は「実は亜美さんは最初から対象外なのです」

亜美「私が・・・咬ませ犬」

その頃・・・舞は桜木議員の息子であり、優衣華の兄である貴史(大口兼悟)に傾いていく心を止めることができない状態だった。

一度は「君を利用していただけだ・・・」と舞を拒絶した桜木だが「特別な思いを止めることができない・・・」と舞を誘い出す。ものすごくバカヤローだ。

ついに明かされる兄妹の関係。

「私の父親は・・・優衣華の母親を愛人にしていた。ホステスをしていた彼女の存在が邪魔になった父親は手切れ金を渡そうとしたが・・・彼女は受け取らない。そこで私は父の命令で彼女の店を潰して・・・彼女を自殺に追い込んだ。そしてまた今回も・・・妹である優衣華の夢をつぶそうとしている・・・だって愛人に生ませた娘が嬢王になったなんて・・・父には命とりのスキャンダルですから・・・しかし・・・優衣華には心からすまないと思っている」

突然、どこからともなく出現する優衣華(原紗央莉)・・・。

「何が・・・謝罪よ・・・この偽善者が・・・私は絶対に許さない・・・そしてこの男に味方する舞も絶対につぶす」

兄と妹の恩讐の彼方に立ちすくむ舞だった。

しかし・・・貴史への情熱に火がついた舞は身も心も奉げる決意を固める。

タ、タイトルがVの部分が崩壊ですかーっ。

しかし、もちろん、ブラ紐が撫でられる如く、つつーっとつづくである。

ついでだが・・・何故か朋のターゲットは香織になっている。

香織「こんなところに呼び出して・・・何のつもり」

朋「私は・・・あなたの秘密を知っているのよ・・・あなたが誰にも知られたくない秘密を・・・

朋の手は香織の股間にある秘密の場所へ伸びていくのだった・・・それは解釈が違うだろうっ。

本日お店・・・休みかよっ。間奏曲なんだな。さすがに名言もネタが切れてきたかなーっ。

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『JIN・仁』(TBSテレビ)

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2009年11月20日 (金)

疾しいことは何もないと目をそらす(唐沢寿明)あの方はお元気ですかと釘を打つママ(多部未華子)

世界情勢とホームドラマの落差激しいエリアである。

どうしようもないドラマとして評判の高い「東京DOGS」と重厚さが仇の「不毛地帯」が全くかぶるポイントがある。

壹岐家

家長・正(唐沢寿明) 妻・佳子(和久井映見) 娘・直子(和久井映見) 娘の恋人・鮫島倫敦(石田卓也 )

高倉家

家長・奏(小栗旬) 母・京子(田中好子) 妹・カリン(川口春奈) 妹の恋人・中谷祥太(吉村卓也)

家長というものは基本的に家族の恋人に対し闖入者的なものを感じ敵愾心を抱き不機嫌になる。

しかし・・・そういう時期をすぎれば・・・原型であるあの家のような平穏が訪れる・・・。

磯野家

家長・波平 妻・フネ 娘・サザエ 娘の夫・マスオ

フジテレビはそういう幻想をなんとなく肯定する局である。

まったく関係ないが味の素のCMで小栗旬の妹といえば川島海荷であり、NTTドコモのCMで田中好子の娘といえば成海璃子である。人間は量的にも情報を認知するので小栗の妹で田中の娘を演じる川口春奈のプレッシャーは大きいと考える。

秋ドラマ第二次なんちゃって高校生ビッグ3(もう二人なんちゃってじゃないじゃん)の陣(順位は平均視聴率)

①多部未華子「不毛地帯」・・・・14.1%↘11.1%↗11.6%↘*9.9%↗11.8%↘10.7%

②大後寿々花「サムライハイスクール」14.0%↘11.3%↘*9.6%→*9.6%↗10.6%

③志田未来「小公女セイラ」・・・*7.4%↗*8.0%↘*7.8%↘*7.6%↘*6.0%

※主役と脇役を同列で論じる脈絡のなさを責めないでください。

志田未来をみるとなんとなく杉田かおるでも安達祐実でもなくチャコちゃん(四方晴美)を思い出す・・・。

ちょっと舌ったらずだからかな。

で、『不毛地帯・第6回』(フジテレビ091119PM10~)原作・山崎豊子、脚本・橋部敦子、演出・水田成英を見た。昭和42年(1967年)5月22日、エジプトのナセル大統領はイスラエルの生命線とも言えるアカバ湾封鎖を宣言。中東における緊張感は一気に高まっていた。戦争で儲ける商社の群れはこぞって情勢を見つめ情報を分析する。近畿商事の壹岐常務(唐沢)は東南アジアの豪商・黄(石橋蓮司)との太いパイプ構築のために黄の要求するタンカーの発注を東京商事の鮫島(遠藤憲一)と競合していた。

そんな壹岐が憩いの家庭に戻ると待っていたのは鮫島の息子ロンドンくん(石田)と愛娘・直子(多部)の忍び笑いだった。

壹岐「ふ、不愉快だ」

ロンドン「まあ、お父さん、最近評判のケーキでも如何ですか?」

壹岐「娘とのお付合いはご遠慮願いたいと君のお父上に申し上げたはずだが・・・」

直子「まあ・・・お父様、帰っていらしたの・・・」

ロンドン「どうやら僕たち親同士のケンカの巻き添えになってるみたい・・・」

直子「まあ・・・ロミオとジュリエットみたいで素敵・・・」

壹岐「誰がキャピレットだと言うのだ!」

ロンドン「えへへ」

直子「うふふ」

壹岐は苦虫を噛み潰すという言葉の意味を知った。

一方、ライバル企業だけでなく、壹岐の出世を喜ばぬ近畿商事の副社長・里井(岸部一徳)にも足を引っ張られる壹岐。

里井の暗躍で近畿商事船舶部によるタンカーのチャーターは停滞する。

里井「新聞などの情報分析によるとアラブ有利のために開戦はなさそうじゃないか。第一、45万ドルでチャーターしたタンカーを40万ドルで貸し出したら損失が大きいだろう」

壹岐「それでは営業努力で35万ドルのタンカーを手配すればお許しがいただけるのですね」

しかし、何が何でも壹岐に手柄をたてられたくない里井は大門社長(原田芳雄)にあることないことを吹き込むのだった。

ユダヤの商人・日東交易の安蒜(団時朗)のコネクションでユダヤ系オレンジの輸入と引き換えにユダヤ系の格安タンカーを手に入れる壹岐。

一方、壹岐の部下である兵頭(竹野内豊)は黄に土下座して契約期日の引き伸ばしを頼み込む。

しかし、日東交易の顧問であり裏社会の顔役でもある国際的ロビー活動家・竹中莞爾(清水紘治)が大門社長を訪問したことを里井に利用され・・・タイミングから言って里井の画策と思われる・・・裏社会の介入を嫌う大門に壹岐の行動は悪印象を与えてしまう。

里井はその大門の言動を誇張して壹岐に伝え、日東交易との取引も黄との取引もすべて白紙に戻してしまうのだった。

兵頭「そんな・・・俺たちの不眠不休の努力は里井副社長の横槍一本で一切が無になるのですか」

壹岐「無ではない・・・和なのだ・・・耐えがたきを耐え忍びがたきを忍ぶのだ」

兵頭「・・・大和魂ですか・・・」

黄との契約は東京商事が横取りした。

商談を終え日本を出発する黄の見送りに出た壹岐と兵頭の前に鮫島が現れる。

鮫島「この度は当社をご利用いただきありがとうございました」(ニヤリ)

壹岐「ご期待に沿えず申し訳ありませんでした」

しかし、黄は「これからの国際貿易において壹岐さんの情報分析を頼りにしています」と慰める。そして壹岐贔屓のデ・・・黄夫人(天海祐希)は鮫島と黄の握手を妨害するのだった。

その帰路、壹岐と兵頭の乗る車を追い越す鮫島の車。

鮫島(ニヤニヤ)

壹岐「・・・」

兵頭(運転手に)「負けるな・・・抜き返せーっ」

だが本当の勝負はこれからだった。

壹岐「我々の分析によれば近代化されたイスラエルの軍事力はアラブ諸国を圧倒しています。戦争は短期で集結するでしょう」

戦略家としての壹岐の発案により、開戦後の物価高騰の波は戦後素早く沈静化すると予測して「高値で売り抜ける」作戦を準備する近畿商事。

またしても里井は「新聞などの予想によると長期戦にもつれこむ可能性は大きいようです・・・壹岐の読みを信用して大損したらどうするのです」と横槍を入れる。しかし大門は「わからん・・・」と言いつつ勝負師の勘で今回は壹岐に賭けるのだった。

6月5日、第3次中東戦争開戦。イスラエル空軍は奇襲攻撃により、エジプト、シリア、ヨルダン、イラクのアラブ諸国の空軍基地を爆撃。アラブの空軍戦力を壊滅させ制空権を握ると戦車を中心とした機甲部隊と空軍との連携も鮮やかに電撃作戦を進行させる。アラブ軍は各地で敗走し、6月6日イスラエル軍はガザ地区を占領。6月7日イスラエル軍はシナイ半島を制圧するとともにアカバ湾入り口のチラン海峡を解放。6月8日国連の停戦決議を敗色濃厚なアラブ側が受諾。6月9日エジプトのナセル大統領敗北宣言。6月10日ナセル「戦争は負けたが大統領は辞めない」と涙目で宣言。6月11日戦闘終結。世に言う六日間中東戦争である。

近畿商事は壹岐の作戦通りに物資を高値で売りに転じて大儲け、東京商事を始めとする各商社は調子に乗って買い続け大損害を蒙ったのであった。

鮫島(涙目)「泣いてなんかいないさ・・・煙草のケムリが目にしみただけ」

大勝利に沸く東京商事を他所に壹岐はシベリア抑留者の会に参加する。勝って兜の緒をしめよ・・・なのである。「あの戦争だって最初は大勝利だったのだ」・・・壹岐は不毛の大地に眠る英霊の魂を忘れることができない。

しかし、前線で戦って生き残った秋津(佐々木蔵之介)のように世を捨て反省の日々を送ることもできない壹岐だった。そして、壹岐はまだ知らない。南方の戦線では日本の敗戦を信じず、グアム島では横井庄一伍長(1972年恥ずかしながら発見)、ルバング島では小野田寛郎少尉(1974年天皇陛下万歳投降)が未だに死線をさまよいつつ戦争を継続していたのである。敗戦の日から22年を経たその時もなお・・・。

忸怩たる思いの壹岐だったが、秋津の妹の千里(小雪)の縁談にはなんとなく不快を感じるのだった。

壹岐「・・・」

そんな壹岐の心を読み取ったように釘を刺す妻・佳子(和久井)。

佳子「何かありましたか」

壹岐「いや・・・何もない・・・」

もやもやした壹岐は怒りを大門社長にぶつける。

壹岐「私が立案した作戦を・・・妙な嫉妬心で妨害されるくらいなら・・・肩書きなど無用。あるいは・・・」

大門「もっと出世させろかいな・・・壹岐くんにも娑婆っ気が出てきたか・・・しかし・・・社長の座は渡せんぜ」

壹岐「そこまでは申しません(今のところは)・・・」

短期的視野では短期で終った第三次中東戦争であるが・・・長期的視野に移れば中東の火種は消えることはない。スエズ運河を挟んでにらみ合うイスラエルとエジプトは翌1968年には挑発的な砲撃戦を開始、消耗戦争と呼ばれる長期戦を続けるのである。このためスエズ運河は通行不可となっていく。事態はまだ流動的だった。

その頃、京都大学では自衛官の入学を拒否するという教育の自由をないがしろにする決意を表明。日本の防衛力の弱体化を図る日本国内のソ連軍スパイの暗躍が続いていた。

関連するキッドのブログ『第5話のレビュー

土曜日に見る予定のテレビ『尾野真千子の外事警察』『アグリー・ベティ2』(NHK総合)『志田未来の小公女セイラ』(TBSテレビ)『大後寿々花のサムライ・ハイスクール』(日本テレビ)『大橋のぞみのハッピーバースデー』『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』(フジテレビ)『貫地谷しほりの棟居刑事の黙示録』(テレビ朝日)午後九時にまたもや四つのドラマ激突。勘弁してください。

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2009年11月19日 (木)

医者である前に(藤原紀香)惚れたはれたのケダモノごっこ(本仮屋ユイカ)親が憎けりゃ子も憎い(吉田里琴)

爆笑の連続・・・キッドが今季、一番目が離せないのは「仁」でも「不毛地帯」でもなく「ギネ」だったりして・・・。

しかし、水曜日のダンスは

「相棒」19.4%↘16.6%↗18.9%・・・・・・・↘17.8%↘17.6%

「ギネ」14.8%↘11.6%↘11.1%↗12.1%↗12.2%↘*9.5%

「最終章」・・・・10.9%↘*7.0%↗12.2%↘*8.0%↘*6.7%

ポーランドに勝った男子バレーの快挙は凄いのだが10.9%である。そのために30分も待たされたらお客は逃げていく。ある意味・・・「ギネ」はそれが最初から想定内の不憫な子・・・。バカな子ほどかわいい法則発動です。

横山めぐみ、いとうあいこを投入して急降下の「浅見光彦・最終章」は編成ミスと言わざるを得ない。

「相棒」はどんなに地味でも右京さんと鑑識さんが見れればそれでいいという人は多いらしい。

で、『ギネ 産婦人科の女たち・第6回』(日本テレビ091118PM1030~)原作・岡井崇、脚本・大石静、演出・久保田充を見た。第2話25分遅れ。第4話50分遅れ。第5話10分遅れ。第6話30分遅れである。6回待ち合わせして4回遅刻してくる相手と付き合うのは我慢強い人間と言えるだろう。世の中には遅刻せずにはいられない人間というものがいて定刻通りの人間とか、待ち合わせの五分前に到着がエチケットという人間には考えられないルーズさを感じさせる。ちなみにキッドは遅刻魔だが他人の遅刻は絶対に許さないタイプでございました。この場を借りて関係各位にあらためてお詫び申し上げます。

人間は社会的な動物であり、人間関係は大切だ。その要は「約束」である。

しかし・・・「約束」にも極私的なものから道徳的なルール、そしてがんじがらめのくせに意外とザルの法律まで様々なものがある。

桧口(板谷由夏)は思う。・・・人間には不可抗力というものがある。自分が男にしてやった徳本(八嶋智人)の妻(西田尚美)の死は避けられようのないことだったと思う。医療スタッフは人事を尽くした。それでも天命が非であることがあるのが現実だ。しかし、家族を失った遺族のやりきれなさは理解できる。徳本の妻が信頼していた担当医の柊奈智(藤原)から「死因」を直接聞きたいという徳本の心を慰めることも医師としての仕事と言えるだろう。だからプライベートで徳本と奈智の対話の場をセッティングした私はなんて気がきくのだろう。そこで奈智は「手を尽くしたが力及ばず信頼に応えることができず無念です」と詫びれば徳本の心も少しは救われるはずである。それなのに・・・奈智ときたら。

「もう・・・その件については思い出したくもないのです」

おい、そりゃないだろう的空気読まない態度なのである。・・・え、そういうことになるだろうことを読めない私にも落ち度があったのではないかって・・・えー、私が悪かったって言うの・・・信じられな~い。私が悪いなんてことは100%ないから~。だって私って完璧な女なんだもん。

とにかく・・・奈智の心ない一言に傷ついた徳本は悪徳ゴロまき弁護士・岸本(半海一晃)に唆されて勝ち目の薄い医療訴訟に踏み切ったのだった。

「妻の仇は俺が討つ」という幻想が徳本の生きる原動力になったのである。徳本はレンタル店でドラマ「太陽は沈まない」(2000年)のDVDを借りて滝沢秀明気分にひたったのである。あの時優香は若かったのである。最終回20%越えも夢ではないのだ・・・妄想停止。

産婦人科主任教授・須佐見(國村隼)は顧問弁護士・瀬川(内田有紀)から二つの問題を示される。一つは瀬川の妊娠。一つは医師と病院を相手とした医療訴訟の発生である。

須佐見は妻に先立たれて子供たちもすでに家庭を持っているので・・・問題ないから「子供を生んでくれ」とプロポーズ。

しかし瀬川は「あなたと結婚するのはいいけど子供は堕胎したい。だってこの世の中に生れて幸せになる保証のない子供の親になるのはイヤなんですもの」とダダをこねるのだった。

須佐見「やくざから足を洗って法律家になった君だ。なんでもありだし、なるようになるって分ってるくせに」

瀬川「でも刺青ものがママになってもいいのかな・・・悲しいことにならないのかな」

須佐見「君は僕に神様がくれた一つ目の贈り物だ・・・二つ目の贈り物が君のお腹の中にある。エロゲでも妊婦プレーには根強い人気があるんだぜ。これは今夜は燃えるな」

瀬川「まあ」

・・・いい加減にしとけよ。

須佐見の避妊失敗で愛人関係が明らかになった教授と弁護士の夜の炎上はさておき、奈智とともに訴えられた産科医長・君島(松下由樹)は憂鬱な気分になるのだった。それに追い討ちをかけるように「訴訟のリスクは重すぎる」と離脱する部下の産科医・井本(サコイ)・・・人手不足の産科は地獄の様相を呈し始める。

個人の頑張りではなくチームワークで理想の医療を作っていこうという私の理想はどうなるの。がんばったってムダじゃない。泣きたくもなるじゃない。みんな勝手なことばっかししてどうして私の言うこと聞いてくれないの。もう、やだあ。私もやめちゃいたい~。

「そんなことされたら俺の立場がないじゃないか」と必死に君島を慰める医局長・藤木(近藤芳正)・・・ナース小山(鈴木美恵)と不倫中の藤木だが体を張っても君島をつなぎとめようと決意するのであった。

一方、院長の娘である嶋えりな(本仮屋ユイカ)は父親から「リスクの高い産婦人科は縮小したいから米国留学でもしろ」とレールを敷かれ真夜中の電話で意中の人・玉木(上地雄輔)に相談を持ちかける。「あなたが行くなって言えば行かない」と意味不明の束縛を要求するえりなだっだが、玉木から携帯電話をもぎとった玉の輿狙いの助産師・木村(映美くらら)は「私たち一緒に暮らしているので真夜中にプライベートな電話をかけてくんなって言っとくわ」と火花を散らすのであった。

ああ・・・このドラマはもはや完全に性の荒野に向かって脱線する急行列車です。

もう、お茶の間としてはいつ転覆するのかと手に汗握って見守るしかありません。

ファンタスティックというよりはエキセントリックです。

てんやわんやの病院での訴訟騒ぎの原因が自分の余計なセッティングにあったことから目をそらす桧口は全開バリバリの空元気で人材不足を埋めようとしますが体力にも限界がありふらふらに。ごめん・・・キヨタン・・・ママもうダメかも・・・という心情に・・・ドラマが違うぞ。

産科は大混乱だが、体は大人だが心は幼児の奈智は婦人科医長で女性選科のセラピスト・榎原の元で再教育という名の心の育てなおしというか、再訓練というか、調教を受けている。

柊、榎原、桧口はひいらぎ、えのき、ひのきと材木シリーズです。

これに準じるのが玉木と藤木の三角関係コンビになってます。

心の調教師である榎原は手頃な末期ガン患者の三井さやか(永井杏)の「生と死」を道具として利用。奈智の肥大化した自我と患者の死によって混乱した情緒を最適化しようと試みます。

娘の死と真摯に向き合うことのできないさやかの母の理不尽な態度こそが「奈智そのもの」と指摘された奈智は榎原の言葉の鞭で調教されつつあった心の反動で・・・理不尽な母親の犠牲としての娘さやかに同調します。

「母と娘」がかって一心同体であったように「生と死」も実は同じものである。

この真理をさやかから聞かされた奈智はいつしか「母殺しの呪縛」から解放され始めるのだった。

榎原は奈智の心を修復するために道具化したさやかをコントロールするため添い寝も辞さないのだった。

もちろん、そのためにさやかは榎原に恋をするのである。

心理も情報にすぎないため、それをコピーして複写(転移)することは可能である。

榎原のレシピは次のように展開する。

理不尽な母に殺される娘さやかというストーリー。理不尽な母と奈智の同化。さやかと奈智の同化。さやかが死を受け入れることに同意する奈智。さやかが理不尽な母を許すことに共感する奈智。これによって奈智は母を殺した自分の宿命を許容し・・・許されざる自分自身を許すことができる。

自分を客観視することができない奈智にさやかを同化させることによって「死」を擬似体験させた榎原は・・・奈智の心に吹きあれる「死への恐怖」をなだめたのだった。

しかし・・・副作用として・・・不在の父親としての恋人をさやかに対して演じた榎原はさやかに恋をされ・・・さらにさやかに同化した奈智は恋人としての父親として榎原を認知してしまったのである。

心理操作恐るべしだな。

おそらく奈智の幼児性を知らずに奈智と結婚し、子供まで設けたのにどこかで那智の幼児的癇癪玉を踏んで未だに激怒されている元夫の血管内科医・隆弘(長谷川博己)別れた妻をひそかに監視しているらしく・・・「榎原先生への恋に燃えてもいいけど自分の子供がいることを忘れるな」と哀願してまた癇癪玉を踏んでしまうのだった。

さやかの死を看取り・・・母親に主治医として「娘さんの最後の言葉は・・・ママでした」と慰めの言葉をかける能力を獲得した奈智を見て「子犬の躾」が終ったことを判断する榎原。

産科への復帰を奈智に告げるが副作用で小学生のように榎原に盲目的な恋をしている奈智は榎原の側から離れることはできないのだった。

ナースからコーヒー・サービスを受ける榎原に父親に対する独占欲的嫉妬の炎を燃やす奈智。しかし、そのコーヒーを横取りして間接キスをすることで小学生的な恋は海よりも深く充足するのだった。

「あなたと一緒に飲んだコーヒーの味」を恋の思い出として榎原への思いを封印した奈智は「徳本の妻の死以前の・・・現在に比べれば安定した自分」を取り戻す。

結局・・・榎原のカウンセリングは効果があったのかどうか不明なのであった。

いや・・・桧口に「徳本家の家族について話がある」と語りだしているので紙一重の成長は観測できるのであるな。

一方、父親の案じる通り、母親の暴走のとばっちりを受ける奈智の息子(中村柊芽)は母親譲りの表現力不足で・・・顔見知りの徳本の娘・優美(吉田里琴)に「(お姉ちゃん覚えている・・・)ものすごい医者の母親(の子供のボク)だよ」と話しかけ水を浴びせられて泣く羽目になるのである。

そういう神々のものすごい心理状態を預り知らぬ徳本は男ヤモメに蛆がわく暮らしの中で「子供にやつあたりしちゃダメだぞ・・・お母さんの仇はお父さんが必ず取るから・・・まかせておいてくれ・・・お前はいい子にしてくれよ」と甘い見通しを語るのだった。

はたして・・・優美は母のようなお惣菜屋さんになるのか・・・母の仇である奈智のような女医になるのか・・・それともやさぐれて刺青を入れたあと一念発起して弁護士になったりするのかは天のみぞ知るしこのドラマはそこまで描かないことは確実である。

ただ吉田里琴の顔の整い方は半端ないということだけがこの世の真理である。

とにかく・・・産科に復帰した奈智は何事もなかったように業務を開始。地獄にあれば鬼も仏とばかりに開放感を感じる医療スタッフ一同なのである。そして・・・奈智贔屓のえりなは面白い玩具の復帰に謎の微笑みで応じるのだった。

ギネ・・・ものすごく対象限定だけどものすごく面白いと考えます。

関連するキッドのブログ『第5話のレビュー

金曜日に見る予定のテレビ『嬢王Virgin』(テレビ東京)『仲間由紀恵のアンタッチャブル』『石井萌々果のマイガール』(テレビ朝日)『酒井若菜のおひとりさま』(TBSテレビ) 

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。

皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年11月18日 (水)

あれはウソですよ(戸田恵梨香)世界で一番バカな女にだまされる男って(松田翔太)

どんなに女がバカでもそれに騙される男がいる以上、世界一のバカは男に決まっている。

絶対で永遠で必勝法的真理なのでございます。

・・・それはお前がバカな男だからだろっ。

前作を見てないとちょっとわかりにくいのではと思える場面がありますな。

基本的には神崎直(戸田)は世界で一番バカだけど天使。

「ライアーゲームに招かれたかわいそうな人たちを救済したい」と願っている直。

直のことをバカだと思っているが欲に目がくらんで最後は墓穴を掘るのがキノコこと福永(鈴木浩介)・・・。

そして「俺には関係ない」と言いつつ結局、直のピンチを救う秋山(松田)・・・。

これが「ウソゲ」のお約束です。

おっと忘れてた。火曜日はドラマ対決の日。①「ウソゲ2」↘11.1% ②「リアクロ」↘*8.9%

昨日・・・みんなおでかけしてたのか?

で、『 2・第2回』(フジテレビ091117PM9~)原作・甲斐谷忍、脚本・黒岩勉、演出・松山博昭を見た。人間関係のふりなおしも甘いところがあるが、得点経過の描写もやや曖昧である。ひょっとしたら狙いなのかもしれないが、ゴールデンタイムではよりわかりやすさが求められるので両チームおよびゲームを運営する事務局の獲得賞金は念入りに示した方がいいだろう。

ライアーゲーム四回戦は団体戦。先鋒戦「24連想ロシアンルーレット」(24連発のリボルバー(回転式弾倉拳銃)に3発ずつ計6発の弾丸を込め、交替で発砲。発弾(空砲)で死の代償としてチップ50枚(5000万円)を相手側に支払う。)の続きである。

直「このゲームには事務局(ディーラー)の罠が仕掛けられているんです。だってファイブ・パスで流れになると事務局に3100万円回収されちゃうんです。10回流れたら合計3億1千万円でボーナス3億円は1000万円の赤字なんですよ」

秋山「そんなことはキノコにも分っている・・・それに四回戦が先鋒戦・中堅戦・大将戦の三度の勝負で争われるってことは事務局は流しを四回すれば先鋒戦の事務局回収額1億2400万円でノルマ達成なんだな・・・しかし・・・この勝負はもうキノコの勝ちなんだ」

直「どうしてですか・・・もう死んだようになっているブタ坊主こと西田さんはきっとパスし続けますよぉ」

ある意味、観察力ゲームでもあるこのゲーム。

太陽ノ王国はいくつかの観察による情報を持っている。

①弾丸は連続して装填してある。それについて月の王国にもリークしている。

ここで二つの三連発が弾倉に隠れていることが分っている。

一方、相手にリークしない情報として・・・。

②弾倉は重力によって下部に弾丸が集中する傾向がある。

弾倉は24発。頂点である一発目から最下部の13発目に線分を引くとバランスによって三連発は左右対称となる。9・10・11が三連発であった以上・・・12・13・14は不発で・・・15発目から三連発になると推測されるのである。

しかし・・・「直観力はあるが分析力がない」とキノコに断定されたブタ坊主はその事実に気がつかない。そこでキノコは15発目をブタ坊主に撃たせるために罠を張るのである。

キノコの獲得チップが214枚(2億1400万円)の時点で「2億7400万円も勝たせてもらって・・・」と嘯くとブタ坊主は「パスによってキノコがコインを稼ぐつもりの額からキノコの想定実弾装填位置を算出・・・」15発目は安全と読んで引き金に手をかける。

アウトである。これでキノコの獲得チップは2億6400万円となる。

これまでディラーが回収したのは6200万円。

残り2発を流しても・・・先手の損失額は2100万円×2で4200万円。キノコは2億2200万円を獲得できるのである。

「でっかいバカだったなあ・・・」と勝ち誇るキノコ。

しかし・・・ブタ坊主がかわいそうになった直は作戦タイム(五分)を要求する。

そして「このままだと確実に大儲けのチャンスを逃がすことになります。だから・・・二発撃って引き分けにしてください・・・」とキノコにもちかける直。

「そんな話にはのらねーっ」というキノコだったが「俺はでかいことを考えている」と直へ助け船を出した秋山の言葉に揺れる。

頭の中に膨らむ「確実に大儲け」の一言。

確実に大儲け・・・カクジツニオオモウケ・・・確実に大儲け。

キノコは二発打って1億円払い勝負は引き分けである。

この場合の獲得チップはチャラになるらしい。強調されないのでひょっとしたらキノコは1億6400万円は稼いだのか・・・とも思われ・・・このあたりの描写が弱い。

ちなみに別会場では別の四回戦でオセロの白い方ではない天才教授・葛城(菊池凛子)のチームが「24連装ロシアンルーレット」を葛城の作戦で勝ち抜いたらしい描写が挿入されるのだが説明するセリフが全くないため・・・それを読み取れないお茶の間難民が予想できる。

せっかく、変な事務局員エリー(吉瀬美智子)と前金の事務局員・谷村(渡辺いっけい)が配置されてモニターで確認しているのだからセリフにしないと無意味だろう。

ともかく・・・ムードとしては十分に楽しめるが親切設計ではないのですな。

キノコ「で・・・大儲けってどんな・・・」

直「あれはウソです」

キノコ「なんだってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

直「何を驚いているの・・・これはLIAR GAMEじゃないですか・・・えへへ」

キノコ・・・かわいいよ、キノコ。

キノコ「でかいことって」

秋山「ライアーゲームそのものをぶっつぶす」

キノコ「・・・もうかるのか・・・それ」

ともかく、若干の疑問を残しつつ、中堅戦がスタートする。

太陽の秋山 VS 月の菊池(眞島秀和)

中堅戦のゲームは「17(セブンティーン)ポーカー

ワイルドカードとしてのジョーカー1枚と各スート(スペード・クラブ・ダイヤ・ハートの四種類の絵柄)のジャック、クイーン、キング、エースの16枚あわせて17枚を使ったポーカーである。

今回の場代(アンテイー)は各500万円、どちかがフォルド(勝負を降りるか)、双方ともがチェック(勝負を回避)した場合はディーラーが回収する。

七回戦すべての回収でも7000万円であり、ディーラーの回収率は低いゲームである。

ポーカーを誰もが知っているという前提でドラマは進行していくのだが・・・これもギリギリの前提だよな。

ポーカーには二つの側面がある。

ひとつは役作りのゲームである。そういう意味ですべてのカードを使うポーカーと17ポーカーの最大の違いは17ポーカーにはブタ(役なし)がないということである。

基本的に五枚の手札で役を作るゲームだがジョーカーをのぞけば数札はJQKAの四種類しかない。ジョーカーがなければ必ずワンペアができ、ジョーカーでワンペアになる場合は必ずストレート、ジョーカーでフラッシュになる場合は必ずロイヤルストレートフラッシュになるのである。逆にジョーカーでストレートにならない場合はスリーカード以上ということになる。

さらに手札が双方に五枚配られた時点で残りは七枚。

双方が四枚チェンジをするとすでにカードは一枚不足して・・・捨て札の再利用ということになる。

ちなみにそういう意味では相手の手はかなり予測可能である。

たとえば最初の手札がAAAJKで、JKをチェンジしてJKがきた場合、すでにAAAJJKKが見えていて、相手の手および山にはAJJKKQQQQW(ジョーカー)が残されている。相手がチェンジなしならジョーカーありでストレートかフルハウス場合によってはファイブカードができているためまったく勝ち目はないのである。

もうひとつは「ポーカーフェイス」に代表される心理戦の側面である。

ポーカーフェイスは無表情の代名詞であるが・・・練習試合での直VSメッシュ菊池のように「勝てると読んで強気の直」に対して「勝てると読んであえて弱気のメッシュ」というように欺瞞の表情を作る場合もある。

無表情と演技のどちらが作戦として正しいのかはギャンブラーの資質によって違うとこの場合は申し上げるが・・・長い目で見てポーカーフェイスが無表情になっていくのは演じることにギャンブラーたちが疲れ果てるからだと妄想できるのである。

ギャンブルは表裏を当てるゲームだが・・・「弱気の演技」が「本当に弱気」なのか「弱気を装っている」かもまた表裏なのである。

「弱気だが強気だと見抜く」「弱気だが強気だと見抜かれると分っているので強気」「弱気だが強気だと見抜くと分っていて強気だと見抜く」「弱気だが強気だと見抜かれると分っているので強気だと見抜かれると分っているので強気」とどこまでも深く読みあっていくので疲労度も果てしないのです。

ポーカーフェイスは「虚実にどちらでもない」という選択肢をくわえ三択になっているとも言えるし、相手の表情なんて関係ないという態度でまったく選択に影響しない結果を招くとも言える。

そして勝負は「勝てるとき」にベット(掛け金)をつりあげ、「負けるとき」に最低限の失点で降りることが大切になるが・・・勝てると思ったときに大敗するリスクがつきまとうことは言うまでもないのだった。

練習試合の直は手作り的にも心理作戦でも負けるべくして負けるのだが・・・メッシュはさらに奥の手を持っているらしい。

17ポーカーに絶対強い職種ってなんだろう。マジシャン?・・・それとも17ポーカーのプロ選手・・・。

とにかく・・・メッシュは好きな場所にジョーカーを招聘できるテクニックを獲得しているのである。

二勝した秋山だが・・・前途は多難なのである。とにかくこれも勝敗の決し方についてのルールが曖昧。最後にチップが多い方が勝ちってことでいいのかな?

関連するキッドのブログ『第1話のレビュー

木曜日に見る予定のテレビ『傍聴マニア』(日本テレビ)『その男、副署長』『交渉人THE NEGOTIATOR』『飛鳥凛と原幹恵のラストメール』(テレビ朝日)『ROMES/空港防御システム』『グイン・サーガ』(NHK総合)『不毛地帯』『サマータイムマシン・ブルース』(フジテレビ)なぜ・・・この季節に・・・。

ところでSPAMコメントが一日50件を越えたのでしばらく、承認制度に移行します。皆様には不自由とご迷惑をおかけして本当に申し訳アリマセン。

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2009年11月17日 (火)

手のひらを太陽に(綾瀬はるか)仁は触診(大沢たかお)暗闇でバッサリ(中谷美紀)

ああ・・・またも勘違いしていた・・・西洋医学所は本郷にあるものだとばかり思っていたのに・・・神田お玉が池にあったのだ。キッドがそう書いたので本郷にあると信じた皆さん・・・ごめんなさい。

神田お玉が池は現在の岩本町あたりと考えられるので神田川を挟んで医学館(漢方医学)のあった神田佐久間町とは近所になる。

「医学所の近所にある医学館」というセリフがなかったらずっと間違えたままだった。

神田川には西から昌平橋、万世橋とかかり、現在の昭和通りにかかるのが新橋である。

最初に勘違いした相生町(実は本所相生町だった)のかたわれ神田相生町の昭和通りを挟んだ東側が医学館のあった神田佐久間町。そして新橋で神田川を渡ると神田岩本町である。

日比谷線秋葉原駅と都営新宿線岩本町駅は連絡していないのだがキッドは昔、よく秋葉原で下車して徒歩で神田川を渡り岩本町駅で乗り換えをしていた。とある場所に遅刻しそうなときにもっとも近道だったからである。知らずに医学館と医学所をつなぐ道を歩いていたのだなぁ。

神田お玉が池には千葉周作の道場もあったわけだが、伊東玄朴が種痘所を開いたのもこの地である。そしてそれがそのまま西洋医学所になったわけである。西洋医学所は東大医学部(加賀前田屋敷跡)の前身なので本郷にあるとばかり思いこんでいました。思い込みって恐ろしい。

これで咲の家(湯島)→医学館(秋葉原)→神田川を渡る→医学所(岩本町)というルートである。渡らないで東北方面に歩いていくと吉原大門(浅草寺裏)にたどりつきます。

だから・・・どうした・・・ということですが・・・キッドが「仁」で一番楽しいのはこの部分なのです。

・・・と思っていたらice様からのコメントで西洋医学所は1858年に火事で神田和泉町にお引越ししたとか。

神田和泉町は現在では神田平川町をはさんで神田川の佐久間町側。キッドの関係者が入院していたこともある三井記念病院のあるところではないですかーっ。またもや脳内地図変更・・・右往左往です。楽しーっ。

本題に入る前に恒例の週末の視聴率チェック。「アンタッチャブル」↘*7.6%(安定しないのは演出のせいだと思う)、「舞妓Haaaan!!!」12.2%(いや・・・これか・・・やはりワクか)、「おひとりさま」↘*8.7%(コレもくわれてるしな)、「マイガール」↗*8.2%(こっちはあがってるし)、「小公女セイラ」↘*6.0%(もはや小公女ではないからな)、「サムライハイスクール」↗10.6%(ねばっています)、「外事警察」*6.6%(かわいい視聴率キターッ)、「新・美味しんぼ」11.7%(グルメものも限界か)、「ヤメ検の女」14.3%(賀来千香子の勝利か・・・ドラマ合計43.2%もあるんですけど)、「天地人」↘21.7%(もう・・・最後までか)、「JIN~仁~」↘20.2%(連続20%越えキターッ)、「観月ありさのサザエさんSP」20.9%(はーい、サザエでございます・・・長谷川町子凄すぎる)、ついでに「東京DOGS」↗17.1%(2位をキープ)、「相武紗季の1969年のオヤジと僕」*9.5%(タイムスリップすればいいってもんじゃないんだよね・・・堤下は整形しないと西ヤンになれないし・・・相武が泉ピン子になるのはあんまりだろ)・・・以上。

で、『JIN~仁~・第5回』(TBSテレビ091108PM9~)原作・村上もとか、脚本・森下佳子、演出・山室大輔を見た。前回は過去の人々のどうしようもない苛酷さを描いたわけだが、今回は現代人のとりとめない生への執着を描くのである。くさくなりがちの主題をものすごく上手に料理している。なんだか・・・超常現象のようなはまり方だ・・・こういうことってあるんだようなぁ。

「こちらに来てから半年がたった」と仁(大沢)は語るのだが、今がまだ文久2年(1862年)なのか・・・それとも文久3年になったのか定かでないところが油断できないのだな。

文久2年には伊東玄朴(小林勝也)は医学所取締(頭取)である。シーボルト(18世紀生まれのドイツの博物学者)の弟子で仁が来江(タイムスリップして江戸に来る)前の文久元年にはクロロホルム麻酔による脚部切断手術を成功させている。

一方、松本良順(奥田達士)はポンペ(19世紀生まれのオランダの軍医)の弟子である。

松本良順は伊東玄朴より30歳年下の江戸っ子である。良順は養父の良甫も蘭方医で奥詰医師だった。松本家は一時改易されたが本来奥医師の家系である。農民出身で佐賀の田舎者の玄朴に師事することにはいろいろと葛藤があるわけである。

伊東玄朴は江戸の蘭方医の元締めのような立場にあり、そこにいたる課程には幕府の奥医師(将軍の侍医)の主流を閉める漢方医・多紀一派との確執があった。しかし、将軍家定の脚気治療に際し蘭方漢方の協力体制が故・井伊直弼によって可能となり、奥医師は医学所(蘭方)と医学館(漢方)が両立する体制となっている。

緒方洪庵(武田鉄矢)は玄朴より10歳ほど年下で大坂で名を馳せた蘭方医である。洪庵は幕府の要請により仁が来江する直前に江戸に出てきたのである。

洪庵を招聘したのは玄朴と言われるが、東の玄朴、西の洪庵と称せられる蘭方の二大巨頭の顔合わせに松本良順が噛んでいると考えるといろいろと妄想が膨らむわけです。

松本良順は文久2年に医学所頭取助になっている。文久3年に玄朴が失脚し、医学所取締の任を解かれ、洪庵が頭取に。そして文久3年夏、洪庵が急死(享年54)して良順が三代目頭取に就任なのである。実に怪しい成り行きなのである。

つまり、幕末の江戸の医学界では医学館派(漢方)、医学所伊東派(蘭方)、医学所松本派(蘭方)が火花散る権力闘争を展開していたのである。

そこへ登場した新参者の秩序破壊者が仁なのである。

洪庵が仁に心を寄せたのは・・・権力争いの板ばさみで心が疲れているときに、純粋に医学の新境地を示す仁が輝いて見えたからかもしれない。ただし・・・仁は別に情熱に燃えていたのではなく・・・ただ江戸時代のみんなが知らないことを知っていただけなのである。

難病を治療し、正体は不明。新しいものが大好きな江戸っ子たちは仁を「南方大明神」ともてはやし、霊験あらたかな御札まで売り出されるのである。

その噂を聞きつけ・・・医学館の総裁・多紀元琰(相島一之)は漢方医・福田玄孝(佐藤二朗)を医学所に遣わし、仁を召喚しようと目論む。

しかし、医学館との確執を抱える医学所としてはそう簡単に貴重な先進医療を持つ仁を医学館に見せることはできず、拒絶する。使者である福田の困惑を見かねた仁は「行きます」と承諾してしまうのだった。面子をつぶされて鼻白む頭取・洪庵、頭取助・良順。しかも医学館は仁に危害を及ぼす恐れもあった。

たまたま居合わせた勝海舟は弟子の坂本竜馬(内野聖陽)と旗本無役の恭太郎(小出恵介)に仁の用心棒を命じる。

一方、吉原花魁の定期健診に医学を志すものとして参加した咲(綾瀬はるか)は野風(中谷美紀)の顔を見て放心してしまう。

「うらやましいのです・・・(仁の恋人とそっくりの)お顔が・・・」

野風は笑ってうけながすが・・・仁に対する咲の思いを赤子の手をひねるように察知するのだった。その純情な咲の心を野風は野の花のような可憐さとしてうけとめる。野風にとっては武家の姫である咲のすべてがうらやましいのである。

医学館を訪れた仁は多紀総裁から激しい問責を受ける。「記憶が定かでないものに医療を行わせるなど不謹慎」という追求に言葉をつまらせる仁。助け舟を出した恭太郎も理詰めで負けてしまう。

そこで竜馬は「それは幕府の機密じゃ」とホラを吹いてケムにまくのだった。

唖然とする空気の中、緊張に耐えかねた福田が腹痛を訴えて七転八倒を始めるのだった。

簡単な問診と触診によって「胃穿孔」と診断する仁。ただちに手術である。

誤診だったら切腹という約束の中、手術道具を持参した咲と佐分利(桐谷健太)を助手として麻酔による開腹手術を行う仁。

手術中・・・はじめての内臓目視に失神寸前になる咲。しかし・・・佐分利は平気で立ち会うのだった。

「お役にたてなかった・・・」と落ち込む咲。兄の恭太郎も竜馬のような臨機応変の対応ができない自分に「俺だって・・・」と落ち込むのだった。ああ・・・純情旗本兄妹・・・健気です。

佐分利がはじめての手術に対応できたのはご法度の腑分け(違法解剖)をしていたからだった。病死した遊女の遺言で「薬代としての献体」の約束があったというのである。

しかし、何者かの策謀によって死体の発見された佐分利の刻印入りのメスが発見され・・・佐分利は奉行所の取調べを受けることになった。

佐分利「そうでもしないと・・・医術は進歩しないではないですか・・・」

洪庵「それならば声を大にしてお上に腑分けの必要性を説くべきではないか」

洪庵は合法的な発想で佐分利の非合法を叱るのだった。

そして、弟子の監督責任を理由に医学所から身を引くことを覚悟する。

しかし・・・「佐分利をそそのかしたのは私です・・・私が身を引きます」と申し出る仁。

「そんな・・・仁さん・・・ここは私が」

「いいえ、洪庵さんにはいつもお世話になってますから・・・ここは私が」

などとレシートの押し付け合いの一幕があって・・・坂本竜馬が爆発。

「なにが・・・ええのじゃあ。仁ちゃん・・・人がいいのにもほどがあるきに。人間、どんなきれいごとを言ったって根本は欲じゃろう。金が欲しいのも欲なら、病気を治したいのも欲・・・じゃきに・・・仁ちゃんときたら・・・ギラギラしているところがちっともないんですもの。仏様みたいなんですもの・・・それじゃ・・・人としては死人と同じみたいなの」

竜馬の直感が冴え渡る。未来からやってきた仁にとってはすべて夢の中の出来事のようで実感がなかったのである。

「だってさ・・・神様あつかいされたり・・・勝海舟とか坂本竜馬とか歴史的な有名人と気軽に話したりとかさ・・・とても本当のこととは思えないんだもん・・・実は瀕死の重傷で病院のベッドの上で夢を見ているだけだったりしてさ・・・」

そんな人生他人事の仁に危機が迫っていた。

花魁仲間から「仁をなき者にする」という相談がお座敷でされていたと聞かされた野風。

一言危機を知らせたくても吉原大門からは一歩も出られぬ買われた女の身である。

野風は咲に手紙を書きおくり仁の無事を祈るばかりだった。

「わちきは咲さんがうらやましい。好いたお方のお側にすぐに飛んでいけるあなた様が・・・」

仁の身の危険を知った咲は走り出したら止らないのだった。

一方、竜馬の護衛も遠慮して医学所からお出かけ中の仁。人気の無い場所でついに刺客が姿を見せる。

白刃を前に茫然自失の仁を間一髪救い出す咲。

命拾いをした仁は手の震えが止らない。

「死ぬのがこわくないなんて・・・勘違いだったんだ・・・こんなに恐ろしいなんて・・・」

「当たり前でございます・・・南方先生は生きておいでなのですから」

そういう咲の手も激しく震えるのだった。

何故・・・そうなったのか・・・マジックアイテムの未来の未来(中谷・二役)の写真は一回前に戻っていた。前々回(ジュースのみ)、前回(ビールとバーベキュー)、今回(ジュースのみ)なのである。これは医学所から身を引くことが医学の異常進化に歯止めをかけるというサインなのか。

「一歩後退か・・・」となんとなく感じた仁は落ちていたのか、ふところからかは定かではないが10円玉を発見する。

しかも・・・それは平成22年(来年)発行の10円玉だった。

まったく意味不明のまま、ただし最高のボルテージで・・・つづくである。

関連するキッドのブログ『第5話のレビュー

水曜日に見る予定のテレビ『相棒』(テレビ朝日)『浅見光彦・最終章』(TBSテレビ)『本仮屋ユイカのネギ・産婦人科の女たち』(日本テレビ)

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2009年11月16日 (月)

雪が降る恩顧大名は来ない天地人(妻夫木聡)むなしい夢(深田恭子)白い涙(川島海荷)

苦笑のしすぎでシワが増えたと評判のこの大河ドラマもいよいよ大詰めである。

もう最後の最後までなんじゃこりゃのネタがつきないというのはある意味天晴れである。

ただひとつ言えるのは淀の方(深田)、千姫(川島)という伯母姪にして嫁姑コンビは歴代史上最高の萌えキャスティングでございました。

で、『天地人・第46回』(NHK総合091115PM8~)原作・火坂雅志、脚本・小松江里子、演出・片岡敬司を見た。例によってシナリオに沿ったレビューはikasama4様を推奨します。今回もあらすじは五行ですが最後の一行は団結の言葉です。見回せば周囲は疲れ果てトホホの種もつきたブロガーばかり・・・おのおの方・・・もはや仕舞いでございます。心を一にして高視聴率を盾にスペシャルまでしでかすこの遠慮知らずのスタッフの乱暴狼藉に耐えましょう。神は乗り越えられる試練しか与えないそうですからーっ。それにしても上杉・直江主従の最後にしてほとんど唯一の勝ち戦をまったく描写しないって・・・凄いの一語につきる。そういえば豊臣傘下で戦った関東辺境戦も描写しなかったし、越後内戦の描写もほとんどなし、朝鮮戦役もなし・・・これほど戦不足の戦国絵巻がかってあっただろうか。家康に蹴り飛ばされ悔し涙の福島正則・・・やはり物語の原動力が大坂人の怨念としか思えませんねん。そんなに口惜しかったのか・・・大阪に生れたことが。東京にはようついていかんなのか。まあ・・・とにかく大河ドラマの歴史に暗黒の一年を加えて・・・残り一回。これを過ぎれば素晴らしいことが待っている予感がします。皆様、臥薪嘗胆、艱難辛苦に耐えましょうぞ。

Tenchijin161401 時は流れて慶長19年(1614年)である。本編では冬・夏を一挙に駆け抜けるが来週は回想シーンの嵐かもしれないのでここでは大坂冬の陣を前編としておきます。紆余曲折あって結局、東西手切れとなるのだが、つまるところ、大坂方は反乱軍である。家康はそういう手続き上のことに手抜かりをしないからだ。征夷大将軍・徳川秀忠の命に背く豊臣秀頼を成敗するというのがこの戦の名目である。武家にとってこれ以上の「義」はなく・・・天下の大名はすべて徳川家に従った。対する豊臣家に味方するのは取り潰せされあるいはリストラされた浪人衆である。その兵力は徳川20万人に対して豊臣10万人であった。しかし、豊臣勢は難攻不落の大坂城に篭城し徹底抗戦を叫ぶのである。

この時、家康はすでに70歳の坂を越えていた。永禄元年(1558年)今川義元配下として織田側の寺部城攻めを初陣として以来55年の戦歴を持つこの老将は「野戦は得意だが城攻めは苦手」と評される。しかし、秀吉配下として小田原城を攻略したのは実は家康である。兄と奉る信長(家康は信長の娘の舅)、秀吉(家康は秀吉の妹の夫)の配下として戦国を終焉に向かわせた稀代の英雄にとって孫婿である21歳の豊臣秀頼は敵としては全く役不足であった。なにしろ・・・秀頼はこれが初陣なのである。

江戸城で大御所よりの大坂攻めの陣触れを受け取った将軍・秀忠は老中・本多正信を振り返った。

「この期におよんで戦とはの・・・佐渡守(正信)よ・・・見通しを述べよ」

「まずは・・・この度は叛徒を鎮西せしめ・・・将軍家の戦の誉を残すためのことと判じまする」

「ふ・・・父上は我に手柄をくだされるおつもりか」

「御意。此度は遅刻厳禁ですな」

「しかし・・・大坂の城は簡単には落ちまいて」

「古来・・・篭城とは援軍ありてはじめて利あるもの・・・いかに名城ありといえども孤立無援ならばやがて日干しになることこれ理にて候」

「しかし・・・長引けば・・・費用がかさむであろう」

「これは佐渡守の私見にて候えども・・・まずは大坂の城をお囲みになり一戦これあり」

「ふむ」

「すでに大御所においては攻城砲を西洋より多数購入してございますればアウトレンジ(敵の射程外)にて威圧砲撃をなされまする」

「なるほど」

「敵方の弾薬尽きせしおりに和議を申し込めば敵方は烏合の衆なれば渡りに船とあいなりましょう・・・ここで一旦、休戦し・・・大坂の城を廃棄せしめまする」

「堀を埋めるか・・・」

「御意・・・後は相手次第となりましょう」

「姉上(淀の方)は折れてくれるかのう・・・」

「さて・・・そればかりは・・・それよりは千姫さまのご心情が慮れるばかりにて」

「ふ・・・姫は好きにするであろう。生きたければ一人で抜け出してくるであろうよ・・・あれもまた生まれついてのくのいちなれば・・・さて・・・将軍として陣触れを出さねばならぬ・・・土井などを呼べ」

「畏まって候」

秀忠主従の予想通り・・・将軍の命に異を唱える大名は一人もなく、北は南部から南は島津まですべての大名が大阪城攻めに参加した。そのために大坂城周辺は大混雑となっていた。

大坂はすでに冬であった。日によっては雪が舞う季節である。淀の方と秀頼そして千姫の三人は本丸天守閣から四方を見回す。

「ふふふ・・・身を切る風が冷たいの・・・天下泰平で身の鈍った者どもにはさぞや野陣はこたえるであろう」

小谷城落城から北ノ庄城落城そして攻め手としての小田原合戦。幼き頃より城攻めに慣れ親しんだ淀の方にとって守るも攻めるも城攻めそのものは故郷に帰ったような懐かしさをかんじさせる。

21歳の秀頼も17歳の千姫もはじめてみる戦に目を輝かせている。

「しかし、大御所様(家康)は茶臼山に御殿をお築きなされたとか」

「おう・・・南の方に見えるであろう・・・あの灯がそうよ」

と若い夫婦は南の窓から彼方を見る。

「家康も齢七十を越え、冬の戦は身にこたえるであろうからな」

「殿(秀頼)、お父上(秀忠)の陣所はどこでありましょうや」

「将軍家は岡山に陣を構えているそうだ・・・それ真田丸の楼が立つ先を見よ。あの先に見える灯があろう・・・篠山の奥の方じゃ・・・」

淀の方は仲睦まじく無邪気な息子夫婦に思わず微笑んだ。十余年ぶりの戦に心は浮き立ち忘れていた何かを思い出したような心地である。

その頃、京街道を南下した上杉軍は大坂城の東側にある今福砦、鴫野砦の攻略を命じられていた。上杉軍は五千の兵力を持ち、与力として佐竹義宣軍1500を伴っていた。目付けとして榊原康勝が軍監兵300ほどを率いて同行している。

榊原康勝は榊原康政の三男である。時は過ぎ去り徳川四天王と呼ばれた勇将たちもすべて他界している。その中で戦場を支配する家康は普代大名たちを外様の軍団の目付けとして配している。上杉軍と前田軍の中間には関ヶ原合戦以前に逝った酒井忠次の一子家次が配置されている。大坂城の南側正面に突出した真田丸に対峙する前田軍1万2000の西側には井伊直政の次男・直孝が配置されている。その反対側、大坂城北方には最後まで豊臣方に臣従していた老臣・片桐旦元の陣があり、その目付けをしているのは本多忠勝の嫡男・忠政である。

対岸に佐竹軍を残し大和川の上流を渡河した上杉軍は戦列を整える。

すでに前哨戦は始まっており、五日前には蜂須賀至鎮・浅野長晟・池田忠雄という豊臣恩顧を代表する三軍が大坂城西南の木津川口砦を襲撃し、これを奪取している。守将は明石全登だったが城内に呼び出され留守だったと言われる。

とにかく先端は開かれ・・・前線に緊張が高まったのである。

それを受けての今福・鴫野攻略戦だった。関ヶ原の手痛い敗北以来、上杉・直江主従は戦忍びとしての訓練を重ね・・・ついに秘術を編み出していた。

大和川の南の森に潜んだ上杉景勝は直江重光の呪言を聞きつつ、座禅を組んでいた。

「・・・おんあびらうんけんばざらだとばん・・・なうぼうあきゃしゃきゃらばやおんありきゃまりぼりそわか・・・おんあぼきゃべいろしゃなうまかぼだらまにはんどまじんばらはらばりたやうん・・・」

景勝が渇と目を開くと軍神が降臨した。重光は景勝に憑依した謙信の気配を肌で感じる。

「与六・・・久しいの・・・」

「お屋形様・・・」

「ふふふ・・・戦の世もこれで仕舞いじゃ・・・最後に一働きするのも一興じゃ・・・」

三重の柵を組み、正面を守っていた大野治長配下の鴫野砦鉄砲隊は薄明の東の空に怪異を見る。

「あれは・・・なんじゃ」

「毘沙門天ではなかろうか」

巨大な仏像が森から姿を見せ陣地に迫ってくるのである。

「目くらましじゃ、撃て、撃て」

恐慌に襲われた砦からは上空めがけて発砲が行われる。その隙に地を這うように接近した上杉の鉄砲忍びは柵前に迫っている。目前から狙撃された大坂方の鉄砲衆は血しぶきをあげて叫ぶ。いつのまにか結ばれたのか柵には縄がつながれ、上杉の力士忍びが力任せに引き倒す。その柵の隙間より足軽勢が乱入する。

混乱した砦の兵は上杉勢が第三の柵に取り付いたところで漸く体制を立て直す。

柵を挟んで超接近戦となった銃撃の応酬である。

鬼神の乗り移った上杉兵は死もおそれず突進し、柵を素手で引き抜く怪力ぶりを見せる。

大坂城内で砦の危機を看破した後藤又兵衛基次は手勢を引き連れ大和川に軍船を出す。北岸では今福砦が佐竹軍の急襲により出火している。

後藤又兵衛は後方から木村重成の軍船が続くのを見て、今福砦側に渡河する。

木村重成は鴫野砦後方の猫間川を大坂方の渡辺糺が率いる一万の大軍が渡るのを確認して後藤に続く。

鴫野砦を占拠しつつあった上杉勢は城方の増援が接近しつつあるのを察知すると、虎の子の騎馬鉄砲衆を押し出した。猫間川を渡りさらに平野川の浅瀬を渡りつつあった渡辺軍は突然あらわれた300ほどの騎馬武者に銃撃され、出鼻を挫かれる。しかし渡辺軍は数を頼みに鴫野砦に殺到する。

どよめきがあがり、新たなる騎馬武者が上杉勢の中央から躍り出る。

「上杉景勝見参」

景勝自ら槍を構えて突撃すると精鋭をそろえた旗本騎馬隊は渡辺隊の足軽衆を寸断する。

一瞬で敵を蹴散らした騎馬隊が潮が引くように交替すると上杉鉄砲隊が前進して渡辺隊に一斉射撃を加える。渡辺糺は声をあげて兵を叱咤するが浮き足立った大坂方は退却の気配を露わにする。

そこへ再び上杉騎馬隊が突進する。

「見たか・・・これが上杉の軍法ぞ」

鉄砲隊を鼓舞しつつ直江重光は叫ぶ。景勝の率いる騎馬隊と重光の率いる鉄砲隊は芸術的な連携で倍する敵軍を粉砕した。

今福砦に上陸後、佐竹軍を押し戻し、戦況を有利に導いた後藤・木村の連合部隊は対岸の鴫野砦が制圧されたことを知るや退却を決意する。

上杉景勝が渡河を開始すると後藤・木村の軍船はすでに退いていた。

「ふふふ・・・さすがは後藤又兵衛・・・引き際も見事なことよ」

夢から醒めたように我にかえった景勝は今福砦で佐竹軍と合流し・・・勝鬨をあげる。

戦国時代の終盤を彩った上杉軍団の最後の戦いは終った。

殺戮の限りを尽くした上杉軍団の戦ぶりに城方は沈黙した。

着実に大坂城を包囲しつつあった徳川勢は・・・城方に圧力を加えるために南方に突出した真田丸を奪取する作戦を開始した。

豊臣方で淀の方を除けば唯一、忍びによる諜報網を持つ真田信繁(幸村)はその報を忍びから受け取る。すでに家康の本格的な城攻めは迫っており、各所で地下道掘りが始まっていた。

「ふふふ・・・そろそろ・・・目にものをみせてやろうぞ」

信繁は真田鉄砲忍びに命じ、根来忍者とともに真田丸前方の篠山砦から徳川勢に挑発射撃を行う。大阪方の最前線である篠山砦から前田勢が陣を構える水野砦へ猛射が打ち込まれる。徳川方は鉄砲避けの鉄盾を配備していたが、隙間を狙う根来の忍び鉄砲に犠牲者が続出する。

水野砦後方の岡山の将軍本陣で秀忠は前田利光(利常)に篠山の奪取を命じる。

前田陣では元の直江勝吉で今は前田家家老・本多政重が名乗りをあげる。

本多は夜襲の名手であった。雪の舞う夜の闇に潜んで本多隊は篠山に向かう。その本多の目に見目麗しい女の姿が映る。

「おっ」とその怪しさに心が動いた瞬間、本多政重はくのいち望月六郎太の乱心法女淫の術にかかっていた。

本多隊の目指した篠山砦はすでにも抜けのからであった。しかし、本多隊は篠山占拠という初期目的を忘れたように前進を続ける。その動きを見ていた前田の別の諸将は新参者の本多に抜け駆けされるのを恐れ無許可で前進を開始する。

前田の各隊にはすでに真田の忍びがまぎれこんでいる。彼らは巧妙に前田諸隊を誘導する。

前田隊が突然、前進したのを受けて、古田隊、脇坂隊、寺沢隊などが連動して動き始める。ついには軍監である井伊直孝隊までもが引きずられるように夜の闇を進軍し始める。

先頭を切った本多隊を率いる本多政重は坂を下りると天女のような美女が裸体をさらしているのを発見した。政重は甲冑をつけたまま、女の横に寝そべる。女が政重の下腹部に手を伸ばすとえもいわれぬ快感の波が政重を包むのであった。

夜が明けたが一帯は怪しい霧に包まれていた。徳川諸隊は前進をやめ・・・霧が晴れるのを待つ。やがて霧が晴れるとおよそ2万の徳川軍が大坂方の銃眼に見下ろされた空堀に収納されていることが判明した。

真田信繁の目に獲物を捕らえた漁師の喜悦が浮かぶ。

「撃てーっ」

真田丸を始め、大坂城南側の守備陣から一斉射撃が開始された。空堀に詰め込まれた徳川軍は身動きも出来ず堵殺される。

事態を知った秀忠は松平忠直、藤堂高虎、伊達政宗らに救援を命じるが大坂方の猛射はやまない。真田丸は立体的な長篠の戦再現装置であった。七階建ての塔の各層が交互に発砲する鉄砲忍びで満載され、三方向に連続的な猛射を加えるのである。

しかも鉄砲忍びの持つ銃は真田科学忍びの開発した鉄盾を打ち抜く「熊殺し」であった。

殺戮の成果として空堀は徳川軍兵士の血液で満たされ始めた。

退却の時間を稼ぐために援護射撃を行う徳川の鉄砲隊が射殺される始末であった。

「そろそろ仕上げにかかるかの・・・」

真田鉄砲忍びの頭筧重蔵は真田丸上方の鉄の観音扉を開く。現れたのは真田科学忍びのからくり術の粋を集めた機関砲「鬼殺し」だった。救援にやってきた徳川勢は鬼殺しの連射でなぎ払われる。

徳川勢は壊滅的な打撃を食らう。

茶臼山の湯殿で入浴していた家康は報告を聞き「さても真田の忍びは恐ろしきものだがや」と嘆息したという。

その頃、空堀の中で味方の死体に埋もれた本多政重はうっとりした表情を浮かべ何度目かの絶頂に達し甲冑の下で褌を汚していた。

関連するキッドのブログ『第45話のレビュー

火曜日に見る予定のテレビ『ライアーゲーム・シーズン2』『リアル・クローズ』(フジテレビ)『ケータイ刑事銭形命』(TBSテレビ)

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2009年11月15日 (日)

こうして私は第四の課員になったのです(尾野真千子)始発待ちのプリンセス(志田未来)偽者の巻(三浦春馬)

さて・・・困りましたな。もはや「小公女」ではなく少女時代の怨みで子供を虐待する中年女性と貧乏な中卒男女の恋物語と化している「セイラ」と・・・「暴力」ですべてを解決するくせにいろいろと説教したがるヤクザの親分みたいな傾向を示してきた「サムライ・ハイスクール」・・・。どちらもつまらないわけではないけれどキッドが見てスカッとする話かと言うと・・・そうではなくなってしまったなぁ。二つともベテラン作家でそつなくまとめているけれど・・・趣味とか主張のゴリ押し感がたまらなく漂ってきて・・・うざいのである。

第一に、志田未来と大後寿々花のムダ使いという「どうしようもなさ」が匂い立つ。

困ったもんだ。

それに対して「外事警察」はネチネチとハードボイルドです。

し、しぼりきれん。

で、『小公女セイラ・第5回』(TBSテレビ091114PM0756~)原作・フランシス・E・H・バーネット、脚本・岡田惠和、演出・金子文紀を見た。謎の学園・聖ミレニウス女学院の修学旅行のために一人で留守番を担当することになったセイラ(志田未来)だったがカイト(林遣都)に誘われ里帰りについていってしまう。修学旅行が終る前に学園に戻るつもりだったがアクシデントで終電をのりすごしてしまう二人。田舎の駅のベンチで夜明かしをした後でカイトはセイラの額にこっそりキスをするのだった。カイトはこのまま駆け落ちしようと誘うがまさみ(岡本杏理)に上高地のおみやげを買って来てもらう約束をしたセイラは拒絶する。のこのこと朝帰り状態のセイラを院長先生(樋口可南子)は問答無用ではりとばしセイラは屋上までふっとんだのである・・・いい加減にしとけよ・・・だってそういう話なんだろう。

関連するキッドのブログ『先週の土曜日のレビュー

で、『サムライ・ハイスクール・第5回』(日本テレビ091114PM0915~)脚本・井上由美子、演出・狩山俊輔を見た。ステータス(社会的地位)というものがあるとして、このドラマがそれについての寓話であることは間違いない。ステータスには階級闘争がつきまとう。より高い地位を目指して競争社会が形勢される。地位はひとつには経済的な優位性で示される。経済的な優位を占めればたとえば高度で先進的な医療を受けられるというように生物学的な生存に有利であるし、また最新流行の生活を享受できるなどの楽しみも生じる。しかし、競争社会である以上、誰もがその地位を確保することはできない。安定した社会では富裕が相続されるように貧困も相続され、上流と下流の軋轢が生じるのが自然の成り行きである。第二次世界大戦後に出発した日本国は中流の厚みを増すことでこれを緩和し続けてきたが、世界的な下流階級の台頭により日本国の占めるうまみは相対的に減少し、中流の閉める割合は減少。ひとつかみの特権階級とほとんどの下層という幻想を大衆に抱かせるようになっている。このために学業において高級官僚となるか特技においてスターになるかしか「幸福」が約束されない若者たちの心はすさんでいくのである。このドラマはだから石川遼みたいな高校生プロゴルファー結城(小柳心)はちょい悪で、特待生だけれどJリーガーになれなさそうな高校生サッカー選手・岩永(賀来賢人)は小悪党として描かれる。志望大学合格率ランクDの小太郎(三浦春馬)は踏みつけられても耐える小心者だがある日突然、定規で人を斬り始めるのである。警察につかまったら・・・「心の中で別の誰かが目を覚ます」という人がいるのはこういうことなのだな。それでももっとも基本的なセーフティネットという名の家庭でぬるま湯につかっていた望月一家を父親リストラの嵐が襲うのである。まさにお家の一大事なのだが・・・それは戦国時代というより江戸時代の話である。ひとにぎりの異常者のために社会で子供を育てるなどという恐ろしい発想をする与党が支配する国家となった日本国の将来が非情に危ぶまれるのだな。

で、『外事警察・第1回』(NHK総合091114PM9~)原案・麻生幾、脚本・古沢良太、演出・吉村芳之を見た。NHKは木曜日に続いて土曜日もテロリストの影と戦う人々のドラマである。なんだかそういう気分なのか。「坂の上の雲」から明石元二郎の活躍を割愛することの反動なのか。それとも単純な謀略なのか妄想の膨らむところである。

そもそも日本放送協会とは情報機関の一種である。総務省が所管する法人であるので早い話がNHKの職員は全員、総務省のスパイであると言っても過言ではない・・・過言そのものだろがっ。

情報機関とは情報を収集し分析し総括する機関であるのだから報道機関はすべて情報機関なのである。

その職員がスパイと呼ばれないのは情報機関の上に秘密がつかないからであろう。

だからNHKの中に秘密情報機関がありその職員がスパイであるというのは過言にならないだろう。そういう機関があるのかどうかは秘密なのである。

人間には秘密がつきものである。家族に秘密にしていることなんてあるのが普通だし、倉庫を管理するものは秘密厳守を強要されてつい告発雪印乳業を解散に追い込んだりするわけである。みんなで実弾発射しにいって爆死したりして家族には内緒だったりするのである。つまり・・・警察にも秘密警察があってもまったく不自然ではないのだな。

で、それが外国からの脅威とかに敢然とたち向かうヒーローたちならエンターティメントなのである。もちろん、接待や慰安のために秘密にプールされた資金を守るための秘密を暴くのもそれなりにエンターティメントなのである。

しかし・・・警察職員が温泉に行くための積立金を守る秘密警察はみっともないが外国人テロリストと戦う秘密警察はなんだかかっこいいのである。

もちろん・・・汚れ仕事であるのでそれを誰もがかっこいいとは思わないのがミソなのである。

人間は泥縄・・・泥棒を捕まえてから拘束するための縄をなう・・・を愚かと思うわけだが、一方で他国からの侵略を防衛するための武装を無駄と決め付けたりもする。

100万人を殺そうとしているテロリストを射殺すれば人殺しとののしることも辞さない。

なぜなら・・・100万人は殺されていないし、テロリストは殺されたからである。

結局・・・すべては妄想の戦いである。100万人を救うために一人を殺す人々にも苦渋はあるのだろうか。おそらくあるものは沈黙し、あるものは苦しみにたえ、あるものは命を軽視する哲学を身につける。人それぞれなんだな。

そのあたりのことを・・・警視庁公安部に外事第三課までしかないにもかかわらず存在する外事第四課はそのどす黒い姿を見せることで訴えるのか。

「この国にテロの脅威はない」といい続ける人々は「今もまだ消息の分らない拉致被害者は存在しない」と言っているのと同じなのである。それはつまり某国のスパイであることを告白しているのと同じである。

四課・主任・住本(渡部篤郎)はターゲットを徹底的にマークする。ハム(公安)の刑事である。彼が追い求めるのはテロリスト・fish(正体不明)・・・。それにつながる外交官ラモン(エディ・サイトウ)の家族を盗撮し、盗聴し、追尾して監視する。ラモンに国外に持ち出し禁止の機密を売ろうとする町工場の経営者の谷村(田口トモロヲ)の家族を盗撮し、盗聴し、追尾して監視する。彼らのプライバシーは国家の保全の大義名分のためには存在しない。

住本の部下たちの任務は神経をすり減らす仕事だ。彼らには秘密が命取りなのである。

五十嵐刑事(片岡礼子)が配置転換を願い出たために・・・住本は捜査課の刑事だった松沢陽菜(尾野真千子)をスカウトする。

就職に際し「親友が犯罪にまきこまれた傷ついた」ことを警察への志望動機としていたことをウソだと知っていたからである。「親友は単なる知人」で「彼女は傷ついていない」・・・そういう臨機応変さが求められるビジネスなのだった。

彼らは破滅にむかう犯罪に誘惑される谷村を黙って監視する。

そのことに後ろめたさを感じる陽菜だったが・・・ついに谷村に忠告することはできなかった。

谷村を破滅させるためにそっと背を押した住本は子飼いの工作員・架空のファンドの男(陰山泰)に報酬を届けるのだった。

こうして陽菜は汚れた世界に片足をつっこんだのだった。

家庭に戻った住本には妻(奥貫薫)と娘(稲垣鈴夏)がいる。もちろん彼の家族が盗撮され、盗聴され、追尾され監視されていることは言うまでもない。

関連するキッドのブログ『山田太郎ものがたり

月曜日に見る予定のテレビ『吉高由里子の東京DOGS』(フジテレビ)『相武紗季と上野なつひの1969年のオヤジと僕』(TBSテレビ)・・・絶対彼氏コンビの刺客だ。

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2009年11月14日 (土)

前人未踏の三十路宣言ドラマ手作りケーキで呪いいや祝い(仲間由紀恵)ビキニで嬢王V07(原幹恵)

朋(黒川芽以)が一回いなくなるだけでものすごくステータスの下がる嬢王である。もちろん・・・それは偏見に満ちた清浄なる世界のステータスだが・・・そういうものは現実に存在する。

もちろん・・・その逆に汚辱の世界があるわけでそれをキッドは完全否定もしないわけである。

しかし・・・この深夜だからといって何の根拠もなくやりたい放題の嬢王だからこそ。

清浄なる世界と汚辱の世界のバランスは大切なのだな。

それはつまり清浄なるものを汚辱することに淫靡の神髄があるからに他ならない。

舞(原幹恵)だけではマイナーにメジャーが埋没してしまいそうです。

で、『アンタッチャブル~事件記者・鳴海遼子・第5回』(テレビ朝日091106PM9~)脚本・橋本裕志、演出・唐木希浩を見た。このドラマのポイントは①仲間由紀恵が最高にイタい女を演じること。②常識を越えた闇の組織の実在に対する疑心暗鬼の追求。この2点だと思う。しかし、唐木演出になると微妙にこのポイントがずれていくのである。もう、こうなると天性とか偶然とかのレベルだけどな。

たとえば・・・①イタい部分では鳴海遼子(仲間)が間違って妹・美穂(名高梨緒)を殺された美鈴(芦名星)を遼子が片思いしている遠山(要潤)に優しく慰められ二人が抱擁するシーンで遼子は激しく嫉妬の感情を示すのだが・・・その演技をアップでとらえないのである。

これは隠し味にするべきところでなく・・・この後、遼子はこの嫉妬を原動力に犯罪コメンテーター楠田(中村獅童)との交際に溺れていくのである。そこがイタすぎて爆笑ポイントなのだが笑えるところまでもっていけなくなってしまう。

②についてもそろそろ・・・遼子の兄・鳴海刑事(小澤征悦)と片山刑事(辻谷嘉真)が口封じのために犯人を殺害しているという線がお茶の間には提示されているのだが・・・それについての疑念が芽生えたらしい鷹藤(佐藤智仁)の表情の演技だけでそれを示そうとしているらしい演出である。中途半端なんだよなぁ。

今回は前回、疑惑の対象となった城之内の疑惑が晴れたカタチになるのだが・・・それも安易である。この手のストーリーでは・・・最後には誰も味方がいないのでは・・・と遼子が追い込まれていくことがお約束である。

味方だと思っていた人が敵の連打ではもたないのである。敵だと思っていた人が味方だと思っていたら敵だと思っていたら味方だと思っていたら敵ぐらいの揺さぶりを登場人物全員にやらせるぐらいにしないと食い足りないのである。

なんだか・・・あっさりしていてメリハリないんだよな。

とにかく・・・仲間以外はやや弱いキャスティングだけに・・・もっとベタでくさい演出していかないと。

たとえば美鈴はどうみても・・・かわいい女には見えないのである。それをあえて見せる演出が必要なのだな。生前の姿を一度も見せぬまま死体となった妹を回想シーンに登場させるだけでいいわけだ。

たとえば鷹藤はかわいい男に見えないのである。占いを信じないと言われながら「ヒゲを剃るといいことがある」と言われて剃っちゃうくらいでいいのである。ついでにヒゲがあることでヒロインポジション適性を下げているのだから剃っちゃえたのに。

鷹藤と美鈴がかわいいキャラであることが・・・遼子が最高にイタい女になるために必要なのだし・・・二人がかわいいことがもしも本当に二人が死ぬことになれば闇の組織への敵意を遼子にもお茶の間にも強く持たせるのである。

美鈴はキャスティング的には今回、殺されていた方がインパクトがあったが、生き残って遼子の心の闇を拡大させるならそれをもっとお茶の間に伝わる形で見せないと・・・どこが面白いのか分らなくなってしまうのです。

まあ・・・とにかく・・・そんなこんなで面白いのにつまらないという微妙な部分をこのドラマは漂流中なのだ。

永倉ホールディングスが関係する環境保護のボランティア活動を支援する団体ラボネイチャリング。立てこもり犯人・菅原はそこで洗脳教育をされたと城之内(酒井敏也)は語る。Jリーガー高城(井上正大)とアイドル南彩香(松本若菜)との「交際疑惑そして異母兄妹発覚スキャンダル」を追いかけた遼子は事件を暴露したとされる占い師マーサ(三浦理恵子)とマーサをかばうカリスマ探偵の楠田と出会う。

何故か遼子に色仕掛けを仕掛ける楠田にいろいろあって心が痛い遼子はメロメロになっていく。

前回の歌手(金子さやか)に続いてちっともアイドルに見えない南が「全国的な盗聴組織がある」と言い出せば・・・誇大妄想と一笑にふすのである。

しかし・・・実際はカリスマ探偵として探偵学校を経営する楠田は卒業生の探偵をコントロールし、全国的な盗聴網を構築していたのだった。

それに得た情報をマーサに流し莫大な資金を稼ぎ出していたのである。

すべてはラボネイチャリングが新党を立ち上げて政界参入を目論むための資金集めだったのだと城之内は解説する。

その証拠に美鈴を狙い・・・美鈴の妹も殺したと告げる楠田・・・。遼子を刺そうとしてナイスタイミングで現れた鳴海刑事が射殺である。一方・・・マーサも自殺していたと片山刑事から報告が入る。

そして・・・遠山は東京にいるのに東京にいないと言って電話をしつつニヤニヤである。

もはや最も名無しの権兵衛に敵対するのは妹を殺された美鈴になるのだが・・・もちろんその場合も美鈴が普通に妹を愛していた場合である。

とにかく・・・遼子が15歳の時に鳴海兄妹の両親は放火によって殺害されたらしい・・・イノセント・ラヴかっ。

どこか・・・浮世離れした鳴海兄妹の描き方も不十分で・・・本当に面白いのにつまらないドラマなのである。そして公式裏サイトの間違い探しは七つ目がどうしても発見できないのである。・・・妙に不機嫌だと思ったらやつあたりかよっ。

関係するキッドのブログ『先週の金曜日のレビュー

で、『嬢王Virgin・第7回』(テレビ東京091114AM0012~)原作・倉科遼(他)、脚本・梶木美奈子、演出・岩田和行を見た。お茶の間にオンエアされるドラマのサブタイトルとしてはもはや限度を越えたな・・・。「㊙蜜汁絶頂昇天!生ビキニ」である。誰か、止めてやってくれと叫びたい夜があります。オスカープロモーションの原幹恵に対する態度はソニンに対する和田マネージャーの如しなのか。

もちろんクマのプーさんが蜜壷かかえているというオチでもないのである。

そして・・・失踪中の朋はこのサブタイトルから逃げたのではないかと妄想しました。

その密汁を垂れ流すのは舞であった。「いじめによるトラウマで男性と接することができない」という悩みを持つ舞に何故か優しく接する亜莉沙(蒼井そら)・・・。「ガリレオ」ではできないトップレス・サービスの後で怪しい飲料を舞に奨める。

亜莉沙「毒でもお酒でもないからお飲みなさい

舞(亜莉沙が先に飲むのでつい飲む)

亜莉沙「飲んでしまったわね。これは媚薬なの。インドのカーマ(性愛)について書かれた「カーマスートラ」(4~5世紀成立)が伝える秘密の薬よ・・・・」

舞(たちまち喘ぎだす)

亜莉沙「人間のすべてを知らなければ最高のおもてなしはできないの・・・さあ、あなたの心のフタをあけてあげる・・・」

亜莉沙の超絶テクニックで絶頂昇天いる舞だった。・・・おいっ。

一夜あけて・・・。

亜莉沙「昨夜は燃えたね」

舞「あの・・・クスリのせいです・・・」

亜莉沙「ふふふ・・・あれはただのハーブ・エキス・・・あなたの中にかくれていた欲望がただあふれ出しただけなのよ・・・性と愛は表裏一体・・・あなたの中に愛しい男への思いが隠れていて・・・それを私が引き出しただけ・・・」

暗示による偽薬(プラセボ)効果である。愛が錯覚に過ぎない以上、媚薬と偽薬の区別は無意味だという話なのだな。

とにかくだ・・・男が女を犯すのは犯罪だが・・・女が女を犯すのは犯罪ではなくて単なる変態だと・・・スタッフは主張しているのである・・・なんだかなぁ。

もう、とにかくお茶の間にオンエアされたドラマとしての一線を越えたのは間違いないな。

しかし・・・舞の心に性愛の相手として桜木(大口兼悟)が浮上したのだった。こんな本命の表現方法がかってなかったことだけは評価してください。

舞の心を見抜いたように優衣華(原紗央莉)が登場。

そんな二人の前に姿を見せる決戦出場者たち。九州代表(予選通過総合順位2位)の小悪魔系・珠里(木口亜矢)、そしていきなりパンチラ・サービスをする関西代表(総合第3位)のメガネ娘系ヤンキー・翔子(横山美雪)である。もうだれがグラビア・アイドルでだれがAV女優なのか判別不能です。

珠里「キャバ嬢の仕事はチームプレイが大事よね

優衣華(鼻で笑う)

珠里「無視かよ・・・」

一方、翔子はぬいぐるみの首を引きちぎる凶暴さを見せる。なんかクスリやってんのか。

とりあえず・・・本選大会メンバーがパワーダウンしていると感じたのか・・・特別枠として・・・亜美(麻美ゆま)を出場させる雨宮(永田彬)・・・焼け石に水とはこのことか。

香織(かでなれおん)の体の不具合の原因は雨宮のおこした交通事故にあったらしい。

とりあえず・・・香織は雨宮を一生縛りたいらしい。

香織の父の愛人である亜美はなぜか・・・舞に対する敵愾心を香織に植え付けようと画策するのだった。

本選第一夜はビキニ・ナイトである。下着で濡れ場を演じた後だがビキニ着用をためらう舞。朋はこれもパスしたな。とにかく桜木から送られたバラのコサージュに励まされ店に出る舞だった。

しかし・・・優衣華は店の子の反感を肩代わりさせるために自分の売り上げを舞に流す。

いきなりトップに躍り出る舞だった。

たちまち・・・店の子たちは舞を苛めるのである。

一方、兄に怨みを抱く優衣華に真意を質す舞。

舞「なぜ・・・兄と妹が憎みあうの?」

優衣華「あいつは・・・人殺し・・・」

舞は真相を確かめようという口実で桜木に会う。

そして・・・桜木に唇を許し・・・ふたたび密汁絶頂昇天なのである。もう笑うしかないな。

これ・・・ファースト・キスなのに・・・なにがなにやらでございます。

完全に一回休み状態で届く朋のファクス。「私には策があります」・・・つづくである。

日曜日に見る予定のテレビ『天地人』(NHK総合)『JIN・仁』(TBSテレビ)

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2009年11月13日 (金)

独り飲む酒七年後(唐沢寿明)彼と映画を観てクルマで送ってもらいました(多部未華子)

エンディング・テーマがかかると原田芳雄がグラスを片手に「独り飲む酒~悲しくて~映るグラスは~Bluesの色~」と歌っている幻影が浮かんでくる人は多いらしい。一種の集団幻想か。

トム・ウエイツの「トム・トラバーツ・ブルース」は1976年頃の作品。原作の前半分が刊行された年である。

歌の内容はこの世のふきだまりに迷い込んだ流れ者のくだまきという趣きである。だから、まあ、「Yokohama Honky Tonk Blues」でもよかったんじゃないかと思う。

とにかく・・・このドラマがズタ袋をかついでさまよい歩く主人公を描いているのかどうかは微妙だな。それは「あしたのジョー」にまかせておけばいいと思うよ。

で、『不毛地帯・第5回』(フジテレビ091112PM10~)原作・山崎豊子、脚本・橋部敦子、演出・水田成英を見た。同志を死に追いやって日本の空にスターファイターF-104J栄光(ドラマの中ではラッキードF-104戦闘機)を導入した壹岐(唐沢)だった。その過程で国家機密漏洩の罪で社内から逮捕者を出した責任をとり辞表を提出する壹岐。しかし、近畿商事・大門社長(原田芳雄)は「作戦が失敗して多くの将兵が犠牲になる度に辞表を出す参謀などいない」と壹岐を慰留をする。

「死んだ者たちへの償いは戦い続けることしかないのとちゃうか?」

痛いところを突かれた壹岐は我武者羅に働くことを決意したのだった。壹岐の洞察力により近畿商事は繊維中心の商社から鉄鋼などの非繊維業務に手を広げ、総合商社として変貌していくのである。

そして・・・七年後。近畿商事・東京本社は巨大なオフィスを構え、社長直轄の経営戦略本部を率いる壹岐は常務取締役に就任していた。この異例の出世に旧世代の副社長・里井(岸部一徳)、繊維部門担当専務・一丸(山田明郷)たちは嫉妬の青い炎を燃やす。

いつのまにか豪邸になっている壹岐の自宅ではいつまでも若い妻・佳子(和久井映見)が編み物をし、娘の直子(多部)は26歳になって肩パットいれてジャパン航空勤務である・・・って高校卒業から26歳までの直子の青春は描写しないのかよーっ。

とにかく・・・七年前から交際している鮫島ロンドンくん(石田卓也)とは映画を見て夜遅くまでデートをする仲らしい。

当時の感覚で言えば行き遅れているとも言える直子の「縁談などまだ早いと言うのだ」という典型的な娘溺愛タイプとして描かれる壹岐はロンドンくんの笑顔に拳を握りしめるのだった。しかも・・・ロンドンくんは親友の川又(柳葉敏郎)を自殺に追い込んだ元凶であり商売仇でもある東京商事の鮫島(遠藤憲一)の息子だった。

「鮫島めぇぇぇぇぇぇぇぇ」と血管切れそうになる壹岐だった。

時は昭和42年(1967年)である。少年マガジンで「天才バカボン」の連載が始まった年である。二人の見た映画は春なのでアランドロンの「冒険者たち」・・・そして夏になったらシドニー・ポワチエの「夜の大捜査線」を見るのだろう。

彼女たちは戦前の生まれだが・・・戦後生まれの若者がすでに大学生になっている年なのだった。ティーンエイジャーはグループ・サウンズに・・・子供たちは怪獣に夢中なのである。

政治の世界では汚職が蔓延し、日本全土が黒い霧に覆われていた。明治大学の学費値上げ反対闘争で全学連のパックアップする学生会と大学当局の理事会が対決。間にはさまれノイローゼになった教授は電車に飛び込み自殺。米黒人兵と日本人女性と間に生まれた黒人混血少年が連続殺人を起こし、米国ではアポロ宇宙船が爆発、元トルコ(ソープ)嬢と付き合っていた無職青年が羽田空港のトイレを爆破、ソ連のソユーズ1号は墜落、新潟水俣病裁判開始、中国では文化大革命の嵐が吹き荒れ、中国とソ連の関係は悪化、インドネシアではスカルノ大統領解任、デ・・・米軍は正月にベトナム・メコンデルタに本格侵攻し二月には枯れ葉作戦を開始、泥沼に突入していくという全世界が活気に満ちすぎた様相を呈していた。

ベトナム戦争には多大な軍事予算がつぎ込まれ・・・軍事関連物資の価格は急騰。近畿商事は総合商社として荒稼ぎをして急成長していくのである。

壹岐は戦争で苦渋する側から戦争で大儲けする側に立場を変えたのだ。

世界で商売するためには情報の収集が欠かせないため・・壹岐の元には兵頭(竹野内豊)や不破(阿南健治)ら一騎当千の社員が集められていた。

世界の果てで算盤を弾くと言われたジャパニーズ・セールスマン伝説の始まりである。・・・そんな伝説はないだろう。

そんな商社マンたちの目下の関心は緊張を高める中東情勢だった。

第二次世界大戦でユダヤ勢力、アラブ勢力のどちらの協力も得ようとした連合国側は二枚舌外交を展開、戦後、聖地エルサムレムでのユダヤ国家イスラエル建国によりアラブとの摩擦を起こす結果を招く。以来、イスラエルとそれを包囲するアラブ諸国の対立は深まり、第一次中東戦争、第二次中東戦争と軍事衝突を繰り返していた。

イスラエルの背後には米英がアラブ諸国の背後にはソ連が暗躍していたが、宗教的な問題と経済的な問題が複雑にからみあい・・・大国の思惑を越えたところで爆発する中東の火種の着火点は予測不可能の領域を含む。

そのうかがい知れぬ戦争開始の時期を予測することが商社にとっての生命線だった。

元・軍人として壹岐は独自の情報源を開拓・・・情報戦の勝利を掴もうとする。

そのひとつはデ・・・インドネシア華橋の黄(石橋蓮司)の第2夫人となった紅子(天海祐希)だった。デ・・・・・・紅子のコネクションにより昭和の政商とも裏世界の黒幕とも言われる竹中氏経由で在日ユダヤ人安蒜(団時朗)とコンタクトを持った壹岐は・・・ユダヤ人国際情報網という協力な情報源を手に入れる。

米国CIAもソ連KGBも及ばぬ現地直結情報を獲得するために流通の力を最大限に活用する壹岐に嫉妬に目がくらんだ社内から反発の声が高まる。

そんな大技を駆使しながら、仄かな好意を寄せる千里(小雪)とデートしたり、シベリア抑留時代の旧交を暖めたりと壹岐は五十代ながら果敢に動くのだった。しかし・・・かっての部下・小出(松重豊)の零落した姿よりも千里を優先するあたりが・・・人としての限界である。

米軍がベトナム戦争に本格介入し・・・中東での影響力が低下すると、イスラエル国内では危機感が高まっていた。周辺諸国はすべて敵であり、ソ連のバックアップを受けるアラブ諸国は日々、軍備を拡大している。

四面楚歌の状況の中、イスラエルは先制攻撃による局面打開を決意するのである。

日本の商社にとって重要なのはヨーロッパとアジアを繋ぐバイパスであるスエズ運河の通行問題であった。戦乱によってスエズ運河の運行が不通となればアフリカ大陸を迂回する喜望峰コースを通行しなければならず、そのための船舶確保が貿易の課題となる。

いつ、そしてどのぐらいの間、スエズ運河は利用できなくなるのか。

近畿商事も東京商事も熾烈な情報戦を展開する。

5月22日、アラブ諸国のリーダーであるエジプトのナセル大統領はイスラエルの死命を制するアカバ湾封鎖を宣言する。

この情報を日本の商社マンで最も早く知ったのは壹岐だった。

そして6月1日イスラエルは国防相に軍人政治家・片目のダヤンを任命し、臨戦態勢を示すのである。

ズタ袋をかついで

ズタ袋をかついで

さあ・・・さまよいあるこうぜ・・・オレとな

女たちはみんな苦界に沈み

男たちはみんな落ちぶれ果てる

それがこの世の運命なのさ

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土曜日に見る予定のテレビ『外事警察』『アグリー・ベティ2』(NHK総合)『志田未来の小公女セイラ』(TBSテレビ)『大後寿々花のサムライ・ハイスクール』(日本テレビ)『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』(フジテレビ)午後九時に四つのドラマ激突だが・・・もう外事にのりかえちゃうか?・・・いや、それはないだろう。

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